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第7話

 新しいベッド。 デッカい。必要以上にデッカい。平日は独り寝だから、落ち着かない。と言うか、蓮の奴は例の外国人の件から、頻繁に家に来て資料見直したり、ネットで検索したり。ついでに娘と漫画話しで盛り上がっている。まぁいいけどね。  俺は「まもなく分かる」て言葉がスゲ~気になって仕方ない。何かしら起きるのかも知れないが、とにかく華と蓮をこれ以上巻き込んではいけない。  一緒に行くと言って聞かない蓮を連れて、教会に行く。クリスマスの飾り付けがもう済んでいる。ライトアップされたら、3人で見に来るのも良いかも。でも日中は無人だから、落ち着いて聖堂に居る事が出来る。  平日、毎日教会に行くのが日課になってきた。家に篭ってる性分じゃないし。蓮は時々着いてくる。例の外国人が気になるが、あの日以来会っていない。  小雨の中、教会に来た。今日は1人。聖堂も祭壇もクリスマス仕様だ。相変わらず無人なので、何時もの席に座り聖櫃を見つめる。特に何か考えている訳ではない。ただ無心に見つめてる。  するとまた人の気配がした。あの外国人だ。振り向くとやはりそうだった。 「あの、貴方は誰ですか?俺の事知ってるんですか?」  矢継ぎ早に質問した。彼は、穏やかな顔で 「必要な事だけ知っています。私は神ではありませんから。私の役目は貴方を神の御心に導く事。案内役の様な者です。」  ふ~ん。案内役ねぇ。信者でも無いのに神様とえらく親しそうじゃないか。 「私には神の御心は、はかり知れませんが、貴方は熱心に神の御身体の御前いる。御父はいつも我が子の帰りを待っています。」  彼は知っていると言う事か?俺の事。我が子の帰りねぇ。  すると、彼は薄手のシャツの袖を捲り上げた。 「時間が余りありません。私の血液を飲みなさい。」 え?どういう事?ヴァンパイアって分かってたのか? 「ディウォーカーは、ナイトウォーカーより能力的に劣等な存在です。だから、私の血液を飲みなさい。」  今度は凄みのある顔で強い口調で言ってきた。俺自体はそこまで渇いて無かったから躊躇っていると。 「貴方は神の御心に答えなければならない。裁きを受けたいのか?」  それは嫌だ。だが何者か分からない。悩んでる時間も無さそうだ。もし、何かあったらごめん。華、蓮。父さん母さん、先立つ息子を許してくれ。  俺は白い腕に触れた途端にヴァンパイアに戻った。するとその男は 「何という事だ!神は最初から御計画されていた。ぁあ君は本当に神から祝福されている!」  意味はよくわからんけど、腕に遠慮なく噛み付いた。するとまたあの血液の味、あれ余り美味しいと感じない。それでも気がつくと夢中になってかなりの量を飲んでいた。  しかし目の前の男は何事も無いように立っている。最初のナイトウォーカーより吸ってやったのに。  しばらくすると何とまた激痛が身体を走り始めた。またかよ!うずくまり痛みに耐える。だが、気を失う程じゃない。  すると勢いよく聖堂の入り口が開いた。  蓮だ。物凄い形相で俺に近づく。来るな!あの男が、居るのに! 「何1人で、苦しんでるんだ!大丈夫か?」  何とあの外国人は蓮に見えてない。どういう事だ。だけどそれを説明する余裕は無い。 「痛みに耐え凌いだら貴方は変化するでしょう。それを受け入れ神の御意志を待ちなさい。」 と、言って煙が如く消えた。蓮には声だけ聞こえた様で、固まっている。  苦しんでる様を他人に見られも厄介だ。蓮に抱えられながら教会を後にした。  夕方近くやっと痛みも引いてベッドから起き出した。今日は蓮が夕食の準備をしてくれていた。 「.....あの声の主が、例の外国人?」 「そう。俺には姿も見えてたけどね。」 「で、何であんなに苦しんでたの?」  隠し通すのも難しいし、<その時>がくればバレるし。 「あの外国人の血液を飲んだんだ。痛みを感じたと言う事は多分人間じゃないね。」 「当たり前だろ。俺に姿が見えなくて声しか聞こえない時点で人間じゃないよ。」  なんか怒ってない? 「痛みに耐え凌たら変化するか.....何が変わるのかな?」 と未だに銀髪モードの俺は、多少重い空気の中、明るめに言った。ちょいと摘もうと野菜を切ってた蓮の手先に指を伸ばした。美味しそうなトマト♪ 「イタッ!」 指を切った。蓮は呆れている。 「何やってんだよ、危ないだろ結構切れ.....」 指の深めのキズは血が流れ始めたと思った途端に塞がり始めた。痛みも無くなった。 ディウォーカーになった後もすっ転んだりしてケガはしたけど、治り方は普通だった。 「これが能力?.....回復能力?」  しかも身体も軽くて暴れたい位にエネルギッシュだ。試しにソファーを飛び越えようと思いっきり高く飛んだら天井に頭をぶち当てた。あまり痛くはなかったけど。防音様様だな。気をつけよう。  華が天岩戸から出てくる前に慌てて人間モードに変身~。  ここの所、蓮が頻繁に来るので華はご機嫌である。どうやら、同人誌と言う物が話のタネだ。俺はせいぜい週刊誌の漫画雑誌をたまに読む位だから、話しに入れない。時々聴こえてくる、腐女子とか腐男子、BLとかなんなんだ?会話に入りたいが、単語すら分からないから、蚊帳の外だ。3人で居るのに1人ボッチだ。  蓮手作りの夕食も済み、一服していたら、 「今日、泊まっていい?」  と聞いて来た。今日は教会の件もあるし、心配なんだろう。 「仕事大丈夫なら、俺は構わないよ。」  よく家に来る様になってから、蓮の私物が増えてきた。着替えはともかく、例の小物の類だ。よく見るとアニメキャラだったり、超有名なゆるキャラグッズ。どうにも185cmの男の持ち物にしては痛い。 「なぁ、なんで小物のデザイン、キャラ物多いの?正直ビックリするわ。」  蓮は即答しなかった。  暫く間を置いて、答えた。 「俺の娘がさ、やっとキャラクター分かり始めてね、よく買ってやってたの。俺もアニメや漫画好きだし、2人で買い物したりしてる内に増えたんだ。」  俺は無意識とは言え、蓮の秘めた哀しい記憶を思い出させてしまった。 「....ごめん。」 「謝んなくていいよ。今は完全に俺の趣味だから。」  と笑ってくれた。  華もいつのまにか部屋に戻っていた。  まだ夜の8時位か、早いけど 「部屋いく?」  と言うと蓮は少し驚いている。 「.....うん、行く。」 「先に行ってて。俺、シャワー浴びてくる。」  部屋に入るとベッドに座って物思いにふけっているようだ。 「大丈夫?蓮、何か疲れたなら、休もうか?」 「いや、大丈夫。....でも1つお願いがある。」  何だろう。 「....あのさ、ディウォーカーの姿になってくれる?」  ん?お安い御用だ。2人きりだし、直ぐに頼まれた姿に戻った。 「.....本当に綺麗だ。教会で久しぶりに見たけど、ヴァンパイアと言うよりやっぱり天使だよ。」  そう言われると何か気恥ずかしい。 「....キス....しても良い?」  蓮が聞いてきた。ここの所俺の事ばかりで、悩ませたり心配させてる。俺だって蓮が愛おしい。デカい男にいうのは変かもしれないけど、可愛い。大型犬みたいに俺を守り、華と遊んでくれる。俺の中じゃとっくにエッチ禁止令なんて解除されてるよ蓮。 「いちいち、聞くな。恥ずかしいだろ。」  蓮は優しく俺の白銀色の髪を愛おしいように指ですく。髪にキス。そして、唇に。 最初の時のように、優しいキス。徐々に俺の口を開かせる様に舌が入ってくる。時間をかけてキスを楽しむ。キスってこんなに気持ち良かったっけ?  キスだけなのに、俺の身体は火照り始める。身体を合わせるのは2回目なのにもうあの時の感覚を記憶している。顔中にキスの雨だ。俺もお返しのように、キスをする。  あぁ、服が邪魔だ。  まだ、華はまだ起きてるだろうけど1度火が付いた身体は、もう止まらない。 「....服、脱がない?」  2人とも、あっという間に生まれた時の姿になる。  俺だって、多少はネットで調べたぞ。男同士のエッチ。ビックリしたけど。  いつの間にか蓮は、俺の胸にある突起物を吸ったり舐めたり。片手でもう一方のを弄っている。正直くすぐったい。 「やめれ、くすぐったい。」  笑っちゃ雰囲気壊れると思ったけどくすぐったいから、身を捩って逃げようとするが追っかけてくる。それに負けてくすぐったいのを耐えるしかない。暫くすると、何かむず痒い感覚がしてきて、強く吸われた瞬間。 「んぅ.....アッ」  声が出てしまった。胸で感じるなんて女みたい。恥ずかしい。だけど身体は素直だ。触れられて無いのに、俺の息子は、ゆるりと立ちはじめて来た。蓮も触って無いのに、もう隆起している。  蓮の愛撫が徐々に降りて来た。 「今日は石鹸のいい匂いだね。」  軽く笑うと蓮は俺の息子を躊躇う事なく、口に含む。俺の息子は待ってましたとばかりに、あっという間に、MAX状態になった。  だけど、今日はなんかあっさり目のご挨拶だ。 「凛、うつ伏せになって?」  うん、何?うつ伏せか、と言われた通りになったら、ヒョイと腰だけ持ち上げられた。  ちょっとマジ恥ずかしいんだけど。  でもオジサンちゃんと調べたから心の準備も体の準備もしてきたぞ。恥ずかしいのは耐えるしか無い。  蓮は手で俺の息子を扱いながらバックを舐めはじめた。あの感覚が蘇る。まるで舌で味わうように穴の周りを舐めている。身体が疼きはじめる。もっと、もっとと。  蓮が俺から離れて、何かしている。するとバックが、ヒヤッとした。ローションだ。いつの間に準備したんだ?買った覚えが無い。  ローションをたっぷり俺の中に注いで、指で弄り始めた。円を描くように。縁をなぞり、少し入れては、出しての繰り返し。 前からの刺激とバックのもどかしい愛撫で、俺はとっくに羞恥心を手放した。 「凛、腰が揺れてる。気持ちいい?」 「....聞くなよ、うん...気持ちいい。」  するといきなり指が体内に入ってきた。 「あぁ...んんぅ.......」  もう声、出てしまう。だって、身体が待ちに待っていた快感だったから。  指で俺の中をゆっくり掻き回す。良い場所を探してるみたい。だけど正直、入れられてるだけで身体は震える位、感じてる。  コリっと突然、身体の中で強く押された。 「あぁ!んっ!蓮、蓮.....そこ..ダメ」  ハァハァと途切れ途切れに蓮に伝える。 「ダメじゃないでしょ、前、ビショビショだよ。」  俺は腰を揺らして愛撫に耐える。慣れたのを見計らって指が2本になった。痛くはない。ディウォーカーになってるからか?痛みより快感が強い。指は俺の中を拡げるように蠢いてる。あぁ、声が出そう。前からの刺激も堪らない。  本当は痛い筈なのに、触られてるだけで快感しかない。指が更に増えた。ちょっとキツいけど痛みはない。蓮はさっき見つけた良い場所を中心に掻き乱してくる。 「ぁあ、蓮、蓮.....良いよぉ.....んんっ」  羞恥心を捨てた素直な反応が良かったのか、蓮が、指を抜いた。 「ごめん。我慢出来ない、痛かったら言って。」  バックに蓮のモノがあてがわれた。  少し緊張したけど、ゆっくり意識しながら呼吸して、蓮を受け入れた。指と同じく最初は、軽く入れたり出したり。  でも、俺の身体はもう気持ちいい事だと分かってるから、じれったい。 「....焦らすなよ。」  するとジワリと蓮が入ってきた。慣らすように。我慢出来ないって言ったのに気を使ってる。ゆっくりと蓮の全てが挿入された。圧迫感は有るものの苦しくはない。  暫くは、ユラユラと動いていたが、俺も蓮も堪らなくなって来た。 「ごめん、動くよ。」    蓮が、スライドを始めた。俺の身体は、期待してた衝撃と快感の波で震えている。体内にあったローションがまるで女性の愛液のようにそこを濡らしている。響く水音。それから重なるお互いの喘ぎ声。俺の頭の中はもうトロトロだ。何も考えられない。徐々に強く打ち付けてくる蓮。それを身体全体で受け止める。代わりに強い快感の嵐。 「アァッ!ハァッ!れ...ん、いい!いいよぉ!」 「凛、凛.....愛してるっ」  突き上げられる度、恥ずかしげもなく声が出てしまう。身体もずり上がる。蓮はもう前を触らず、両手で俺の腰を支えて強く打ち付けている。もう声も言葉をなしてない。感じるままに、悲鳴に近い声を出しながら悶えている。堪らない。蓮と1つになっている。繋がった場所からの快感だけでイキそうになって来た。 「れ、蓮、前も....触って.....」  イキたくなって来た俺は、更に快感を求めた。蓮が、手を伸ばし先走りの汁で濡れている俺を扱い始めた。  もう、頭がおかしくなりそうだ。 「蓮、蓮.....頭、おかし....くなるっ!」 「なっちゃえよ、俺はとっくにおかしくなってる!」  ラストスパート、ガンガン打ち付けながら前も扱かれて、俺はいつの間にか涙が出ていた。 「アァッもう、もう、イク、イっちゃうよぅ!」 「いいよ!俺も出る!」  2人共、余裕なく快感の波に飲み込まれて、最後を迎えた。  ゆっくりと体内から蓮が抜かれる。それすらも快感で、吐息が漏れた。  久々のエッチ。軽い脱力感でベッドから起きるのが、億劫だ。身体から、流れ出す液体にゾワッとしたが、蓮が後始末してくれた。  2人でゆったりと横になっている。時間は10時過ぎ。 「シャワー浴びてくる?」  俺の顔を伺いながら、 「一緒に入らない?時間短縮!」  蓮の提案が面白くて、2人で入る事にした。  蓮はマジマジと俺を眺める。 「やっぱり、綺麗だ。美しいって言ってもいい。」  つい先程まで、ベッドであられもない姿晒しといて、そんな事言われたら恥ずかしくなってきた。お互い洗いっこして、風呂から出る。  リビングで休んでいるうちに、蓮はベッドメイキングしてた。何て気がきく男だろう。惚れ直しちゃうだろ。  幸せ過ぎてすっかり忘れていた。  あの男の言葉。 「時間がない。」  この言葉は現実になったのだ。

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