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第19話
ぼくをつくるのに父さんは大変な苦労をしたんだと感心していれば、兄ちゃんが「それ違うからな」とぼくの納得にケチをつける。それから射精とは気持ち良いことをしなければ起きない現象だとも兄ちゃんは言う。
「じゃあどうしたら出るの?」
「おまえオナニーしたことねえの?」
「オナニー? なにそれ」
「マジか。ひょっとして、射精したの初めてか」
「よく分かんないけど、こんな白いの出たのは初めてだよ」
兄ちゃんの手をアメーバーみたいに絡みつく白い液体に目をやりながらそう答える。すると兄ちゃんは「そっか。じゃあ郁の精通記念日は今日だな」と微妙な記念日をつくり、「郁の精通はアナニ―だ」とケラケラ笑う。
意味は分からないけど、喜ぶべきことでないのは理解できた。むむむと気分を害しているぼくに、つづいて兄ちゃんは「けど初めての射精が玩具というのは許せねえな。おまえお仕置き決定ね」なんてひとでなしなことを言う。
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