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第47話
即戦力になるような情報は得られなかったが、何となく分かった事もあったのでこれで、良しとしよう。
ペットボトルを晴矢に渡し、次の準備に取り掛かる。
「……はあー生き返るー……って、おい! 紀智さん? なんで、服脱いだ?」
見るからに慌てた様子の晴矢を仰向けに寝かせ、脱いだTシャツで両手首をベッドの柵に固定させた。
「……紀智さーん? どうゆう状況?」
「今から伊月さんと話す……あ、腕どう? ユルい?」
「え……あ、ガッチガチだわ……いや、違ぇから。こんな状態で何話すんだ。体と体で対話でもすんのかよ?」
ヘラヘラと笑っていた晴矢が、俺の表情で察した様だ。見る見るうちに笑みが消えて行く。
「マジ……? いやいやいや、さっきまでの会話でどうやったらこうなんだよ……ちょ! ベルト外すな! 早まんな!」
引き抜いたベルトを床に捨て、昨日と逆転し晴矢に跨り体重を掛け座った。
「別に、晴矢さんみたいに無理やりしたりしねぇよ。同意を得てからやる……でも、途中で帰られたら困るから一応縛っとく。昨日、晴矢さんにもそうされたしなぁ?」
「……それに関しては申し訳ありません……けどよ、なんでいきなりこうなったよ? 最後に聞かせてくれよ」
『最後』と言う言葉に過剰に反応してしまい、一瞬言葉に詰まってしまうーー何となくだが、予想出来ていたはずなのに本人の口から聞かされると、重みが桁違いだーー。
静かに深呼吸をし、心を鎮めた。
「……伊月さんは、ゲイだけど認めたくねぇんだろ、そんな感じだったんなら、多分今までも男と寝た事はないと思う。だから俺とヤる事に慎重だった。でも、前向きには考えてた……キスは許してくれてたし……でも、晴矢さんが俺の事抱いて、また殻に閉じこもった感じ? 何考えてんのか完全には理解出来ねぇけど……とりあえず、ヤッちまえばどうにかなる。男がいけるってのも認めさせてやるし、俺が……伊月さんだから抱かれるってのも、ヤレば分かんだろ……したらもぉ言い訳も出来ねぇだろ?」
始終黙って聞いていた晴矢が、突然大声を出して笑い始めたーーひとしきり笑った後、俺の背中を膝で小突き話し出した。
「ーーお前、やっぱ頭いいのな? いや、バカだよな? なんかズレてんだよなぁー……でもよ、いいと思うぜ? アイツにはこのくらいぶっ飛んでるくらいじゃねぇと響かねぇかもな……頑張れよ?」
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