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第4話
「オイ。何が楽しくて野郎2人で、海にこねーといけねーんだ。しかも、全然クソあちーし」
不機嫌をそのままに、悪態を吐いた。
「まぁーまぁー」
それに気にすることなく、アイツは夜の浜辺をザクザク歩いていった。
「なぁー、海見てみー」
前を歩いていたアイツは、急に立ち止まり、そして、まっすぐ右腕を伸ばし海を指差した。
ひたすら足下をみて歩いていた私は、思わず顔を上げた。
「なっ!夏の海もいいだろ?」
暗い海に浮かぶ白い線。
昼間のあの海とは全く違った、神秘的な夜の海に心を奪われた。
「でも、新月の海もいいよ。真っ暗で波音が綺麗に聴こえる。オススメ!」
横からする声に顔を向けると、
「だから、また海に来よう」
暗がりだったが、月明かりに照らされたアイツの顔は、確かに笑顔だった。
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