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第18話
「ああっ、うああ──っ!」
いったい何をしたんだ兄ちゃんっ! 心臓が悪いひとだったら確実に止まっていたぞ。
下半身がおかしい。いくつもの妙な感覚は、痛くて苦しくて気持ち良くて気だるい要素を合体させたみたい。お腹のなかにすごいものが居据わっている感覚、もしかしなくても兄ちゃんは”これ”と言っていた。
これとはつまりリアルチンコ……。
身体中からどっと脂汗が出そうだ。あんなデカいモノをつっ込むなんて、腹のなかに収まる内容物が飛びだしたらどうする。後ろからつっ込まれたからきっと出る場所はチンコの穴だと考えていると、兄ちゃんがぼくのチンコをまさぐり変なことを言う。
「おまえ後ろイキしたのかよ。やるな」
「後ろイキ?」
「おお、尻だけで射精するこった」
「しゃせい? おちりでお絵かきするってこと?」
「……おまえ本気で言ってる?」
なんのことやらさっぱりで頭をひねっていると、兄ちゃんはぼくの知らないおとなの世界を教えてくれた。
しゃせいとはつまり”射精”のことで、チンコからオチッコ以外のものが出ることをいう。男なら誰でも出す物質で、それがないと子孫を残せないという。たぶん学校の性教育で、そんなことを聞いたような気がする。
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