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第11話
「いいぞ、どこからでもかかってこいっ! ぼくがやっつけて──痛っ」
「ばーか。やっつけてどうすんだ、特別な玩具つったろ」
ぼくが決めゼリフを言い終えないうちに、兄ちゃんがぼくの頭を叩いて話を止めてしまう。それにしてもチンコが特別って、それってどういう意味なのさ。まったく話が見えずにまた魔法にかかってしまいそうだ。
しかも妙にリアルなチンコは存在感たっぷりで、ぼくに謎のプレッシャーを与えてくる。そして背中にはデカパイの女、はっきし言ってとんでもなく居心地が悪い。もしかして、これはぼくに与えられた試練なのか。
それならぼくは引かない、受けて立つと気合をひとつ。……意気込んだまでは良かったものの──
「だからモンスターじゃねえって」
「痛っ。もう、パシパシ叩くのやめてよ」
やっぱり兄ちゃんに頭を叩かれてしまった。
「おまえは考えてることがバレバレだっつの」
「うわあっ、それで叩くのはやめて」
最後に兄ちゃんはリアルチンコでぼくのおでこを叩く。その質感にぞわぞわと鳥肌が立ち、急ぎ手で払いのけてガードした。
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