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第31話
平和な日々が過ぎる。
時間に追われる事もない。華は大学生だし、仕事もPC見てるだけ。家事をして、3人分の夕食作る位。専業主夫だな。少しカミーノが懐かしい。
(ケンは、元気かなぁ。メアド渡したけど、メール来ないし。)
外はもう紅葉し始めてる。秋か。想像を超える体験ばかりして、平凡な日常がよく思い出せない。手作りのジュース飲みながら、ボォ~と外を眺めてる。
「凛、大丈夫?最近、ボーッとしてるな。」
「ん?うん、大丈夫。大丈夫だけどさ、余りに色々ありすぎて、時間の使い方が分からないや。」
苦笑いで返す。
「モデル、再開したら?まぁ、こないだみたいなヤツじゃなきゃ、やってみれば?」
「うん、ありがとう。でも、まだ少し怖いかな。・・・呼び寄せるって言われてるし。」
「そうか。」
まだ、あの1年の傷は癒えない。当たり前か。蓮も仕事を家で出来るように作り変えた。俺が1人で居られないからだ。
「まだ、怖いか。」
「うん。特に暗がりは怖い。カミーノの時は、常にどちらかが居たからね。正直、蓮が出張とか行かれたら、買い物も行けない。」
蓮が、そっと抱きしめてくれた。身体を彼に預ける。優しい時間が流れる。
古城を逃げ出してから暫くは、1人でも平気だったのに、蓮やケンと常に一緒にいたら返って恐怖感が現れた。
甘えてるのかなぁ、そんな気もする。早く立ち直らなきゃ。華も健太も、蓮も安心出来ない。蓮の腕の中で向きを変えて俺も蓮に抱きつく。
「ん?そんなに甘えられたら、我慢出来なくなるんですけど?」
「・・・いいよ。我慢しないで。」
「・・・・いいの?まだ昼間だけど。」
頷く。それだけで気持ちが通じる。優しいキスが降り注ぐ。蓮の下唇を甘噛みする。そして、舌で歯列をなぞる。蓮の味がする。蓮も舌で俺の口内を味わってる。時間はある。ゆっくりと互いを楽しむんだ。
服の上から、胸を弄る。眼を薄っすら開けて、蓮を見つめる。
「脱いでないのに色っぽいよ、凛。誰にも見せたくない。」
布1枚あるだけで、いつもと違う感覚。
「ハァッ・・・」
吐息が漏れる。ソファーに移り蓮は座り、俺は蓮を跨って膝立ち。シャツの上から、胸の突起を弄んでる。
「両方、透けてエロいよ凛。」
シャツが濡れて透けてる。チュッチュッと吸う音が聞こえる。片方は指でクリクリと摘んでる。蓮の膝に座り、ズボンの上から蓮の昂りを触る。もう、パンパンに布が張って形が浮き上がってる。先端辺りをゴリゴリと擦る。
「ん、ハァ、いいね。気持ち良い。」
キスをしながら服を着たまま愛撫を続ける。俺は返事の代わりに蓮の舌を吸った。どちらとも言えない唾液が、顎を伝う。それを舌で舐め取る。俺の昂りも刺激が欲しくて蓮のソレに擦り付ける。
「フフッ、堅いね。」
「凛だって。もう滲み出来てるよ。」
脱がないってのも、中々興奮するな。犬みたいに腰を押し付ける。ザリッザリッと布が擦れる音。
「ん、気持ち、良いかもっ」
蓮の肩に腕を廻して密着する。体温が上がり、モァッと独特の匂いがした。ディープなキスをしながら、身体を擦り合わせる。胸の突起も下半身の昂りも。
「凛、今日何か凄くエロくて、艶っぽいよ。」
「・・・そう?楽しんでるだけだよ?」
またキスに戻る。蓮の髪の毛を掻き回しながら、腰を擦りつける。蓮も同じ様にやる。スルッとバックに手を入れて来た。指を這わし易い様に足を開く。唾液で濡れた指が、ヌルっと蕾に入って来た。
「んっ。はぁ、なんか久々な気がする。」
「そうだね、ケンと3人でやって以来?」
あぁ、そうだ。もう1カ月は経つな。
「ゆっくり慣らすから、痛かったら言って?」
「うん、大丈夫。」
優しく挿入された指は久々で狭くなった蕾を柔らかく解す。腰が快感を思い出すまで時間は掛からなかった。
「あぁ、指増やして、平気っ。」
蕾に意識を集中する。指が増え圧迫感と異物感が増す。
「痛くない?腰が引けてる。」
「大丈夫っ、もっと奥まで入れて。」
引き攣りを感じるけれど痛くはない。それどころか、もっと奥まで欲しくなってる。
指が増え、ピストンを始めた。
「ンッ!うぅんっ、良いっ。」
まだ、ズボンは履いたまま。2人とも何も脱いでないのに凄く興奮してる。蓮は舌で、胸の突起を転がす。
「あ、あんっ!蓮、気持ち良いっ!」
後ろを指で犯されながら、昂りを蓮に擦りつける。もう、大きな滲みが出来てる。クチュクチュと慣らす音とあられもない喘ぎ声が響く。
ズボンを蓮が挿入出来る位、少しずらす。前の昂りで引っ掛かり後ろだけが露わになる。蓮も熱く堅く勃っているモノだけ引っ張り出し、蕾に当てがう。
「入れていい?大丈夫かな?」
「うん、平気、来てッ!」
ズルっと指が抜け、パックリと開いた蕾に熱い楔を挿入する。蓮の唾液と先走りの汁でヌルっと入った。
「はぁッ、んっ、んんっ!」
「久しぶりだから、絞まりが凄いな。今日、早いかもっ。」
珍しく蓮が弱音を吐く。俺は上着を捲って、胸を突き出す。
「こ、ここも愛してっ?」
直接、胸を吸われて全身を快感が走る。
「ん、絞まるっ!ダメだ、胸弄るとナカが絞まって俺が保たないっ!」
「んぅっ!俺を満足させてくれるんでしょ?」
腰を蓮に当てつける。深く熱を持ったソレが腹の奥まで来る。
「あぁ、マジヤバイ。抜いてなかったから、保たないよっ!」
今日は俺がリードかな?
膝を上げてしゃがむ体勢を取り、腕を蓮の首に回して腰を上下させる。
「ンアッ!良いトコに当たるぅ!」
蓮の首にしがみ付き、いやらしく腰を揺さぶる、上下や前後に。
「ハァッ、ハァッ!凛、良い、良すぎるっ!」
「蓮、気持ち良い?俺もっ良いよっ!」
ベチャベチャっと響く音。知らない間に前から垂れて伝って来たみたい。結構な量だ。
「ハッ、ハッ、ンアッ!」
腰を動かすのに夢中になる。腹が内壁がもっともっとと蓮を飲み込む。全体重を掛けて、最奥に楔を導く。
「んっ。グヴッ!ヒィッ!あぁ!」
抜けそうな所まで浮かせて一気に最奥に穿つ。堪らない、気持ち良すぎる。
「凛、今日マジでヤバイよ、そんなに欲しかった?」
「へぇっ?わ、わかんないっ!ンッ!あうっ!」
気持ちよくて涙が出てきた。自ら腰を動かし、パンッパンッと突き上げる。蓮はイカない様に必死に堪えてる。この快感が終わらなければ良いのに。
「くぅ、ああっ!ヒィッ!」
一際大きく腰を動かす。前立腺をゴリゴリと擦りながら。
「ううっ!ああっ!来るっ!来ちゃう!」
「イキそう?俺もイって良い?」
「だ、ダメェ!蓮はまだダメっ!」
「クソッ!限界までは我慢するけどっ!」
ナカイキしたい。あの永遠に感じるオーガズムを感じたい!
「ナカイキしたいんだろっ!イけよ!ホラッ!」
ジッとしていた蓮が、いきなり突き上げた!
「うわぁっ!クゥッ!ヒィィッ!」
予想外の突き上げで叫んでしまう。ガクガクッと身体が痙攣し始めた。
「ヴヴッ!ハァァッ!ヤァァァッ!」
叫び声が止まらない。腰は止まってるのに、強すぎる快感に声を抑えられない。
「クッ!キツッ、はぁ、凛動かないとっ!」
また突き上げた。
「イヤァァァァッ!アッ、アァッ!」
いつの間にか到達してたらしい。視界が霞む。股の間が熱い。
「漏らす位、良かった?俺も出すよ!」
俺の腰を掴んで打ち付ける。
「ヒィッ、ヒッ!ぐぅ!」
我慢強い蓮は、直ぐはイかず身体に力が入らなくなるまで、突き上げて腹の中に白い液体を弾けさせた。
「ソファーベチャベチャだな。」
「・・・ん、ごめん。俺が買うよ。」
「ねぇ、どうせ捨てるならさ、前にやったのまたしていい?」
「何?」
「てか、さっきはかなり我慢して頑張ったから、ご褒美プレイ。」
え?まだ俺の中にあるモノから勢いよく熱い液体が放たれた。
「んあっ!これ、ヤダっ!」
「途中で止まらないもん。気持ち悪くはないでしょ?」
腹が蓮の尿で膨らんでくる。・・・正直、そんなに嫌じゃなかったりする。絶対言わないけど。ただ、後始末が恥ずかしい。
「ん、まだ出てるっ。お腹苦しい!」
「あと少し。」
全部出し切ると、ジワッとモノを引き抜く。蓮の形に開いてる蕾から、ショロロッと尿が溢れる。蓮は双丘を開く様にして眺めてる。オーガズムに連続ナカイキで排尿プレイ。目がトロンとして、漏らす快感に流される。
「お腹に力入れて?全部ださなきゃ。」
プリュッと下品な音をだして全部だす。グッタリした俺を抱き上げて、ベッドへ。
「先に片付けてくるから。」
コクンと頷いてそのまま寝てしまった。
ゆっくり目を開くともう外は夕暮れだ。数時間寝たらしい。夕食作らなきゃ。ベッドから怠い身体を起こし立とうとしたら、ガタンッと倒れてしまった。足腰に力が入らない。
「どうした?大丈夫?」
ドアが開いていたから物音で、蓮が飛んで来た。
「・・・た、立てない。」
「そりゃそうだわ。激しかったもん。」
言わないで、恥ずかしいから。
「今日は、華帰ってこないから2人分位、俺が作るよ。ああ、ソファーも引き取って貰ったから。明日、買いに行こう。」
華が帰って来ない?外泊?何も聞いてないぞ。
「華から、何も聞いてない。何処に泊まるか聞いてる?」
「確か、サークル仲間の女の子の家に泊まるって言ってた。凛寝てたから俺が報告受けたよ。女の子とも話したし。」
そうか、良かった。蓮も父親代わりしてくれてる。ありがとう。グッタリとベッドに寄りかかる。
「ほら、まだ寝てて。夕食出来たら呼ぶから。」
抱き上げられ、ベッドに上がる。
「ん、ありがとう。華の事も。」
「華は俺にとっても大事な娘だよ、可愛いと思ってる。たまに躾が入るのが、痛いけどな。」
笑いながらキッチンへ。ドアは開かれたまま。炊事の音が聞こえると何か安心する。
「初めてだなぁ、華の外泊。サークルって何のサークルだろ?」
「そりゃ漫研だろ?同人誌読んでるし。次のイベントで本だすから、手伝ってるみたいだよ。」
そういや、蓮と一緒に盛り上がってたな。
「そのイベント行かない?久々に。」
「うん、そうだね。まだ先なんでしょ?」
クリスマス辺りらしいよ、と話しながら夕食を食べる。そうだなぁ華も独立したら蓮と2人きりか、少し寂しい。蓮と出会うまでずっと華と一緒だったから。子離れしなきゃな。
「え?俺が売り子さんやるの?」
翌日帰ってきた華から、とんでもない提案。
「イベントには行くつもりだけど、関係者じゃない俺が何で売り子さんするの?」
「パパのファンが結構居てね。あのモデルの娘ってバレて騒がれたんだから。」
あぁそうなの。
「ただ座ってくれてたら良いの。他の所廻って来ても良いし。」
「釣り師だな。」
蓮が笑う。
「そうね、沢山釣って貰わないと私への迷惑料にならないよ。」
「てかさ、何でソファー無いの?」
「ちょっと汚したから、今日買いに行くよ。」
「どんな汚し方したら、買い直すレベルで汚れるのよ。」
俺、何も言わないからな。
「まぁ、色々と。」
鈍い音。久々に躾が入った。
「あのさ、パパ、お願いがあるんだけど。」
「ん?何?」
「うちのサークル、映研とも仲が良いの。それでイベントでステージのデッカイスクリーンに動画流せるんだけどさ。」
「うん。動画作るの?」
「そう!それに出演して欲しいんだけど。」
はい?俺が出るの?
「こんなオッさんに需要ないんじゃ無い?」
「パパ、オッさんに見えないから。テーマも決まってるし、後はパパが了諾してくれたら話が進むんだけどなぁ。」
何をやるんだ?少し不安になって来た。
「何するの?」
蓮が代わりに聴いてくれた。
「洋楽のミュージックビデオ。口パクで構わないから。」
「へぇ、面白そうじゃん。イベントだけに流すの?」
「無論、YouTubeにも。当たり前じゃん。」
ほ、本格的なんだな。
「で、誰の曲やるの?」
「パパがやるって言ったら教える。」
あ、ズルイ。断れなくしてる。
「口パクで良いんだよね?ん~、まぁ時間もあるし、良いかな。」
「本当?ヤッター!」
嬉しそうにはしゃいでる。娘の為に一肌脱ぎますか。
「映研っつーても、クオリティには限界があるだろ?」
「まあ、そうね?だけど高額なカメラとかはあるよ。」
「技術だよ。折角、あの凛さんが出演するビデオを素人だけで撮るのは勿体ないな。」
「当てがあるの?」
ニヤリと笑う蓮。
「あるよ。協力頼んだら多分格安、若しくは無料、かつ全力で協力してくれてる奴1人居る。」
誰だよ。俺も知ってる奴なのか?
「ケンだ。カミーノ一緒に歩いた。」
え?ケン?なんで?
「アイツ、映像関係の仕事だから。確かミュージックビデオも撮ってる。」
「凄い!蓮、お願い出来る?人手は集めるけど、統括出来る奴いないから。」
俺、取り残されてる感半端ないんだけど。
撮影初日。
「マジ、美人なんだけど!華、凄い!」
女子大生が黄色い声を上げてる。華のリクエストで、ディウォーカーの姿だ。無論、男子学生も騒めいている。
しかも、結局何をするか聞いてない。
「で、誰の曲するの?俺、きいてないんだけど。」
「もういいか。あのね~・・・」
試しにその俺がやる歌手のミュージックビデオを見る。マジかよ。こ、これやるの?
「大丈夫、すごーく健全でしょ?」
いやいや、そういう問題か?だって・・・女性ミュージシャンじゃないか。しかも、2本撮りなんて聞いてない。
「凛!会いたかったよ!」
懐かしい声。ケンも来た、しかもスタッフ数名連れて。ハグして再会を喜ぶ。
「よし、早速準備しよう、時間ないから。」
俺の意見なんて誰も聞いてくれない。
それから怒涛の撮影が続いた。蓮は出来上がりを楽しむ為に内容は聞かないらしい。編集が終わったら1番に観るらしいけど。
約2カ月かけて、2本撮りが終わった。
ケンはまだ日本に残りたがったが、スタッフから引きずられて帰って行った。キスも出来なかったね、残念。
編集もイベント2週間前に終わり、自宅で蓮と華と健太と4人で観る。途切れ途切れに撮影するから、仕上がりが分からない。
「で、何やったの?」
蓮は知らない。
「ジェニファー・ロペスのAin’t You Mamaとティラー・スウィフトのLook What You Made Me Doの2本。ケンのお陰で、かなりレベル高いよ。」
華は嬉しそうだ。俺は結構、クタクタになったけど。
「スゲーな。凛、これ、凄いよ。」
「可愛いでしょ、ジェニファーの格好とか!」
華は興奮気味。
「モデル復帰も間近ですねっ!」
健太も興奮してる。
外に出るキッカケになったからまぁいいか。
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