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第41話

「……はぁ? ちょ……やめろっ!」 抵抗する間も無く、一気にズボンと下着を剥ぎ取られ、跨られ体重を掛けられたーー唯一身動きの取れる腕で、近付いてくる晴矢の上半身を押し返すが、その腕もすぐに捕まり、説得を試みるしかなくなった。 「……っ! ど、けよ……そんな気分じゃねぇって! い……伊月さんにバレたら、どうすんの? また……モメんじゃん?」 「ーーお前が、黙ってればバレねーよクソビッチ」 「ビッーーっ! 男は、お前だけだっつってんだろ! ちょ……なっに……やめっーー」 「だから、『晴矢(おれ)』が抱いてやるって……アイツとの違い、確かめてみ?」 Tシャツを中途半端に脱がされ、背中へと回された為、完全に両腕を拘束されてしまった。 芋虫の様に身体を捩らせ、どうにか脱出する術を見つけようともがくーーが、晴矢の素早い行動に身体が強ばってしまった。 「っ……いたっ……やめ、ろ……」 強引に()じ込まれた指の動きが不快でしょうがない。 経験にない、その荒っぽい指使いが腹にまで響き、力が入るーー何かの、拷問か? そう思う程苦痛でしかなかった。 「……力抜け……そんなんじゃ入んねぇだろーが」 「……っ……ヘタ、くそーーッ! ンっ!」 自分の意志とは関係なく、身体が反応する。 晴矢に教え込まれた、自身のいい所を時折掠める様に撫でられ力が抜けるーーその一瞬を見逃してくれるはずも無く、また乱暴に押し込まれた指が腹を掻き回してくる。 何度もそれを繰り返され、言う事の聞かなくなって行く身体が悔しいーーせめて、声を出さないようにと、唇を噛み締めた。 「ーーもう、いっか?」 時間にしたら僅か数分ほどだと思う。 異物感から解放され、一安心したのも束の間でーー腹の上に乗っていた晴矢が、ズボンを寛げる姿が目に入った。 「ーーちょ……冗談、だよな……? もう、分かったから……いいって……」 「……なら、分かんだろ? 俺はアイツみたいに、優しくしねぇよ?」 窮屈そうに納まっていた下着から、勢いよく飛び出したモノからどうしても、目が離せない。 ふと、垂れてきた液体を辿り上を見ると、口角を上げた口から出た舌先を伝い、涎をそそり立つそこへ滴らせていた。 「は……? マジ、で……なに、してん、だよ……?」 「んー? ローション代わり……このままだったら俺が痛てぇだろ?」 潤滑油と言ったそれを、全体に絡ませるように、晴矢は自身の怒張を握る手を上下させた。 粘着質な音が、これからされるであろう事を想像させ、やっと危機感がわいてくる。

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