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第4話
うちのお姫様、華がご帰還された。機嫌がいい。恐らく俺の親から、小遣いでも貰ったのだろう。
蓮が、仕事の為に華と入れ違いに帰宅した。
華は機嫌が良いし、ちょっとさっきの恋話的な話をしてみようと思う。
「ちょっと話あるけど今大丈夫?」
「良いよ。出来れば手短に。」
やっぱ、なんかもう面倒そうだ。
例の告白の件を遠回しに言ってみた。
流石に男同士の話だから、ど直球には言えない。
「それってさ、回りくどいけどパパと蓮さんの事でしょ。正直、面倒くせぇわ。」
バレた。女って怖い。
「ま、まぁそんな感じなんだけどパパ、恋愛とかさ、久々だし、まして相手は男だし。困ってるの。気持ち悪いだろうけどさ。俺は、友達のままが、一番良いと思ってるんだけど。」
「それ、本音かねぇ。私は本音じゃないと思うよ。昔、ママといた時とおんなじ顔してる。何があったか知らないけど、食事も出来るようになったし。」
ママといた時。俺は、元嫁が大好きだった。天真爛漫で明るくて美しかった。離婚話がでた時、俺は、一方的な愛情を与えていたんだなぁ、と思って激しく落ち込んだ記憶がある。
俺が黙って考えてると、華が一言。
「このニブチンが!もうYOU達付き合っちゃいなYO!!」
なんかテレビで見たフレーズでポーズをとる娘。
何かもうどうでもよくなって来たぞ。娘が拒否反応しない当たり、今時の若いモンは、性別関係ないのか?俺はヴァンパイアだし、でも失いたくないと実感している相手、蓮。華以外の唯一の理解者。
もう俺の中で大きな存在になりつつある蓮。
毎日、声を聞きたいと想ったりしてる俺。
不安を感じると頼ってしまう。
蓮にメールをする。仕事中だしね。
[例の話、考えてみたよ。華にも話した。沢山考えて考えて、俺の小さな可愛い脳味噌で結論をだしたよ。 友達から始めよう。因みにヴァンパイアだから、きっと辛い事が起きる。それでも良いなら、改めて宜しく。]
直ぐに返信が来た。
[辛い事以上に楽しい事をしよう。ドライブしたい、食事にも行きたい、映画も良いね。楽しい事は
沢山ある。二人、いや華ちゃんもいれて全力で楽しもう。凜、大好きだよ‼]
若いって凄いね。どえらい高い壁平気でぶち壊してくる。乗り越えるんじゃなくて、壊してくるんだ。でも、忘れてないかなぁ、中身40代のオッサンだぞ。取り敢えず、後でそこんところ確認しとこう。今返信したら、きっと終わりの無いメール合戦になる。
うん、でも何かスッキリした。友人からで良い。蓮は、優しい。辛い人生を経験した分、彼はきっと優しくなれたんだ。どれだけ苦しんだか計り知れないけど。
今となっては、蓮はかけがいのない存在。
それを認めたら、いつもの優しい眼差しを思い出す。彼は紳士だ。無理強いはしない。
ゆっくりこの気持ちを育てよう。
数日後、俺は蓮が紳士だと思った事を前言撤回する羽目になった。
うちのマンションは、かなり防音がしっかりしていて、娘もゲームやら音楽を大音量で聴いてるが、音漏れはほぼ無い。
俺の部屋もそう。だから、蓮から血液の提供?があった小競り合いを華は知らない。そうだ、いつか蓮にヴァイオリンを弾いてもらおうか。生演奏は素晴らしい。
恋愛を前提に友人として蓮と付き合っている。秋も深まり、寒さが増してきた。俺は寒いのが嫌いだから、気分が落ち込む。だけど今年からは、反抗期の娘と二人きりじゃない。少しは楽しめそうか。
そう、10月の半ばに蓮の血を飲んでから、1ヶ月程経つ。そろそろまたあの渇きが来た。苦しい。だけど娘には、バレたくないので、不味くなった食事を摂る。
一度、血液を飲むという交わりをしたせいか、蓮は敏感に俺の渇きを感じ取った。一言のメールが届く。
[今夜、そっちに行くから。直ぐに済む。]
家のインターフォンが鳴る。
もう夜の9時過ぎだ。娘は、部屋に籠っている。
「いらっしゃい。仕事お疲れ様。」
何とか笑顔を作る。しかし、見抜かれていた。
「渇いてきたんだろう?無理すんなよ。」
そういや、いつの間にかタメ語だ。まぁいいけど。
自室に二人で入り、無言で腕を出す蓮。マジマジと眺めるのは2回目だが、脈打つのが分かりそうな位、魅力的な腕だ。
だが、やはり噛み付くのは、躊躇してしまう。舌で口内をなぞると牙も伸びている。髪も白銀色になっている。蓮の腕を見て興奮しているのだ。
なかなか噛み付かない俺を見て、蓮が優しく促す。
「今日は、ナイフじゃなく噛み付いてくれる?ナイフの傷はなかなか血が止まらないんだ。噛み付く方がどうやら血が止まりやすいみたい。」
「....分かった。」
生まれて初めて(当たり前だが)筋肉逞しい男の腕に口を当てる。正直まだ葛藤と恐怖心がある。躊躇していると
「キスじゃ、飲めないよ。」
蓮は、また優しく微笑んでいる。
有り難う、蓮。お前には俺に血を与える義理も何も無いのに。だけど今は分かってる。蓮は、俺の事が好きで苦しむ俺を助けたいのだ。
勇気を出して、蓮の腕に牙を立てる。
直ぐに血液の味、それはとても美味で表現出来ない。久々の血液で夢中になって啜る。ふと蓮の様子を伺うと恍惚とした顔をしている。
あぁ、そうか。俺がナイトウォーカーに吸われていた時の快感に似た感覚なんだ。
ハッと我に返り口を腕から離す。
腕には、牙の跡がくっきり残り少し血が出ている。確かにナイフより止まりが良さそうだ。
「蓮、大丈夫?大丈夫か?」
蓮はまだ、少しボンヤリしている。飲み過ぎたか?夢中になってしまった。蓮はヤバくなったら、引っ張り剥がすと言っていたのに。
だが、どうやら血を飲み過ぎた訳じゃなく蓮は興奮状態の様だ。俺も血液を飲んで身体が火照りエネルギーに満ちている。
何で興奮しているか、分かったかって?そりゃ男ですもの。お互いのJr君が元気になっている。
蓮はともかく、俺は前回そんな風にならなかったから、焦っている。どうしよう。
蓮も意識がハッキリしてきた。蓮の眼は、完全にそういう事がしたいって現れてる。
「えっと、血有り難う。元気になったよ。お前大丈夫?」
「...大丈夫じゃない。こんな感じになるなんて知らなかった。凜は知ってたの?」
「まぁ、何となく....トイレ行く?」
気まずくて、そんな事言っちゃったもんだから、蓮の変なスイッチがONになった。
「...好きな相手が、目の前にいて同じ状態なのに何で1人で抜かなきゃいけないんだよ!」
まぁそりゃそうだけど、まだ俺達、お友達じゃん?恋人として、手も握ってないし、キスも未だだ。いきなり、抜き合いなんて色々飛び越えすぎだろ?と、オッサンは思っていた。
思っているうちに、蓮は行動に移していた。
俺を軽々と抱き上げベッドに降ろす。
えっ?マジか?
勿論俺には、男同士のエッチの予備知識なんて無い。ちょっと怖くなってきた。
「凜、怖いか?俺に任せてくれる?」
任せるも何もなんもわからん。抜き合いっこしか知らねーよ。
直ぐに蓮の顔が、迫ってきた。わ~キスか、キスするんだな、わー!焦るな俺!中身的には20歳位俺が上だぞ。落ち着け~。
蓮は優しい。
額、頬、鼻と軽いキスをしてくる。リラックスさせようとしている。
でもね、手がね、優しくない。もう、いつの間にか服はクシャクシャだし、ズボンもずれて触られ放題。
紳士的な奴じゃなかった。
蓮の手は、俺の息子に。俺の手は、導かれて蓮のJr君に。
もう、なる様になれ!て感じになってきた。
記憶の端っこにある気持ちの良い場所を愛撫する。蓮も同じことをするからお互いMAX状態まで、あっという間だった。
部屋が防音でよかった。久しぶりのエッチで変な声がでそうだ。
抜き合いで、済むかなと思ってたら、また蓮が動き始めた。
気持ちいいけど、何か物足りない。勇気を出して、
「...蓮、キスしたい。」
うわー、言っちゃったぞ。
蓮は満面の笑みで俺の唇にやっとキスをした。最初はついばむ様に、次第に舌を絡めて。徐々にキスは降りていき、はだけた上半身にキス。そしてなんと俺の息子にキスをしようとしている。
「ま、まって。風呂まだ入って無い!」
「構わない。凜の匂いと味がする方が良い。」
ま、待てぇい。俺が構うわ!どうにか抵抗するも体格差で、負けてしまった。
「ちょっと待ってってばっ...あっ、はぁぅ.....」
普段、性欲薄いもんで、1人エッチなんて殆どしないから、いきなりくわえられたら、そりゃ持たないよ。
「...あぁぁ、もう.....ダメ、で、出そう....」
下半身には、夢中で舐めてる蓮がいる。聴こえてくるのは、俺の変な声とピチャピチャの水音。聞くに耐えない。しかも俺、早くない?僅かなプライドも失いそうだ。
「蓮!離せって!....もうイクから、止め....」
マジで、イキそうになった途端、離してくれなかった息子が解放された。
正直、俺涙目だ。何でイカせてくれないの?
そりゃ離せって言ったけど。止めろって言ったけど!
蓮は、余裕だ。また蓮が動いた。
えっ?俺の目の前に蓮のJr君がやって来た。ペシッペシッと顔にJr君が挨拶してくる。
そして蓮の顔は、俺の息子の位置にある。
これって、抜き合いじゃねーよ、69じゃねーかよ!ハードルたけぇよ!おじさんビックリだよ!
しかしながら、しっかりホールドされてるし、元気な蓮のJr君が目の前にある。逃げられない。
思いっきり眼を閉じて蓮のJr君を口にほうばる。蓮の汗の匂いと味がする。やったこと無いけど、何とか奉仕する。それに対抗する様に蓮も愛撫が激しくなる。
蓮の舌が、ソロッと後ろの穴辺りを舐めてきた。驚きと初めての感覚で思わず高い声がでた。更に指で縁をなぞる様に触れてくる。何だかもどかしい感じがする。舌と指で穴を優しく弄られ、経験無いのにバックが疼いて仕方がない。指を軽く入れられただけで全身がその先を期待してしまっている。あれ?俺、挿入されちゃう方なの?才能はありそうだけど。
俺も負けずに目の前にそそり立つ蓮を必死にくわえたり、舐めたり、時に強く吸ったりした。
蓮も気持ちいいのか、時折喘ぎ声が漏れている。反応してくれると、何か嬉しいし、一方的にやられる時より気持ちいい。俺も抑えられず声が出る。
「そ、そこ、良い....はぁ...もう出る蓮....」
「俺も気持ちいいよ、俺も出そう.....」
吐息と共にやっと蓮の声が聴こえた。
蓮の先端を舌でつつくと、ビクッと反応する。味が変わってきた。俺も限界。
「凜、出る!」
「..蓮...蓮..!」
ほぼ同時に果てた。
蓮は知らないけど、俺飲んじゃった。
ドロッとして飲みにくいけど、味はまるで血液を飲んだ時みたい。
あれ?体液なら、精液でもいい訳?
でもなんか怖いから、蓮には内緒にしとこう。
二人共、少し息が上がっていたけど、蓮は体勢を変えて今は添い寝状態。
ん?今日は終わりかな?
「いきなり、ゴメン!我慢出来なかった。凜の事、一目惚れだったから、もう辛抱堪らん状態でさ。」
と、謝られてしまった。
「謝んなくていいよ。悪いことした訳じゃない。キッカケは、俺が血を吸ったからだし。まぁいきなり69は、ハードル高かったけど。」
とクスクス笑うと蓮も笑った。
「そういや、一目惚れって、いつからよ?」
と間抜けな質問をしてしまった。蓮は笑いながら
「普通、一目惚れっていったら、初めて逢った時だろ?面白いこと聞くね。」
そりゃそうだ。
「と言う事は、最初からいつかはこうなりたいと想ってた訳?」
蓮はキョトンとして
「当たり前じゃん。俺、男の子よ?惚れたらいつかはヤリたいと思うし、だから初日から凜の家まで上がったんだよ。」
若さの素直さって怖い。一歩間違えたらストーカーじゃん。
取り敢えず、蓮はお泊まり。風呂にも入らず汗臭い狭いベッドで眠りについた。
ベッド買い直すかなぁ~と考えつつ。
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