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第11話

その夜は、彼の指示どおり彼の顔の上で足を開いて、ベットサイドを握りしめて――彼の舌の動きに腰を揺らした。 指ではなく、舌でほぐされていく窄み。 いつもみたいに早急に挿入するのではなく、ぬるりとした舌でゆるゆるじっくりほぐされて、それがじれったくて腰が揺れた。 「君のっ太い、指で……っ」 「駄目だ」 「奥を、ごりごり、擦ってほしいっ」 舌だけでは、顔に押し付けて奥に当てたくなるじゃないか。 「それで?」 「指だけじゃ、届かない場所を」 突いてほしい。 言いながら、触ってもらえていないくせに起っていたペニスからたらりと先走りが垂れた。 慌てて両手で握りしめたら、バランスを失い彼の胸にぺたんと座り込む。 「手を離しな」 「いや、だ。見ないでくれ」 「じゃあそのまま自分で擦るのか。俺の目の前で」 「それは……っ」 彼の目を見ると、期待しているようだった。 人前で自分の敏感な部分を擦るなんて下品で好きではない。 でも、彼が喜ぶ姿が見てみたい。 僕は片手で握りしめると、後ろへ手を伸ばす。 そして僕を舐めただけで固く尖り、頭を持ち上げていた遼のペニスも握りしめた。 にちゅっと擦るたびに濡れた音が響く。 僕のは片手で掴めるけれど、彼のは大きくて先走りで滑って上手く握られない。 「も、もう、駄目だ。欲しい」 ひくひくと後ろが彼を求めていた。 胸に倒れ込むと、お腹を押し付けて互いの熱をこすり合わせた。 「いいぜ、そのまま乗っかって、腰を振れ」 意地悪だ。彼に焦らされて足の感覚なんてわからなくなってきたというのに。 それでもみっともなく足を開いて、お腹に片手を置いてずぶずぶと自分で挿入した。

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