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第18話

横腹を指で掠めながら、シャツの裾を上げられていく。そのもどかしい感覚に自ずと腰を浮かせフォローに入る。 多分、何度経験してもこの瞬間に慣れる事はないだろう。風呂に入る為でもなく、着替える為でもなく、セックスをする為に服を脱ぐ。 さらけ出された上半身に鳥肌が経立つ。冷房で冷えただけではないだろう。 「俺だけ……やだ」 「ん……じゃあ脱がせて」 実際言葉にされると恥ずかしさが際立ち、頷くので精一杯だ。 腰を抱えられ、晴矢の膝に跨がう形にさせられる。熱を孕んだ瞳に、真っ直ぐ見据えられると、シャツを掴む手が震える。 この時点で、もう愛撫が始まっている事を去年晴矢から学んだ。 「……なんか、始めてした時みたいだな」 俺の問いかけに、少しだけ微笑んだ晴矢に釣られて顔が緩んだ。 自ら跨り、服を剥ぎ取った、去年の愚行を思い出す。 晴矢からすると、とんでもない暴挙に思えたかも知れないし、一歩間違えれば俺はレイプ犯だ。しかし、今も俺に触れてくれていると言う事が、許されている様に感じた。 独りよがりだと言われるかもしれない。だが、優しく触れるその手が、唇が、俺を調子づかせる。 晴矢が無言なのをいい事に、俺の手は積極的になってゆく。 「晴矢、さんーー俺にやらせて」 均整のとれた身体に誘惑され、程よくついた胸筋を撫で回していた。 俺の意志を優先してくれたのか、晴矢からの愛撫はピタリと止み、腰に手を置いているだけだが、それだけでも声が出てしまいそうになるくらい興奮していた。 少し汗ばんだ首筋に唇を寄せ、晴矢の体温を感じとる。そのまま、舌を這わせ喉仏を執拗に味わう。 山なりのこれが、男だと教えてくれているようで好きだーーこれも、晴矢の受け売りなのだが。 「ーー紀智、ごめん」 「え……?」 不意に肩を押し返され、どうしたのかと聞く間もなく、俯いていた晴矢が顔を上げた。 「俺には無理だ……出来ない」

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