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第9話
「兄ちゃん、それなに?」
「これか、これは特別授業で必要な特別な玩具だ」
「?」
特別なオモチャ。いったいどうやって使うのだろうか。兄ちゃんが手にするオモチャはふたつ、ひとつは透明なボトルに入った液体のようなもの、それからもうひとつは黒くて長い箱。なかに何が入っているのか気になって仕方ない。
黒い箱に興味津々だ。ぼくの視線が箱に向かっていたのに気づいたのか、兄ちゃんはにやりと笑ってひと言「中身が知りたいか」とぼくに訊く。当然ぼくは「うん」と答えると、今度は満面の笑みで兄ちゃんは「そうか」とうなずく。
ふたつのオモチャをベッドに置くと、ぼくのとなりに兄ちゃんも座り授業開始だ。
「じゃあ早速これ開けてみような」
「うん」
どきどき、わくわく。誕生日のプレゼントを見るような感じというか、とにかく中身を知るのが嬉しくて知らず身体がリズムを刻む。ぼくの様子に兄ちゃんは「ふはっ、踊ってんじゃねえよ」と笑いながら、いい子いい子と頭を撫でる。
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