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第23話

 もう、どの位時間が、過ぎただろう?小石で壁に目が覚めたら引っ掻いて印を付ける。  ・・・もう2ヶ月余りか。恐らく蓮達は高木君の力を使って俺を探しただろう。だけど俺はそれを拒む様に心を閉ざしている。  当たり前だ。毎日、獣臭い血液を飲まされ回復すれば輪姦されてる。最初はかなり抵抗したが今はもう世話係の男が入ってきたら、黙って連れて行かれる。  台に上がり、拘束具をつけられてあの行為が始まる。最初は必ずリーダー、その後10人程度に輪姦される。抵抗してた頃は挿入される度切れたり、殴られたりしてた。もう今は無抵抗だ。毎日犯されるから、バックもすんなり男達を受け入れる。  辛うじて精神が保ってるのは、恐らくこの行為に快感を感じないからだ。身体は慣れても、心まで馴染まない。  輪姦されてる間も、他の事考える。以前は勿論、蓮の事ばかりだった。でももうこんなに汚されて逢える希望も無くなった。帰る場所なんて、俺には無いんだ。  身体を突き上げられながら、  (もし、ここを出られたらどうしようかな?ロイみたいに世界を廻るのもいいな。金が必要になれば、今みたいに男に身体を売れば良い。今更、汚れた身体を恥ずかしがる必要は無い。・・・そしたら皆んなの事忘れられるかな・・・)  そんな事を考えてる間に入れ替わり立ち代り男達が俺を犯す。  ある日、日が沈みまた世話係の男が来た。今日もか。ジャリジャリと足枷の鎖を引き摺り歩く。?大広間に行かない。何処に行くんだ?すると玄関を抜け、外だ。すぐ傍の所に座らされる。何もしない。久々の外の風を受け気持ちがいい。初めて見る外の世界。樹々が茂り森の中の様だ。湿度もあるが、森林浴してるみたいで暫く其処で過ごした。  世話係の男はジッと立っていたが、何かに気が付き振り返った。そこにはリーダーが立っている。手にはグラス。血液が入っている様だ。臭いがする。でも何時もの獣の血じゃない。  これは・・・人間の血液だ。俺に飲む様に勧める。出所が分からない人間の血液、抵抗はあったが、ここまで落ちぶれたらもうすんなりと飲んだ。獣の血と違い、身体に力が漲る。それを見てリーダーは俺にキスをした。そういえば此処に来てから初めてのキスだ。どうやらリーダーは俺を気に入ってるみたいだ。  彼はいつも最初に優しく俺を抱く。その後に続く男共が乱暴な扱いを俺にすると容赦無く殺す。最初、殴られてた時も殴った男は始末されてる。  翌日からはまた輪姦の日々。ガクガクと身体を揺さぶられ犯される。  リーダーが時折、人間の血液を与えてくれる所為か、俺の能力が高くなってきたのが自分でも分かった。時々、玄関の傍にも出してくれる。そして、一糸纏わない俺に服を着せた。  「辛いか?」  リーダーが喋った。日本語が分かるのか。  辛いか?と聞かれたら辛い。だけどもうどうでも良い。輪姦されるのがこう毎日だとプライドも無くなる。逃げ出す気力も帰る場所も無い俺に何を求める?優しく俺の髪に指を通し、キスをしてくる。まるで愛してくれと言わんばかりに。  リーダーは俺をパートナーにしたいのか?  その日を境に、時折会話をするようになった。俺の冷めきった心を溶かすように。  足から枷が外された。地下牢や建物内であれば自由に動いて良いらしい。  昼間、ナイトウォーカー達は眠っている。静かな邸内で窓際に陣取る。窓を開け、風を感じる。すっかり、慰み者の生活に慣れてしまった。よくここまで汚れたもんだ。  考えてはいけないけれど、蓮との時間を思い出す。買い物に行ったり、日帰り旅行にも行ったなぁ。やっぱ、忘れるなんてまだ無理だ。もっと時間がかかるだろう。知らぬ間に涙が出ていた。  もう逢える身体じゃないけれど遠くからでいい。一眼、彼を見たい。元気かなぁ。女性にモテるから、新しいパートナー見つかると良いけど。華も大学受験だ。自分の事に集中して頑張って欲しい。高木君がサポートしてくれるだろう。  足枷も無く、皆眠っていて服も着ているから逃げ出す事も出来る。だけど何処に逃げる?逃げるのは帰る場所がある奴だ。俺に帰る場所はもう無い。ナイトウォーカー達が飽きるまで多分俺はここに居る。  「何か、欲しい物はあるか?」  リーダーが聞いてきた。  そうだな。流石に石畳に布団も無く毎日、丸まって寝るのは嫌かな。  「何かマットレスみたいな物が欲しい。石畳に直接寝るのは身体が痛い。」  そういうとすぐに部屋を地下牢から、邸内に有る客間らしい所に移された。ベッドとシャワーがある。  「自由に使え。」  そう言って、また血液をくれた。  夕闇が迫ると邸内が賑やかになる。皆が起きてくるからだ。人間を狩りに行く者、酒を飲み騒ぐ者、そして俺を待つ者。もう世話係は来ない。自ら大広間に行く。其処には今日相手をする男達が待っている。服を脱ぎ、台に上がり、またいつもの様に行為が始まる。  事が済むとふらつきながら、部屋に戻る。シャワーを浴びて、ベッドに潜る。これからこの生活が続くのだ。  (蓮なら、身体綺麗にしてくれたなぁ。)  マニアックな蓮だったけど、そこには愛情があった。忘れたく無い。けど忘れなければ俺は壊れそうだ。  「何か欲しい物はあるか?」  また聞いてきた。  「桜、桜が見たい。木を植えて。春になったら、美しい花が咲くんだ。」  翌日には、いつもの玄関脇に若木が植えてあった。  季節は移り、森の樹々が美しく紅葉している。もう秋か。来たのは確か5月頃だ。半年近く此処にいる。リーダーと話すうちに辺りの事が分かってきた。ここはドイツ。その森の深くにある古城。そういえばロイが言ってたな。古城はナイトウォーカーの住処だと。なるほど。リーダーにはテリトリーがあって、その中にいくつか古城が有るらしい。  だけど特に興味もないので話は聞き流していた。観光客でも無いのに古城巡りしてどうする?  また夜が来る。男達との行為は続く。終わりが見えない。  今日は冷える。震えながら外を見ると雪化粧。  (うわー綺麗だ。皆にも見せたいなぁ。)  またそんな虚しい事を思う。  俺は滅多に日中外に出ない。そのせいか、肌はより一層、白くなった。人間の姿に変化して鏡を覗くとまるで女性みたいな自分が写ってる。肌は白く、髪も伸び一回り位、痩せていた。もう逢っても誰か分からないかも知れない。  季節は巡り、暖かくなった。  若木に数輪の桜が咲いた。華は大学受かったかな?1年近く経っているのに忘れられない。蓮は新しいパートナーを見つけただろうか。  夜になると、日課のように大広間に向かう。客間を出るとリーダーが立っていた。  「桜、花が咲いたな。一緒に見に行こう。」  玄関先に、クラシカルな明かりが灯り、数輪の桜が浮かぶ。  「成長したらもっと咲く。それはとても綺麗だ。散り際も美しい。」  俺が桜に手を伸ばすとリーダーの手が添えられた。  「私と共に此処で生きないか?そうすれば毎日、男達に輪姦されずに済む。私だけの物になれ。」  俺は、リーダーの顔をみて自然と涙が溢れた。彼は優しい。だけど俺の心にはまだ蓮が大きく存在してる。  「・・・忘れられない人がまだ此処に居る。だから、貴方の物にはなれない。」  リーダーは静かに立ち去った。  翌日から、また輪姦の日々が続いた。  昼間、俺は自由だ。寝てる事も多いが、今日は窓際で微睡んでいた。そういや、天使の羽根貰ったよな。すぐネックレスに変化したけど。太陽が射す日当たりの良い場所に移り、両手を合わせ、強く羽根をイメージした。  手の中に1枚の真っ白な羽根。  それを外に向かって飛ばした。  (蓮、幸せになって。俺はもう死んだんだ。3人で幸せなりますように。)  そう祈って。  俺達は、まだ諦めてない。凛が心を閉ざし、場所を特定させなくても、絶対に取り戻す。ドイツという事は分かっている。そこから先が分からない。アテも無くドイツに行くか?時間も金もあるが、余計な時間がかかりそうだ。  華も地元の大学に進学した。凛はちゃんと準備していて、俺は全く手出ししなかった。健太もよく顔を出してくれる。華のサポートは俺よりも健太が良い。だって、俺の所為で凛は奪われた。  桜が咲き、春の便り。ベランダで一服していたら、真っ白な羽根が1枚、フワフワと落ちてきた。鳩のか?何気なく手を伸ばして羽根を受け止めた。  (蓮、幸せになって。俺はもう死んだんだ。3人で幸せなりますように。)  凛の想いだ!凛からの初めてのメッセージだ!  「は、華!凛からだ!」  華も何事かと飛び出してきた。  羽根を手に取ると、涙をホロホロと流す。  「大丈夫だ。凛はまだ壊れてない。健太を呼んで。凛の居場所が分かるかも知れない。」  夜、健太を呼び、羽根を渡す。  意識を集中する。この一件で健太の予知能力とサーチする能力が随分高まった。  ロイも呼び出す。健太が見えた場所がロイが知っている場所ならすぐに飛べるからだ。  ロイと共に健太がサーチする。  「あぁ、分かったぞ。凛は生きてる。凛を囲ってるナイトウォーカーも知っている。」  「本当か?じゃ、直ぐに飛ぼう!」  華もその気だ。  「待て、今飛べば向こうは朝だ。私は行けない。此方が朝になったら、飛ぼう。」  一睡もせずに朝を待つ。4人共、怒りに満ちている。  空が白んできた。  「華、飛べるか?」  「飛べなくても飛ぶ。ラストチャンスかも知れない。」  4人、手を繋ぎ華に集中する。フワッと浮いた。  次の瞬間、目を開けると辺りは日が沈んだようで暗い。古城の玄関の前にいた。  玄関脇に桜が植えられている。  (これは、凛か。凛が望んで植えたのか。)  「何、ボーッとしてんの?!行くよ!」  華も健太もディウォーカーになってる。俺も続く。各自武器も持って。  華以外は、玄関を蹴破り中に入る。突然の襲来で、屋敷内が騒めく。  凛は何処だ?  俺達の怒気に怯えているのか、ナイトウォーカー達は遠巻きにみているだけだ。  「蓮!こっち!」  華の声がした。大きな扉を蹴る。  中では、裸の凛を中心に数名の男達が行為の真っ最中だった。後ろから突かれ、口で奉仕してる。見たく無い光景。だけどこれを毎日凛は甘んじて受けて俺達から去ろうとしている。  「凛!止めろ!」  俺の声を聞いて動きを止める。ゆっくり俺を確認する凛。表情が崩れる。  「み、見ないでぇ!こっちに来るなっ!」  華は容赦なく、次々とナイトウォーカーを切り裂く。凛の身体を1人のナイトウォーカーが抱き抱え、姿を消そうとしている。あの時みたいに霞み始めた。ヤバイ、また逃げられる!  「同じ手を何度も使えると思うな。ルイ!」  ロイが、ナイトウォーカーの首を掴む。  「くっ、裏切り者め!」  凛の身体が、ナイトウォーカーの腕から落ちる。危ないっと俺が受け止めた。軽い。軽過ぎる。  「・・・お、俺を見ないで、お願い。もう昔の俺は死んだんだ。お願いだから触れないで・・蓮まで汚れてしまう。」  「その話は後だ。ここから逃げるぞ。」  「何処に逃げるの?俺の帰る場所はもうないよ・・・」  もう返事はしない。後で話せば良い。力無く俺の腕の中に居る凛。多少もがいて離れようとしていたが、俺が力強く抱きしめているので諦めたようだ。  「コイツ達を殺せ!襲って血を飲め!晩餐会だ!」  ロイが抑えたルイというナイトウォーカーが叫ぶ。  一斉に飛び掛かって来た。華も健太も、そして同族のロイもナイトウォーカーと戦い始めた。俺は片腕にすっかり細くなってしまった凛を抱えて防御戦だ。  「だ、駄目だ、蓮。離してっ!蓮がやられる!」  涙声で訴えてる。  「離すもんか!言っただろ!簡単に手放さないって!忘れたか?」  その隙に背中を浅く切られた。  「チッ、クソッ!」  「れ、蓮!大丈夫?」  俺の背中に手を廻す。凛の手が俺の血で濡れていた。凛はソレをペロリと舐めるとまるで人格が変わったようにユラリと立ち上がった。  「神に祝福をされた者は幸い。常に神は我々と共におられる!」  そういうと、いつの間にかネックレスが首元に有る!ソレに触れ武器を手に取ると今まで弱々しく腕の中にいた凛とは思えないほど力を漲らせ俺を襲ったナイトウォーカーを始め、次々と倒して行く。  俺も回復し、戦いに参戦する。相手は多い。50人は居るだろう。5人で、応戦する。ロイは、リーダー格のルイとタイマンで戦っている。    「貴様らの様な低俗なヴァンパイアと同じに見られるなんて反吐がでる!」  「綺麗事では、存在出来ない!」  1番の戦闘能力、華が圧倒的な力を見せつけ、次々とナイトウォーカーが灰と化していく。  2時間も経たない内に、全てのナイトウォーカーを始末した。ロイもルイと決着がついたらしい。  「すまない、凛。仲間では無いとはいえ、同郷のナイトウォーカーに慰み者にされてしまった。悔やんでも悔やみきれない。よく心を保てたな。君の精神力は凄い。」  「俺は何も凄くない。1人になるなと警告されたのに自ら囚われたようなものだ。犯されて汚れてしまった。もう元には戻れない。」  「2人で話がしたい。凛の部屋はある?」  華と健太、ロイを先に帰し、凛と2人になる。  「もう、凛を無理強いして抱く奴等は居ないよ。ここに居る理由はないだろ?家に帰ろう?」  凛は顔を振る。  「・・・帰れないよ。俺はある程度自由だったんだ。逃げる隙もあったのに逃げなかった。俺は望んでここに居たんだ。」  「違うよ、それはマインドコントロールだ。最初は何処にいた?」  「・・・地下牢。足枷も付けてた。暫くしたら、欲しい物は無いか?って聞かれて布団が欲しいって言ったらこの客間を与えてくれた。・・・あと人間の血液も。」  やはりマインドコントロールだ。だけど無理矢理押し付けても、逆効果だ。  「あ、羽根、羽根覚えてる?」  「羽根?」  「うん、真っ白な羽根。幸せになってって想いが入ってた。」  凛が、思い出したように驚く。  「・・・確かに羽根、飛ばした。外に出られないから窓から飛ばした。さよならって。」  凛の瞳から涙が溢れてきた。  「本当にさよならしたかった?本当にしたかったなら、そんなメッセージ送らないだろ?」  「・・・・忘れなきゃって。忘れなきゃおかしくなりそうだったからっ。」  堰を切ったように泣き出した。約1年間、ナイトウォーカー達に嬲られ、犯されそれでも俺や家族達を想い耐えてきた。  「凛は強いよ。弱くなんか無い。力が眠っていただけだ。さっき、俺がやられた時なんて怖い位に強かった。」  「す、直ぐには家に帰る勇気ないよ。」  「わかった。少し旅に出るといいかも知れない。カード渡すから、使って。」  要らないと言ったが、資金が尽きたらどうするんだ?と聞いたら黙ってしまった。  多分、身体を売って金を得るつもりだろう。其れ位ヤケになってる。  「ちゃんと使ってるか、チェックするからね。」  「・・・・うん、分かった。」  「それとまた暫く会えないなら、凛。凛を抱きたい。」  凛は驚きを隠せない。  「そ、それは無理だ。もう、昔と違うんだ。汚れてる。蓮に触れてもらえる身体じゃない。」  「身体だけが問題じゃないよ。凛は奴等とのSEXは気持ちよかった?」  ブンブンと頭を振る。心が拒絶してたんだ。気持ちいい筈が無い。  「だったら、凛は汚れてない。なんていうかな、言わばクッソ下手くそな経験をしただけだ。」  凛はベッドの上で逃げようとするが追いかけて捕まえる。抱きしめて凛の胸に顔を埋め、クスクス笑う。  「・・・な、何?なにが可笑しいの?」  「だって1年だよ、探し続けてやっと腕の中に帰って来てくれた。本当は一緒に帰りたいけど、旅に出すんだ。俺の我儘も聞いてくれてもバチは当たらないだろ?」  俺は優しく凛を抱いた。いつもみたく俺が一方的にせっつくようなものじゃなく、労わる様なSEX。  長くキスをして、凛の身体中を愛撫する。凛は身体を捩り、シーツを掴んで快感に耐えている。余計なお喋りはしない。ひたすら凛を愛するんだ。1年間も離れていた分も。凛は喘きながら、仰け反り始めた。前がイクのかな。口で、凛の放つ愛液を受け止め飲み込む。双丘を開き、蕾を舐める。凛の身体が跳ねる。  「や、やめて、ソコ汚いからっ!」  返事はしない。頭を掴まれ引き離そうとするが、手を払い舌を差し込む。そう、さっきまでナイトウォーカーが入ってた場所だ。舐めて綺麗にするんだ。  「れ、蓮。俺、俺まだ蓮の事、好きで良いの?」  「当たり前だ。もっと好きになってよ。」  ゆっくり挿入する。勿論、柔らかい。だけど彼奴らとは違う。俺が中にいるんだ。凛。  ジワッとスライドする。凛の両脚が震えてる。気持ち良いんだ。スライドを強くする。  「あっ!ハァァッ!れ、蓮!気持ち良い!」  1年だ。1年も犯され続けても感じなかった身体が俺を受け入れて喜んでいる。  ピストンを早くして、凛を追い立てる。これが本当のSEXだ。愛のある行為だと。  俺も一年振りで長く保たなかった。  「あぁ、凛!熱くて凄い絞まるっ!もう出るよ!」  「アァッ!蓮!俺もイクッ!」  短時間だったけど、互いの気持ちは交わせた。  「凛は、何も変わってなかったよ。昔のまんまだ。」  「・・・そのさ、ガバガバとかじゃなかった?」  恥ずかしそうに聞いて来た。  そんなんだったら、俺こんなに早くねーよと言って笑った。  古城を出て、街にでた。凛の旅の準備をする為だ。  「ありがとう、華の事もみてもらってるのに。」  「華は、しっかり自立してるよ。バイトも始めた。安心して。」  「それに旅に出してくれてありがとう。出来るだけ、連絡する。」  (早目に帰って来てくれたら嬉しいんだけどね)  「信じて待ってるよ。気をつけて。」  凛は列車に乗って旅立った。  本音はね、首根っこ掴んでも連れて帰りたかった。だけど凛は大人の男だ。見た目は若いけど、中身は人生の大先輩。1年間の屈辱を耐え、やっと自由を手にしたんだ。俺が縛り付けたら彼奴らと同じだ。  ただ、願うだけ。無事に旅を終え俺の元に帰って来てくれる事を。  寂しいけどね。

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