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第9話

次は、僕を見ている男に気づいて、少し誘惑してみた。 簡単に頬を染めてしまう彼が面白かった。 からかっていたら、その男性は僕を飲みに誘ってきた。 面白くて誘いに乗って居酒屋に向かう途中、彼に路地裏に引きずり込まれて、足にズボンをひっかけたまま、片足を持ち上げられ、セックスをした。 苦しそうな、切なく、今にも崩れ落ちそうな彼の瞳に僕が映っているのがたまらなく愛おしかった。 僕たちは、許されない行為に溺れている。本当は駄目なのに、傷つく人がいるのに。 それでもこの名前のない関係をずるずると続けていた。 酷い男だと思っていたんだ。最初は。 これは復讐だ、と。 諦めさせてくれなかった。 結婚しているのに襲われた。 だから復讐だと。 僕が全部、彼を追い詰めたことなのに。 なんて醜悪なんだろう。 呆れてしまう。

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