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第4話
「そういうわけで。
これ、全部、修司くんへのものだから、気にしなくて食べていいよ」
「……なんで」
「え?」
「なんでそんなもん、平気な顔して俺に食わせるんだよ!?」
自分でもなんで怒ってるのかわからない。
けど、平気な顔して笑ってるよしちゃん先生に腹が立つ。
「……修司くん?」
「ムカつくんだよ!
そんな平気な顔で、こんなもん……」
「……平気じゃないよ」
笑顔が消えて、真顔になったよしちゃん先生が怖い。
珍しく、真っ直ぐに俺の目を見る、レンズの向こうの、瞳。
「平気なわけないだろ?
修司くんに、とか」
「や、やっぱり自分宛じゃないのが、ムカつく、……とか?」
「は?そんなことあるわけないだろ」
「え。じゃあ……」
……なに?
そう云いかけて途切れる。
……なぜなら。
よしちゃん先生の手がゆっくりと俺の頬を撫で、顎にふれた指が顔を上に向かせた、から。
「……知りたい?」
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