3 / 7
第3話
「今日は、少し遅くなるよ。」
(そ…ですか。)
「そんな顔しないで?二ノ宮がいるから大丈夫だと思うよ。」
最近は獅子堂さんは帰るのが遅い。
(やっぱり、社長さん忙しいのかな?)
ガチャン「ただいま」
(お帰りなさ…。)
「どうしたの?」「あっ…!それ…。」
(⁉…。)
獅子堂さんの首に少し赤くなっているところが
あった。
(今朝まで無かったのに。)
俺は目を伏せて寝室に逃げた。
そして気がついた。
この感情は “好き” なのだと。
(今さら気がつくなんて。)
多分、あの日出会ったときから一目惚れだったんだ。
涙が溢れて、でも声がでないから顔さえ見られなければばれない。
ベッドで横になると、涙を流してそのまま寝た。
ともだちにシェアしよう!