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第5話
獅子堂さんにあきれられたかな。
やっぱり、好きって気持ちは叶わないのかな。
明日から、顔あわすの無理だなぁ。
獅子堂さんが眠った朝の3時頃俺は家を出た。
(ごめんなさい。…さようなら。)とテーブルに今までのノートも置いて家を出た。
今の俺の持ち物は、財布とこの前獅子堂さんに買ってもらった小さいぬいぐるみ、そして一週間分の服だけだった。
(そう言えば、獅子堂さん今日は朝の5時に仕事に行くって言ってたな。…もう、起きた頃かな。…俺には関係ないし、忘れよう。)
俺は電車に乗って叔母の家に行った。
ピーンポーン
『はーい?あら、季里くん?』
「こんな朝早くにどうしたの?」
叔母さんは俺にコーヒーをいれてくれた。
(ちょっと、大切な人の家になんやかんやあって住んでたんですけど、昨日ふられちゃいまして。)
「…そう。叔母さんが守ってあげるからうちに住みな。」
(でも…良いんですか?)
「いいに決まってるじゃない。季里くんのことは、華(季里の亡くなった母)に頼まれているし。」
(ありがとうございます。)
-叔母-
あの人達が季里くんを見つけるのは時間の問題。
孝太(行方不明の父)の両親に頼むしかない。
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