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5-F
「ん、森保君?おはよう?」
「……」
久しぶりの挨拶に、森保君の会釈はない。
只今、午後0時25分。
逆光で、森保君の顔はよく見えなかった。
森保君の重役出勤はなくなった。
「森保、この調子で授業に出ろよ」
「森保、やれば出来るじゃないか」
先生達は一安心。
「モリー、帰りにマック行こー」
「モリー、前言ってた漫画なー」
イケイケグループはいつも通り。
「モリー、この動画見て見て!」
もちろん、ヨッシーは…若干煙たがられてる?
でもまぁー、見た目はちょいワルだけど、友達思いなんだよね。
そう、森保君は人気者。
無口だけど、いつも輪の中心にいて。面倒くさそうだけど、必ず手をかして。
どこからともなく友達が集まって、いつの間にか森保君の周りはワイワイガヤガヤ。
本人は、それを嫌がる事もなく。
とても当たり前のことみたいだ。
ただ…、
「モリー、さっきの動画やってみようぜ!」
主人公は王子様への対応には困惑中。
そのシーン、アドリブですか?
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