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第13話
華が、必死にお小遣いを貯めている理由が分かった。3月に隣県で同人誌のイベントが、あるらしい。だけど1人では、行かせられない。
「パパ、蓮と行ってきていい?一応、泊まりの予定なんだけど。」
蓮と2人?何故そこにパパが入らない!
「パパも行ったらダメ?俺も同人誌欲しい。」
蓮に見せられてから、某バディアメコミ風のアニメにハマったのだ。見せて貰ったのは、歳上男性が女性役をしてるBL本。面白いし、何と無く俺達に似てる気がする。
「パパが、交通費とホテル代出すし。セッティングもしてやるよ?」
「ホント?同人誌読んでんの、ウケるんだけど!」
華は、交通費浮いた~!と喜んでる。蓮も行くつもりだったらしく
「旅行みたいだね!楽しみだ。」
目的地がイベント会場だけどね。隣県だし、気楽に楽しもう。
「何かテーマとか、あるの?」
どうやらイベント毎に、◯◯オンリーとかテーマが、あるらしい。
「ウチらにピッタリだよ。」
「何?」
「ホラーオンリー。主催者のHPに、『モノホンの西洋棺桶、ご用意します。コスプレに最高です。』だって。」
蓮も知らなかった様だ。華も何か感じている。
「何かやな予感がするんだけど。」
「だから、私達にピッタリッて言ってんの。」
まだ時間はある。何か嫌な予感がする。準備出来る物はしておこう。それにしても何を準備したらいいんだ?棺桶って事は、ヴァンパイアの可能性が高い。ヴァンパイアの苦手な物。検索にかける。幾つかヒットするが、余りに不確かな物ばかりだ。大蒜なんて今時効くのか?俺達には、効かない。純銀製の武器は、有る。後は、十字架と聖水くらいか。暫く通って居ない教会で、わけてもらえないかな?
日曜日の午後、教会に行く。信者はもう殆ど居ない。司祭が居たので聖水を分けて貰えないか頼んでみた。
「良いですよ。入れ物ありますか?」
3人分、小さなボトルに分けて貰う。貰って帰るだけじゃ何か申し訳ないので、教会維持費箱と書いてある箱に気持ちの分、献金した。それから、聖体訪問。久々だ。目を閉じ今まであった事件やこれからの事を想い浮かべる。無人になった聖堂はやはり居心地が良い。帰ってきましたよ、放蕩息子が。
すると、背後に人の気配。
振り向くと、ガブリエルだ。
「何の用だ?俺達に化け物退治させる為に来たのか?」
あの少女が過った。俺は怒りを込めて言った。
「アンタが神の使いなら、何故あの少女は死んだんだ?アンタ達なら、何が起こるか分かってた筈だ!」
そうだ、助ける事も出来た筈なのに。
「運命を変える事は、出来ません。彼女は、死ぬ事によって貴方達を呼び寄せ、ナイトウォーカーを処分出来たのですから。」
確かに血の臭い、いや死臭がしたから彼女を見つけナイトウォーカーを切り刻んだ。蓮と華をヴァンパイアにしてしまった運命も変えられなかった。
「彼女の死は、無駄ではありません。貴方達が自らの役目を知り受け入れ行うように導きました。」
「俺達の存在価値は、化け物退治の為だけか?」
半分、自嘲して言った。
「それだけでは有りませんが、まだまだ貴方達は経験が足りません。神の御意志は、計り知れないのです。」
また神の御意志か。俺達を使うだけ使って切り捨てるんじゃないか?
「貴方達が必要な時、私は貴方達の前に現れます。しっかりと眼を覚まし準備をしなさい。門が開かれた時、眼を覚まして居ないと家に入る事は出来ない。招かれた者だけが門を通る事が出来る。神の家に入る事は、ラクダが針の穴を通るより、難しい。」
また小難しい話だ。取り敢えず眼を開けって事か?それと準備か。ラクダ云々は、訳がわからん。
「貴方達と共に神はおられる。神を信頼し、神の御言葉に耳を傾けなさい。何をすべきか必然と分かるでしょう。」
なるようになれ。それが俺の感想。ガブリエルは、賛美の言葉を言って消えた。実は今日、蓮も居た。
「どう思う?」
「そうだな、取り敢えず聖水と武器、それに血液バッグを持ってイベント参加だな。」
3月に入り三寒四温。やっと寒さから解放される。イベント前日。
「まだ?もう電車の時間なんだけど?」
何でこう女子は出掛けるのに時間かかるんだ?隣県だぞ?確かに俺らの街より都会だけど。何とか電車に乗れて一安心。新幹線にも乗れた。
「いやぁワクワクするな?昔なんて特急で2時間かかったのが、今はたった30分だ。」
「へぇ、そんなに掛かってたの?今は早いねぇ。」
どんなつまらない内容でも、蓮はちゃんと返事してくれる。嬉しい。華は、新幹線名物のカッチカチに冷凍されたアイスと戦っている。何故か新幹線の中の商品は高めだ。納得できん。華はギリギリ到着直前に食べ終えた。
「荷物あるし、先にホテル行くか?」
イベント会場に隣接するちょっと豪華なホテル。たまには、贅沢も良いだろう?華も気に入ってくれた。シングルルームも広くて使い勝手が良い。俺達の部屋は・・・ダブルルーム。華の冷めた視線が痛い。正直、チェックインの時恥ずかしかった。予約がギリギリで空いてなかった。喜んでるのは勿論、蓮だけです。
華の部屋は覗かせて貰ったが、フロアが低いので、さほど景色は良くない。まぁ一泊だから許せ。俺達はかなり高いフロア。周りには高い建物も無く海も見える。
「おぉ!蓮、海見えるよ!歩いて行けそうだ。後で行ってみる?」
俺も浮かれてます。ハイ。
「今日は天気も良いから、海岸で夕陽みたいね。」
蓮は荷物を解きながら、返事をする。血液を冷蔵庫に入れなきゃいけないからだ。ホント、よく気が利く男だ。俺は血液の事、自分の事なのにすっかり忘れていた。
華からメール。珍しい!
『今から街に行きたいんだけどパパ達どうする?』
まだ昼飯も食べてないし、出掛ける事にした。
土曜日のせいか、バスは観光客で一杯。恐らく韓国の方達だろう、賑やかだ。身長の高い蓮は、さっきから吊り革が、頭に当たってる。それが面白くてクスクス笑う。
「笑うなよ、仕方ないだろ?」
小声で文句を言ってくる。華は何とか座れたみたいですぐ傍。俺はやっとパイプの所を握って立っていた。更に客が乗ってくる。やっぱり都会は違うなぁと思っていたら。
ケツの辺りに違和感。・・・・触られてる。またかよ!熱気と恥ずかしさから、顔が赤くなる。女と間違えてるのか?いや女にしては俺はデカいだろ?色はオフホワイトだが、男物のショート丈のダウンも着ている。チラッと横を見ると男性しか周りに居ない。俺のケツを撫で回していた手が、前にも来た!マジかよ!男って分かってやってる!混んだバスの中、遠慮なく下半身に手が這い回る。ケツや息子まで揉んでいる。恐怖心が蘇る。怖い。俺の様子が、おかしい事に2人が気がついた。最初、分からなかったのか俺の顔を覗き込む蓮。俺は真っ赤な顔と目で、助けてって訴える。
「テメェ、何してんだっ?」
小声だが、低音の聴いた事のない怒声で痴漢に言う。
「何してんの?糞ジジィ。殺されたいの?」
華まで加勢してきた。しかも座席から手を伸ばし痴漢の腕を捻り上げた。2人共眼が変化している。華の腕力は、ディウォーカーだ。
痴漢は小さな悲鳴を上げ、乗客をかき分け降車した。
「ねぇ何で女の私が経験無いのにパパが痴漢に合う訳?」
ハンバーガーを嚙りながら、文句をたれる。知るか!俺だって何でか分からないのに。涙目でバスを降り、近くのバーガーショップに入っている。
「多分、凛が出してるエロいオーラとプリッケツの所為だ。」
不機嫌な蓮が、言う。
「しかも華、パパさんは2回目だ。」
「・・・・マジで?」
華がちょっと引いている。えっ何?俺が悪いの?エロいオーラって何だよ!無言で飯を食う。味もへったくれもない。
「私、行きたい所あるからさ、別行動したいんだけど。待ち合わせは、また此処でしてさ。」
ちょっと心配だけど。
「分かった。周りには気をつけろよ。」
「・・・パパがね。」
はぁ、言うと思った。
「蓮、パパ宜しく!」
そう言うと、華は店を出て行った。
「何だよ、エロいオーラって!ンなモン出しとらんわ。」
「いや、出てるよ。最近ご無沙汰でしょ?」
「関係無いし。プリッケツって酷くない?まるで誘ってるみたいじゃんか!」
「悪かったよ。・・・・でもサセてくれないじゃん。」
「大体、そんなに俺性欲強くないし。」
「え~嘘ォ、やり出したらノリノリの癖に。」
思わずブッと飲み物を吹き出してしまった。
「・・・なぁ、そんなにご無沙汰かなぁ~?」
「うん、せめて週3位でお願いします。」
「アホか。2週に1回で充分じゃ。」
「あり得ない。週2回!」
「・・・週1回。」
「・・・・・わかった。週1回。その替わり、ねっとりと味あわせてもらいます。」
恐ろしい契約しちゃったんじゃなかろうか?・・・何の会話しとるんじゃ、まだ真昼間だ。
俺達は店を出て、街ブラする事にした。俺もショッピングは嫌いじゃない。地元に無いショップを廻って楽しい。蓮の機嫌も良くなっている。変な契約したからか?
アクセサリーショップに立ち寄る。俺は少し髪が長いので、よく結んだりするから割とアクセサリーをみる。一緒に見ていた蓮が、これ良くない?とチャーム付きのゴムを見せる。天使の羽根のモチーフ。
「うん、コレ良いね。後、コレはどう?」
紅色のバレッタ。
「似合うんじゃない?良いよ。」
『夕飯どうするの?』
メールが来た。待ち合わせは、バーガーショップだけど、昼に食べたから他のがいいな。ホテルにも確かレストランが幾つか入ってたな。
『ホテルで食べない?まだ早いし、ホテルでゆっくりしない?』
街ブラがいくら好きでも、もう人混みはいいや。海にも行ってみたいし。待ち合わせしてバスに乗る。今度のバスは空いていて座れた。窓際に追いやられたけど。
「ちょっと疲れたから部屋で休むわ。寝るかも知れないから、夕飯になったら電話して?」
そう言って華は部屋に戻った。午後も遅く夕飯には早い。俺達は財布と携帯だけもって、散策に出かけた。
「お~海~!意外と綺麗じゃん!」
歩いて数分で砂浜に出た。ソフトクリーム舐め舐め、砂浜を歩く。
「ホント、甘いの好きだな。もしかしたら、凛の血、甘いかもね。」
蓮が笑う。春の気配もして気持ち良い。
取り留めの無い会話をしながら、ゆっくりと歩く。こんなデートも良いな。そんな事思いながら。人も少ないし、リラックス出来る。
「海、入りたい!」
そう言うと笑いながら
「拭くもの持って来てないから駄目。」
ちぇ~。波打際で暫く遊ぶ。夕陽が綺麗だ。俺が最期にみた秋の夕陽とも違って美しい。スッと蓮が横に立って手を繋いで来た。ビックリ!
「大丈夫。誰もみてないよ。」
初めて外で、手を繋いで少しドキドキした。
〔・・・華?そろそろ夕飯だよ。◯◯ってレストランまで来て?〕
華と合流して、ステーキレストランに入る。
「良いの?こんな贅沢して。明日イベントあるんだよ?大丈夫?」
「大丈夫、俺このレストランの会員だから割引き出来るし。腹一杯食べて良いよ。」
蓮の一言で、華は満面の笑み。俺も内心、金の心配したが大丈夫みたいだ。それに心配するべきなのは自分の貞操だった。
夕飯も終わり、明日早いからとそれぞれの部屋に戻った。
「さて、只今からデザートタイム♪」
え?どういう事?ボーッとしてると、サッサと服を脱ぎ始めて上半身裸。え?今からやんの?
「さっき、週1回って約束したじゃん。」
あぁ、それが今日ですか。
「・・・・分かった、風呂入って来る。」
「ここ広いから一緒に入ろう♪」
超ご機嫌。俺的には下準備あるから、嫌なんだけど。
「今日は、俺がしてあげる。」
いや、良いです。自分でします。丁寧に断ったけど無理だった。
浴室にピチャピチャと舌を絡ませ合う音が響く。勿論、ディウォーカーモード。お約束になって来たな。
上顎が感じるのを知っている蓮は、執拗に舌で攻める。俺は蓮の綺麗な歯並びが好きだから歯列に沿って舌を這わせ愛撫に答える。タップリとキスを味わう頃には、すっかりMAX状態。やっぱ溜まってたのかな?キスは耳、そして胸に。
「れ、蓮。逆上せそう。ベッドに行きたい。」
何とか静止させてベッドへ移動。再び弱い胸の突起に舌を這わす。強く吸われただけで、腰が浮く。
「あぁっ、蓮、つ、強いっ。」
「強い位が丁度良いだろ?」
俺の反応を見逃さない。脇腹を撫で上げられる。胸を弄られながら、そんな事だけでも仰け反ってしまう。
「・・・ぅうんっ!」
無意識に蓮の身体に下半身を擦り付ける。笑いながら
「もうそんなに気持ちいいの?」
「・・うんっ、気持ち良いっ!」
素直な返答が嬉しかったのか、舌は胸から臍、その移動中も身体を捩って快感に耐える。蓮の舌が俺の息子に触れる。久しぶりの感覚だ、堪らない。
「あぁっ・・・・良いっ!」
手と口で攻められて、もう先走りの汁を流しはじめた。先端を舌で転がされ、尿道を突く。扱かれながらそんな事されたら持たない。
「や、やだ、それ止めてっ!まだイキたくないっ!」
「そうだね、凛はバックが大好きだもんね?」
用意周到な蓮は、持参したローションをバックに塗り注ぎ込む。前を口と手で扱いながら、指は穴をマッサージするかの様になぞる。
「凛、穴がヒクヒクしてるよ。指、欲しい?」
「・・・・うん、欲しい。」
返事と共に指を深く入れてきた。
「ハァァッ・・・んっ・・」
俺の内壁を掻き回す。狙いを定めて。
「・・・あぁっ、蓮、ダメッ、出る!」
良い所を刺激されて思わず達しそうになった。今度は、ソコを避けて内壁を摩る。もう、とっくに俺の身体は蓮を欲しがってる。指が増える。慣らすように拡げている。クチュクチュと音が聞こえ、俺の体温が更に上がる。
「痛くない?」
「・・・・ッ、だ、大丈夫。指、増やしてっ!」
腰をくねらせながら、オネダリをする。
ファッと身体が浮く。蓮が俺を抱き上げて窓際に向かう。外は、もう真っ暗だ。
「夜景みてて。」
「・・・・えっ?」
俺は窓に手をついて立っている。蓮が俺の腰を引き、しゃがみ込んでバックに愛撫を始めた。腰を後ろに突き出してる格好だ。嫌だ。恥ずかしい。
「・・・蓮、これイヤだ。外から見えるかも知れない。」
「そうだね、凛のいやらしい姿みえるかも。」
高層階で周りに高い建物は無いものの落ち着かない。それでも蓮の指が動き始めたらもうどうでも良くなってきた。
「凛、穴から涎が垂れてるよ。気持ち良いの?」
「・・・・ゆ、指気持ち良いっ。」
「腰揺れてる。もっと欲しい?」
あぁ欲しい。指でもっと掻き回して動かして欲しい。
「欲しいよっ・・・もっと掻き回してぇっ」
まるで返事の代わりのように指を増やし、前を扱く。頭の中が溶けてきた。何をされても腰に快感として響く。器用に穴に指を入れながらその周囲を舐める。俺は頭を振って快感に耐える。
「良いっ、良いよ、蓮!・・・ハァッ・・んっ」
扱かれてる息子からは、だらし無く、まるでお漏らししてる様にタラタラ汁が垂れている。気持ち良すぎて腰を引いているせいで、窓ガラスに身体が密着している。冷んやりして気持ちいい。
「あ~ぁ、窓ガラス濡らして、どうするの凛?」
窓ガラス、汚してしまった。だけどもういい。話ながらも指と手は止まらない。
「・・あっ、あぁっ!ハァッ・・・もう、もう蓮、来て!」
蓮がヌチャッヌチャッっと音を立てていた場所から立ち上がり腰を引き寄せる。蓮の熱い楔が当たる。今からの快感に身体が震える。・・・中々入ってこない。何で?
「・・・蓮、もう大丈夫だから・・・」
「何が欲しいの?凛。いやらしく腰振ってるけど。教えて?」
意地悪だ。分かってる癖に。前を扱いながら。
「れ、蓮が欲しい!早く、早く蓮を俺に入れて!」
「素直な子は好かれるよ。」
腹が疼いて堪らない。もう、ノリノリでも何でもいい。早く突き上げて!
「あぁぁっ!!・・くぅっ・・・」
一際大きな声を上げた。いつもは、ジワっと挿れてくるのに、今日はいきなり奥まで突き上げてきたから。気を失いそうになる衝撃と快感。最初から早いスパンで突き上げてくる。
「ふぅっうっ!・・・あぁっ・・んぅう、くぅっ!」
むやみやたらに突き上げてない。良い所を狙ったり、外したり。深さや角度も変えて、俺を貫く。立っているのがやっとだ。ヒィヒィと喘ぐ俺。無自覚にポロポロと涙が伝う。蓮がそれを舐めとる。あぁ全て分かってるんだ。身体だけじゃ無い、心も満ち足りてくる。蓮はもう前を扱わない。触らなくてもイケる事を知ってるからだ。
「ひぃっ・・・いぃっ!良い!良いよぅっ!」
「あぁ、俺も良いよ!凛!熱い、凄く締まって良い!」
蓮も場所が違うからか興奮しているみたいだ。
「れ、蓮も熱いよっ・・お腹も、熱いっ!」
蓮のいきり立った熱い楔が、最奥まで届く。腹が熱い。身体が言う事を聞かない。蓮の動きに合わせて腰が動く。こんなに気持ち良いのに、まだ貪欲に蓮を欲している。蓮は更に快感を与えようと胸に手を這わす。腰を支えていた両手で胸を弄る。蓮のモノに全体重がかかり、突き上げられる度、足が浮く。
「ふ、深いっ!・・・蓮、蓮!」
強く胸の突起を摘まれた瞬間、前はイってしまった。白い液体が窓を汚す。
「凛、まだだろ?もう少し我慢してっ」
あぁもうイキたい。この快楽から解き放たれたい。
「・・・うんっ、まだっだけどっ、もうイキたいっ!」
蓮は俺の腰を掴み、激しく打ち付ける。俺は震える身体を爪先立ちで堪えて。
「・・ハァッ、グゥッ・・・も、もう・・」
パンッパンッと身体と身体が打つかる音。あのいやらしい音も響いているが、俺の耳には届かない。頭が真っ白だ。
「り、凛、夜景見えてるっ?」
答えられる訳がない。言葉が声にならない。
「ひぃっ!・・・だ、ダメ・・・」
それがやっとの返事だ。前は既に達したのに腹の中が再び疼いてきた。何かせり上がってくる。
「・・・んうっ、れ、蓮・・も、イ、イク・・っ」
「んっも、もう後少しっ凛!」
リズム良くそして強く打ち貫く。あぁ意識が遠のいていく。
「・・・も、もう、少しって、無理ぃ!・・イクッ、イっちゃうよっ、蓮!」
蓮も力強く打ち付けて、最期が近い。
「はぁっ・・・れ・・ん、何か、で、出るぅっ出ちゃうよぉっ!」
もう止められない。自分の身体が分からない。
「も、もう、ダ・ダメッ!!」
身体が痙攣し始めた。もう、無理。
「凛っ!凄いよっ!俺も出るっ!」
「イッイクッ!れ、蓮、イクッ!!」
前から何か漏らしてるのが分かるけど、止められない。腹の奥に蓮の熱い愛液が迸るのを感じながら意識を手放した。
心地いい枕に顔を埋めて、寝ていたようだ。身体は綺麗に拭きあげてある。今更だけど、どうやら蓮の精液を俺の身体は吸収してるようだ。流れ出てくるのは入れ過ぎてるローションだけ。蓮がそう言ってたから、そうなんだろう。体液なら何でも良さそうだな。
ふと汚した窓と恐らく漏らしてしまった恥ずかしい記憶の床を思い出した。
綺麗に片付けてある。ごめん、蓮。
蓮は、窓際のソファーで一服していた。俺が起きたのに気が付き
「御免、ちょっと無理させたね。」
謝ってきた。優しい男だ。
“大丈夫、だがら。”
大丈夫じゃなかった。声が枯れてる。慌てて煙草を消して水を持ってきた。クスクス笑うと安心したみたいだ。水を飲んで落ち着いて
「謝らないで。遊びでヤッてる訳じゃないだろ?お互いを求めてしてる行為だから。それにいつも綺麗にしてくれて、有難う。」
蓮は覆い被さる様に抱きしめて来た。愛情があるから、オーガズムまで達せるんだ。女みたいにヨガって喘いでる見っともない姿晒してる俺が謝りたい位だ。そう言うと
「喘いでる凛は、今迄見た事が無い位セクシーだ。みっともなくなんか無い。誰にも見せたく無いし、触れさせたく無い。」
それに、どんな姿も綺麗だ。と蓮は言った。あぁ、どんな顔もイケメンって思ってる俺と同じじゃないか。蓮は、シャワーを浴びに行った。時計をみるとまだ10時前。だけど眠い。ん~。先に寝るのはあんまりだな。起きとこう。
「・・・男でも、潮って吹けるんだな。」
蓮の身体がベッドから落ちた。俺のひと蹴りで。折角起きて待ってたのに。イタタッとベッドに戻って来た蓮に抱きついて
「もう、寝るから余計な事言うなよ。」
早朝、並ぶらしいので早目にラウンジに降りた。声が枯れてる事に気付いた華。
「どこでも盛ってんじゃね~よ、万年発情期め。娘の存在を忘れるなや。」
え?やっぱり俺が悪いの?そうなの?
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