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第6話

離れようって自分から言ったのに辛い。 眠れなくて、2時ぐらいまで起きていたが、さすがに眠らないとと思い、寝た。 4時すぎに目が覚めると物音がなにもしない。 リビングに出ると、テーブルにはメモがあった。 そのメモを見たとたん、すごく焦り、季里のいる寝室に入ったが、ほとんどなにも無かった。 急いで、季里のスマホに電話をかけるが繋がらない。 「二ノ宮‼季里がいなくなった‼」 と二ノ宮に連絡をした。 「わかりました‼調べます。」 昨夜しっかりと話し合えば季里はいなくならずにすんだのか。 「クソッ…。」 テーブルにあったノートを見ると 最後のページに昨夜の態度と謝罪そして“好き” と書かれていた。 「今さら、気づくなんて。…季里は声がでなくても、伝えようとしていたのに。」 自分を責める。 ピーンポーン。 「…二ノ宮か?」 ガチャ 「おはようございます。獅子堂社長。」 そこに立っていたのは、 「…おはようございます。古木社長。」 取引先の社長の古木 歩だった。 「フフ、不思議に思っているでしょうが、僕は今日は季里の事を教えに来たんですよ。」 「貴方は何故季里の事を?…」 「ここでは話せないので中に入れてもらえますか?」 「どうぞ。」 「季里と僕は幼馴染みなんですよ。」 「そうだったんですか。」 コーヒーを飲みながら古木は話す。 「季里の母方の両親…季里の祖父母はあの、 “天野家”なんです。」 「天野家⁉」 天野家は世界で有名な財閥である。 「獅子堂社長、この薬、見たことありますよね?」 差し出されたのは一粒のカプセルの薬だった。 「えぇ。これは妊娠薬ですね。」 「最近この薬が、売れています。その薬を使ってあの人たちは季里をうまいこと使おうとしています。」 「何故季里が⁉」 「季里は頼る所がほとんどありません。 唯一の伯母たちをもし、人質にしたら?」 「…季里は優しいから。」 「そう。簡単に手に入る。 天野家は世界に繋がっている。 だから、向こうの要求をのめば、天野家はますます良くなる。 そこで、季里はとても都合が良くそして美しい。」 「…季里が売られる…ということですね?」 「はい。」 怒りがわき出てくる。 「…獅子堂社長、僕は季里の幼馴染みとして、 季里を頼みます。 必ず幸せにしてください。」 古木は真剣な目で見つめた。 「命に代えてでも守ります。」

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