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第3話

「今日は、少し遅くなるよ。」 (そ…ですか。) 「そんな顔しないで?二ノ宮がいるから大丈夫だと思うよ。」 最近は獅子堂さんは帰るのが遅い。 (やっぱり、社長さん忙しいのかな?) ガチャン「ただいま」 (お帰りなさ…。) 「どうしたの?」「あっ…!それ…。」 (⁉…。) 獅子堂さんの首に少し赤くなっているところが あった。 (今朝まで無かったのに。) 俺は目を伏せて寝室に逃げた。 そして気がついた。 この感情は “好き” なのだと。 (今さら気がつくなんて。) 多分、あの日出会ったときから一目惚れだったんだ。 涙が溢れて、でも声がでないから顔さえ見られなければばれない。 ベッドで横になると、涙を流してそのまま寝た。

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