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第11話
正月は実家で恒例のお笑い番組を観てヌルっと年を越した。起きてるのは、俺と蓮だけ。
「今年も宜しく。」
10月から人生がひっくり返る様なことが続いて慌ただしかった。どうか、今年は平和な年になりますように。
朝になり、華はお年玉を貰い超ご機嫌だ。午後には、自宅へ帰る。
正月連休も明けて、今日は地方都市には少ない血液内科に来ている。患者は俺だけど蓮も一緒に付き添いとして診察室に入る。問診を受け、次は血液検査かな?どうするかな。俺は死んでいる。検査して診断される前に何か起きそうだけど。
医師が蓮を見て固まっている。
俺も蓮の顔を覗くと、眼だけ金色に輝いている。
何してんだ!怪しまれたらお終いだろ!
医師は、ハッとして我に返る。
「これはヴァンパイア症候群といって、正確にはレンフィールド症候群、またはポルフィリン症という病気です。」
え?検査もしてないのに、診断だすの?
「この病気は定期的に輸血をしなくては行けません。御自宅でも訪問看護を利用すればできますよ。手配しますか?」
「お願いします。」
蓮が話を進める。
訪問看護か。だけど俺は輸血じゃなくて飲む訳だから、訪問看護は必要ない。どうしたものか?
「知人に看護師がいます。彼女に頼んで処置できますか?」
「えぇ、それならそのご友人の勤務先の保険扱いになりますが、血液自体はうちの病院から保冷バッグでご自宅に送れます。」
え?マジか?えらい便利だな。でも蓮に看護師の友人なんていたっけ?
「では、それでお願いします。」
話は全て蓮が済ませた。
会計を待ってる間に、蓮に詰問する。
「何やってんの?あんな変化を人前でするなんて!怪しまれたら終わりだぞ。それに看護師なんて友人にいたのか?」
「看護師?あぁ、あれね。必要ないでしょ。飲むんだから。看護師の友人なんて居ないし。」
あ、あれ?じゃぁ何であんな話したんだ?てか、医師もまるでこちらの思惑道理の診断をしている。
「医師に何かした?」
「うん?何かしたかっていえば、したね。俺の能力って、言わせたいことを強く思うとその通りに言ってしまう能力みたい。」
は?でもどうやってその能力に気づいたんだ?
「う~ん、華ちゃんに協力して貰ってね、一回、やってみた。」
何と!いつの間にそんな信頼関係築き上げてんの?ちょっとジェラシーが湧いてしまった。
とにかく血液を確保できたわけだ。これで、人間を襲わないで済む。
「これで、多少人間らしい生活できるんじゃないか、良かったね。」
蓮の能力のお陰だ。有難う。それにしても、蓮も華も自分の能力を受け入れそれぞれ発揮している。俺の能力は何だ?何時になれば分かるんだろう?
帰宅すると華は冬休みの課題と奮闘中。そういえば、ディウォーカーになってから、急に成績が上がった。
差し入れを持っていった時に
「華、もしかしてテストとか能力使ってる?」
「・・・はぁ?もしかしてカンニングしてるとでも思ってんの?親の癖に疑うんだ。サイテー!」
華が変化した。怒っている。ヤバい。
「い、いや使ってないなら、それでいいじゃないか?」
「馬鹿じゃないの?出てって!!」
あぁ、どうしよう。夕食食べてくれるかなぁ?昼飯も食べてないみたいだから、食べて欲しいんだけど。蓮は笑いながら、今のは凛が悪いと言っている。何だよ、まるで蓮の方が父親みたいじゃないか!
夕食時、やっぱり華が出てこない。う~ん困った。すると蓮が、天岩戸と化している華の部屋のドアをノックする。防音がしっかりしているので、中で音楽とか流れていたらノックには気が付かない。
「・・・何?」
扉開いた~蓮だと開けるんかい!
「折角、凛が作ったんだ。夕食はしっかり食べなさい。」
「・・・はぁい。」
なんで?なんで蓮にはそんなに素直なの?ゆう事聞くの?
もしかして、華も蓮の事が好きなのか?どうしよう、どうしよう。思春期多感な時期だ。オロオロしていると
「・・・・何してんの?気持ち悪いんだけど。顔に感情出過ぎ。」
「え?な・何?」
「蓮は私にとって友人であってそれ以上でもそれ以下でもないの!バッカじゃないの?」
蓮はゲラゲラ笑ってる。あれ?俺これってヤキモチ?ヤキモチ妬いてるのか。恥ずかしい。
夕食も済んで、のんびりしてる間にもう寝る時間だ。華はとっくに部屋に戻っている。
「・・・凛、ディウォーカーになって?」
これは、蓮からのエッチのお誘いらしい。前も同じ事言われたし。
「・・・・・・分かった。シャワー浴びてくる。」
正直、ヤキモチ妬いてるのが、バレて気まずい。てか、恥ずかしい。
後ろ手でドアを閉めながら、ディウォーカーに戻る。
「・・・俺も1つお願いがあるんだけど。」
「何?」
「あの、人に言わせたい事を言わせる能力使わないでくれる?」
蓮は小さくチッって言った。チッて。こいつ、何か言わせるつもりだったのか。
照明を暗くして欲しいという俺の提案は却下された。
「凛のいやらしい所を全部みたい。」
この変態が!カーテンが閉まってるのが唯一の救いだ。
立ったまま、キスをする。身長差がちょうど良い。啄ばむ様にチュッチュッとキスを交わす。暫くすると舌で俺の唇をなぞり咥内に蓮の舌が入ってくる。受け入れるとまるで味わうかのように、舌が歯列をなぞる。舌を絡ませ同じ事をお返しする。上顎を舐められた時、ゾワッと背筋を快感が走る。もっとして欲しいと俺も蓮の咥内を楽しむ。蓮は俺の欲求が分かったのか舌で咥内を愛撫する。もう、身体が火照りだす。キスが俺の唇を離れ、耳に移動した。耳を舐められ
「あぁっ!」
声が漏れた。蓮の腕が腰に回りやっと立っている。早くベッドに行きたい。倒れこむようにベッドに入る。
蓮が覆い被さるように、上がってきた。蓮の顔が上気して艶っぽい。イケメンはどんな時もイケメンなんだな。再び耳を弄られる。
「・・・うっんぅ、あぁ・・」
「凛はディウォーカーの時の方が感度いいかも。」
笑みを浮かべながら胸の突起物に舌を這わす。舐めたり、吸ったり時には軽くかんだり。
「あぁ!」
もう気持ちよくて俺は仰け反り思わず下半身を擦り付ける。触って欲しい。俺の息子はもう先走りの液で濡れている。蓮はしつこく胸を弄り回す。片方は舌で。もう一方は指で。
「・・・蓮、前も触って?」
だけど無視された。蓮は俺の言葉を無視して舌で身体をなぞっている。胸、腹・・・。あぁやっと息子をと思ったら息子はまたもや無視された。ガン立ちしてるソレはもう痛くなってきた。やってもらえないなら、自分で扱うしかない。手を伸ばし触れようとしたら
「今日は前触ったらダメ。」
えぇ?何で?もう痛いくらいなのに。涙が浮かぶ。
その時、グイッと俺の両足が持ち上げられた。まるで赤ちゃんがオムツを変える時みたいに。明るいし恥ずかしい所が丸見えだ。
「蓮!これ嫌だ!」
「ダメ、今日はこれ。」
そう言って、俺のバックに顔を埋めた。穴やボールを舌で舐め上げる。もう抵抗できない。与えられる快感に流されるだけだ。蓮の舌が、穴を出入りする。堪らない。その先の快感を知っているから身体は貪欲に欲している。生暖かい液体をバックに流し込まれる。指で触られるとヌチャヌチャとイヤラシイ音が聞こえる。俺の息子の先端が自分の腹に当たり気持ちがいい。
指、入れて欲しい。俺の身体は素直だ。腰を揺らして指を期待する。蓮は俺の反応を見ながらわざとゆっくり指を挿入したり出したりしている。今日は完璧に蓮が主導権を取っている。でも、もうそんな事どうでもいい。身体はとっくに疼き始めている。蓮のモノを期待して。
「・・・・もう指増やしていいからっ!」
本当は指じゃなくってもっと太くて熱いモノが欲しいんだけど。流石にそれは言えなかった。
辺りに響くのはニュチャッニュチャッの水音と俺の喘ぎ声。仰向けだから、枕を掴んで顔を左右に振る位しか出来ない。
「凛、自分で足持って?」
もう俺の小さな脳味噌は沸騰していた。蓮の恥ずかしい願いを素直に聞く。両手が空いたからか丁寧にネットリと指で穴を掻き回す。勿論、例のいい所(前立腺?)を中心に弄り倒して来る。
「・・・・あぁっ、いいっ、気持ちいいよっ蓮!」
指の動きに合わせて腰を振る。蓮は満足げに穴の淵に舌を這わす。俺の息子からはダラダラと先走りが、垂れている。蓮は指を増やして穴を拡げるように俺の内壁を擦り上げる。
「あぁ、蓮・・・もっと、もっと・・してっ」
蓮に更に快感をねだる。
「ねぇ・・凛、今指何本か分かる?」
「・・・・えぇ?指?2本・・?」
息を荒げながら答える。
「惜しい。3本。残念、今日は前触らないからね?」
もう俺のソレは痛いんだけど、それすら快感にすり替わっていた。今日は執拗にバックを愛撫してくる。俺の腹の中は疼いて突き上げて欲しいと訴えている。我慢も限界に達してきた。身体をくねらせ、蓮にアピールする。それでも蓮の顔は俺のバックから離れようとしない。羞恥心なんてものとっくに捨てている。
「・・・蓮、ねぇ、俺もう蓮が欲しいっ」
蓮の瞳を見つめて訴える。身体も心も蓮が欲しいと。蓮じゃなきゃ感じない。蓮が欲しい。
やっと蓮が顔を上げ、体勢を変えてくれた。あぁ、もうすぐ蓮が入ってくる。それだけで達しそうになる。蓮の熱い楔が当たり、ゆっくりと挿入される。浅い場所で出し入れしている。あぁ違うのに、もっと深く強く突いて欲しい。俺は自ら深く蓮を受け入れ、勢いをつけてクルッと体勢を変えた。蓮に馬乗りになる形だ。
「あぁぁ・・・・・・深い・・はぁっ」
初めて感じる最奥の場所に蓮が入ってきた。今まで感じた事がない感覚。それと同時に俺の息子から、先走りの液と共に勢い無くダラダラと白い液体も流れてきた。蓮の腹を濡らす。どうやら俺は蓮を受け入れただけでイッたらしい。
「凄いよ凛。凛の中が熱くてうねってる!」
蓮も気持ちがいいようだ。前はイッたけど、バックは疼いたままだ。俺は自分で上下に動いて快感を貪る。
「あぁ・・っ気持ちいい!蓮は?蓮は気持ちいい?」
「あぁいいよ!凛が動いてるのも凄くいやらしくて最高だ!」
最初は刺激が強くて浅く動いていたけれど、どんどん深く受け入れる。ローションの濡れた音も激しくなる。蓮も堪らなくなってきたらしい。下から俺の腰を掴んで激しく突き上げてくる。あぁ欲しかった刺激がやっと来た。俺も動いて下からは突き上げられて。
「ひぃっ!はぁぁ!」
もう悲鳴みたいな声だ。腹の中が熱くなるのが分かる。蓮のソレも凄く熱い。声が止められない。突き上げられる度に、ヒィヒィいっている。射精する感覚とは違う湧き上がってくる快感。蓮は突き上げながら、俺の身体を愛おしむように触れる。全身が敏感になっている俺はそれすら穿つ快感と共に喘いでしまう。身体がビクッビクッと跳ねる。蓮の身体に手をついて、なおも腰を動かす。もっと、もっとだ。全体重が蓮の熱いソレにかかり、最奥まで届く。吹き出す汗にまみれ乍ら、無心に身体を動かす。こんなの初めてだ。何も考えられない。蓮は上半身を起こし、さらに強く突き上げる。俺は身体が宙に浮きそうだ。自然と眼があってキスをした。舌を絡めてさらに感じる所に刺激を与えあう。もう目の奥がチカチカしてきた。
「・・もう、もう無理っ、イ・イクッ!イキそう!」
「俺もイキそうだっ!凛一緒にイケそうっ!」
「あぁ、ダメ、ダメだぁっ!・・・」
どうやら意識を失っていたらしい。男なのにバックだけでしかもオーガズムに達するなんて、恥ずかしい。
例のごとく後始末は蓮がやってくれたみたいだ。身体が重い。腰も痛む。
「・・・蓮、このまま眠りたい・・・」
「いいよ、俺も寝るから。」
冬の夜、寒い筈だけど愛おしい相手が傍にいるから、それ程寒くない。2人とも眠りに落ちた。幸せな気持ちのままで。
翌朝、大変なミスを犯してる事に気づくまでは。
朝、目が覚めると、有ることに気が付く。
「あっ!華今日から学校じゃん!!ヤバッ!」
時計を見るともう10時だ。とうに登校している。あぁ~朝飯抜きで行ったか。と思いつつ、自室のドアに手をかけた。
「・・・・・・」
なんと開いている。あぁそうだ。昨夜、後ろ手で閉めたんだっけ。ヤバい。
キッチンのテーブルの上に書置きがあった。
『朝飯食べた。ドアぐらいちゃんと閉めろや。それに寝る時は服を着ろ。色ボケ親父。 華』
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