55 / 109
第55話
数日、天気も良く歩みは順調。
華はカメラ片手に、風景や歩いたり、休憩してる俺を撮影してる。健太は、華のサポートに徹してる。こりゃ尻に敷かれてるな。健太は優しいから、上手く行くだろう。
蓮も楽しんでる。スペイン語で、バルや地元の人と会話して、情報集めたり。多分、ワインセラーとか聞いてる。
俺も三度も来れるとは思ってなかったので、自然と都会の空気を楽しむ。
夕食を取りながら、明日の予定を立てる。
「明日はなんか、天気悪そうだな。降り出したら汚れるし、何処まで行こうか?」
「う~ん。雨の中、宿、コンプリートは辛いもんな。」
前回、雨の中、宿が見つからず大変だった。
「じゃ、明日は短めにして、レオンに泊まろう。ホテル取ってさ。」
ずっとアルベルゲだから、疲れも溜まってるだろう。
「レオンで2泊しない?休息日も入れなきゃ。大聖堂もあるし、華、指輪交換には素敵な教会だよ。」
「ん?ほんと?じゃぁ、3泊がいいな。街も撮影したいし。」
そうだな。健太も余裕持って休みを取ってるし、華は夏休みだ。そんなに急がなくても良いだろう。
「んじゃ、3泊予約取るよ?」
蓮が、電話で予約する。ん~あの短期間でスペイン語習得って凄いんだよ。うん。頭は良いんだ。仕事や学習には。ただ、下ネタが、中二なんだよな。3泊か。多分、お誘いあるだろうな。確実に。
小雨の中、レオンを目指す。
「泥か、牛糞か、分かんない!」
何とか汚物を避けて歩く。ブーツカバー持って来てないらしい。ブーブー言いながら前進。
レオンに着く頃には、本降りになった。だけどホテルは決まってるから、安心だ。
「今日は、大変だったから食事はルームサービスにしていいよ。金は心配しなくていい。」
スポンサーは蓮だ。交通費も宿泊費も食費も全て蓮が出してる。
「大丈夫?かなり使うじゃん。」
「これで皆んなが、楽しめるなら構わないよ。」
多分、償いのつもりなんだろうな。そこまでしなくて良いのに。
各自、部屋に入って休む。俺と蓮は、慣れてるからか、さほど疲れてない。
「雨、止んだらバルで食べたいんだけどな。」
「今日くらい、部屋でマッタリしても良いじゃん。」
まぁ、そうだけど。まだ昼過ぎ。テレビ付けても訳わかんないし、つまんない。
蓮が電話で何か注文してる。
「何、ルームサービス?」
「うん、軽食とワイン。ほら、沢山種類あるよ。」
読めないけど、沢山書いてある。
「甘口のワイン頼んだ。何本か頼んだから飲み比べしたらいい。」
ん?気がきくじゃないか。楽しみだ。
暫くすると、ルームサービスが来た。
「た、頼み過ぎじゃない?」
ワインだけで、6本。あと軽食って言ったのに、なんかフルコースみたいな料理が来た。
「ダラダラしてたら、無くなるよ。さぁ、頂きましょ♪」
温かい内に肉や魚を食べる。美味い。ワインも口に合って、進む。
「蓮のチョイスは完璧だね。全部美味しい!」
「勉強の賜物だろ?ここのホテル、lonely planetに載ってたから、料理も美味いんだよ。」
部屋も多分、スィートルーム。広い。
「贅沢しまくりだな。今回のカミーノ。」
「めでたい事もあるんだ。こんな時に奮発しなきゃ、稼ぐ意味が無い。」
おっきなソファーに寄り添って、寛ぐ。
蓮が首筋に顔を埋めて来た。
「ん?駄目だよ。汗臭い。シャワー浴びてから。」
「臭くなんかないよ。凛の匂いは、甘くて惹きつけられる。」
「前も、甘いって言ってたね。甘いの食べ過ぎかなぁ?」
「フフッ、面白いな、凛。違うよ。体臭が元から甘い香りなんだよ?自分じゃわからないか。」
首筋を舌でなぞる。手は太腿を触ってる。レインコートも着てたから、汗で湿ってる服が、肌に張り付いている。
「服、気持ち悪いし、お風呂入って着替えたい。」
「・・・うん、わかった。湯、張ってくる。」
多分、流れでヤリたかったみたいだけど、ちゃんと自分の気持ちを伝える事に決めたから、流されない。
「溜まるまで、ベタベタしよ?」
「え?う、うん。うん、しよう。」
俺だって男だから、時間にゆとりがあるなら、蓮と触れ合いたい。ワインをチビチビのみながら、軽いキスを交わす。
「なんか、凄く充実してて幸せだ。凛を傷付けたのに。」
「もう、済んだ事だよ。気にしないで良い。それだけ蓮がイケメンって事だよ。少し心配だけど。」
クスクス笑う。うん、今幸せじゃないか。それで充分だ。
「凛の笑顔は、本当に綺麗だ。表現し難いよ。」
唇にキスの雨。抱きしめられて、蓮の温もりを感じる。
「指輪、もう投げないでね。探すの大変だから。」
「投げない。いや、買い直したい位だ。ごめんね。」
蓮の唇にお返しのキス。
「あ、もう溜まったかな?」
良い雰囲気だったけど、お風呂溢れたら大変。
「うわぁ、広いな。日本のバスタブよりでかくない?」
お風呂大好きな俺は、パッパッと服を脱いでバスタブに入る。
「うーん、気持ちいい!蓮も入ろ?」
「え?一緒に入るの?」
いつもなら、普通に入るのに?
「どうしたの?いつもなら入ってくるじゃん。」
「・・・うん。分かった。入る。」
あぁ、そういう事ね。まだ明るい昼間のバスルーム。全部丸見え。蓮の息子さん、ガン勃ちでした。
「ん、お風呂の中じゃ、駄目っ!」
良い雰囲気だったんだ。エッチは構わないんだけど、お湯の中はちょっと嫌。
「何で?凛も勃ってるよ?」
「いや、その・・お湯入ってくるから気持ち悪い。」
指で蕾をクリクリ撫でてる。
「気持ち悪い?俺が中で、オシッ・・・」
口を押さえた。それ以上言うな。恥ずかしい。ソレとコレは、多少違う。言った所で、指は止まらない。
軽く酒も入って、湯に浸かって身体は火照ってる。解された蕾は、指をすんなり受け入れる。
「あっ、んんっ。」
向かい合わせで、脚を拡げて、間に蓮が入り込んで指で中を掻き回す。お湯が少しずつ入ってくる。
「ん、ヤァンッ、お、お湯入ってくるっ。」
「じゃ、お湯が入らないように栓をしよう。」
まだ、指1本なのに、熱い昂りを当てて来た。
「あ、ま、まだ早いっ!」
クイッと下から掬うように先端が挿さってきた。
「んん!あぁっ、ハァッ!」
痛みはない。強い圧迫感と引き攣る感覚。
「ゆ、ゆっくり、ゆっくりしてっ!」
バスタブの淵を握り、蓮を受け入れる。ゆっくり、ジワッと挿入される。あまりにも、ゆっくりで焦ったくなってきた。
「んん、もう大丈夫だから、動いて!」
腰を揺らす。
「この体勢はちょっと動きにくいな。凛が浮いちゃう。」
たしかに不安定。
「一回、抜くよ?」
ズルズルッと抜かれる。ゾワゾワっと背中を快感が走る。
「んんっ!あんっ!」
何と、引き抜かれただけで射精してしまった。身体がどんどん淫らになっていく。
俺の身体をひっくり返し、背後から挿入。
「凛の身体が、エッチする度に変わっていくから嬉しいよ。」
「う、ううん。わかんないよ!」
もう身体は疼いて堪らない。早く突き上げて欲しい。蓮は、腰を回して中を捏ねる。気持ち良いけど、あぁ、物足りない!
「あぁ、蓮っ、動いて?」
「うん、動いてるよ?」
違う。突き上げて欲しいのに。
「突いて欲しい?突いて上げても良いけど、俺もしたい事ある。」
「んんっ?何?」
「また、蓮の中で出したい。」
さっきのか。風呂場だし、良いか。それより突いて欲しい。
「う、うん。良いよっ!だから、だから動いてっ!」
「うん、了解。凛が漏らしちゃう位、突いて上げる。」
あぁ、そんなに突き上げるの?後孔を中心にジンジンして来た。タオルを咥えて声を殺す。まだ、昼間だ。隣は華達が居る。バスルームは声が響くから、声出せない。
蓮は俺の片脚をあげ、双丘がこれ以上開かない位、開いて突き上げてきた。
いきなり最奥まで来て、悲鳴が鼻から抜ける。身体を捻り、蓮を見る。腰と脚を掴み、激しく突く。突かれる度に目を閉じ、引かれる時に薄っすら目を開く。
「凛、顔、エロ過ぎ。そんな顔、俺以外に見せるなよ!」
蓮だって、雄の顔してエロい。ガクガク揺らされながら快感の渦に飲み込まれる。
暑くなってきたから、繋がったまま、バスタブから出て、洗い場でピストンが続く。
「・・んっ・・・ぐぅっ!」
両手でバスタブを握り、腰を打ち付ける衝撃を支える。
(あぁっ、良いっ!俺も大概、淫乱だなっ)
腰を自ら上げ、脚も開く。蓮のモノを根元まで味わう為に。
「あぁ、凛、凛の中はもう熱くて蕩けそうだっ!」
俺だって、やられてばかりは嫌だ。腰をくねらせ、腹に力を入れて蓮を締め付ける。口からタオルが落ちる。
「ハァッ、あぁんっ、蓮、気持ち良い?」
「ちょっと気持ち良すぎる!腰止めて!」
イキそうになったのか、動きを止めて息を整えてる。なんか悪戯心が湧くな。腰は止めたけど、腹に意識を集中して、根元からジワッと締め上げる。
「凛っ!出ちゃうよ!緩めてっ!」
腰を揺らし、締め上げる。蓮をイカせたい。
「フゥッ!ンッ!ンアッ、蓮、蓮イキそう?」
蓮をイカせたいんだけど、自分も感じてしまう。蓮はジッと動かない。
「ンッ!ヤバイッ、凛より先にイキそう!」
バスタブに手を突っ張り、リズム良く腰を前後に動かしたり、回したりして、蓮を追い立てる。ピチャピチャと水音が聞こえる。
ガシッと双丘を掴み、蓮が小刻みに震える。
「クソッ、凛に食われたっ!ウウッ、出るっ!」
腹の中に熱い体液が放たれた。
「ンッ!はぁ、熱いのが分かるよ、蓮。まだ俺イってないからね。頑張って?」
まだ射精したばかりの男根を締め付け、腰を揺らす。
「ま、待って!今出したばっか!」
いつも、俺がイッても待たないじゃんか。俺も待たない。腰をいやらしく回し、蓮に擦り付ける。腹の中で再び熱く勃ち上がるのが分かる。
「次は、俺をイカせて?ねぇ、蓮。」
タオルを咥え直し、突き上げに備える。
「わかった。凛が漏らして、哭く位に犯してやる。」
なんか対抗戦?火をつけてしまったのは俺だけど。
「・・ぐぅっ!・・ヒィ・・!」
涙が止まらない。色んな体位で突き上げてくる。意識をわざと飛ばさない様にして。とっくに身体からは力が抜けて、支えられず、バスルームの床に寝てる。オーガズムも何度来たか分からない。
「タオル、外すよ。声、聴きたい。」
口からタオルを取られた。
「ハァッ、ハァッ、れ、蓮っ、も・もうダメ・・も、漏れちゃうっ!」
「フゥッ、いいよ。漏らして。ちゃんと見てて上げる。」
今は向かい合わせ。蓮が俺のモノをもって、尿道口をクリクリ摩る。腰も絶えず動かしてる。駄目だ、また漏らしちゃう!
「凛がちゃんとオシッコ出来たら、ご褒美に凛の中で、俺もしてあげる。好きでしょ?中でされちゃうの。」
あぁ、そう、出してくれる。あの感覚。暫く味わってない。
「ん、漏らしちゃうよ、うんんっ!」
蓮に握られて、開かれた尿道口から尿が溢れる。突き上げられながら漏らす。ガクガクと揺れる身体。
「よし、良い子!俺もイクから、その後ね。」
一際強く突き上げ腹の中で2度目の射精をした。
「ヒィィッ!ンアッ!イイッ!」
身体に電流が走る。前からだけじゃない。目からも口からもタラタラと溢れる。
「じゃ、出すよ。凛。」
少し力んで、腹の中に放尿される。熱い。どんどん腹が張るのがわかる。
「んん、はぁ、蓮のオシッコ、熱いっ!」
「顔が蕩けてるよ。そんなに気持ちいい?」
「うんっ、気持ちいいっ!」
まだ出てる。腹が膨らむ。ウットリと蓮を見つめる。
「ンハァッ、んん、お腹パンパンっ!」
蓮が腹を押す。
「本当だ。苦しくない?」
「うん、平気っ、大丈夫。」
全部出し切った蓮が、モノを引き抜く。蓮は引き抜くと同時に両手で蕾を開き、逆流して後孔から流れ出す液体を目を細め満足そうに眺める。一気に出してしまうのも良いけど、後ろに力を入れながら少しずつ出す。
「ハッ、ハッ、んん、フゥッ!」
クチュクチュと指を入れて蕾に悪戯する。我慢してるのに、指入れられたら溢れてしまう。
「んん、蓮、全部出ちゃう!」
「ほら、我慢して?ピュルッて出てる。」
指を抜いて、出さないように我慢させる。力が入らない身体を立たさせて、たったまま、漏らさせたいらしい。
「本当に漏らしちゃった子みたい。」
蓮が流し込んだ液体が脚を伝い流れる。
「全部、出すか。」
腹を押されて、中に残ってるものを全て出す。
シャワーで流されて、綺麗にしてくれた。
蓮の首に腕を回し、満足した事をキスで伝える。
「ん、そんなに甘えないで。またしたくなる。」
「・・・うん。いいよ。まだ陽は高い。時間はある。」
そのまま、ベッドに流れ込んで、哭いて意識を失う位にSEXを味わった。
「う・・うん、今何時?」
掠れた声で時間を聞く。蓮はなんとパソコンで簡単な作業をしてる。体力ありすぎだろ?
「今?夜の8時。寝たのは7時位だから、正味5時間位SEXしてたな。」
あぁ、そう。腰痛い、勿論、後孔も流石に痛い。
「さっき、華が来て、微かだけど声漏れてたって。エッチは寝室でやれって言われた。」
・・・娘に聞かれてたの?消えたい。
「言っとくけど、煽ったの凛だからね。」
「・・・別に何も言ってないじゃん。」
「俺、普通にエッチして止めようと思ってた事は言っとかないとな。」
「・・・だって、したかったんだもん・・」
小声で抗議。
「何?きっこえなーい!」
パソコン、放り出してベッドに飛び込んで来た。
「重い!降りてっ!」
「何て言った?聞こえなかった。」
「・・・俺だってしたくなる時くらいある。」
「ふむ。なるほど。それを逃さなきゃ今回みたくタップリやれるんだな。ちゃんと分かるように合図してよ?チャンス逃したくないから。」
チャンスって。回数は増えただろ!カミーノの間だけ、少し減っただけじゃん!毎回、こんなに濃厚なSEXしてたら、身体持たないよ!俺に身体回復能力無かったらどうするつもりだったんだろうか?
「お腹空いた。まだ、残ってる?」
「うん、まだあるよ。パンもあるから、サンドイッチ作ってやる。」
ベッドでゴロゴロしながら、待つ。基本、蓮は優しい。まぁ、俺以外にも優しいからモテモテなんだけど。
「テレビ、つまんないなら、動画でも観てたら?」
パソコンで動画見ながら夜食。
「食ったら寝よう。明日は華達の祝いの日だ。」
「うん。そうだね。明日は祝ってあげよう。祝盃もね!」
酷く怠くて満腹になり、あっという間に眠りについた。
「おはよう!姫。・・・目の下、隈出来てる。・・・一体どうしたら、巡礼中にそんなに・・はぁ。もう良いわ。」
全部知ってる華は、言葉を飲んだ。うーむ、しっかり寝たつもりなんだけどな。
レオンの大聖堂は何度見ても美しい。天気も回復して、ステンドグラスの窓から日が差す。
「姫が言ってた通りね!素敵!綺麗。」
暫く見上げて感動している。まだ早い時間のせいか、観光客もいない。
祭壇前で、華と健太が指輪を交換して、静かにキスをした。普段着だけど、とても綺麗な花嫁だ。
「ほら、ハンカチ。」
どうやら、泣いていたらしい。
「ありがとう。これで、育児も終わりだな。」
「そうだな。独立だ。」
ディウォーカーという繋がりは消えないけれど、これで正式に俺の手元から、娘が旅立つ。少し寂しいかな。
「姫に、孫は見せられないけど、幸せな姿は見せられるから。今までありがとう。姫。いや、ありがとう、パパ。」
娘とハグをした。美しく、強く、理性的で正義感の強い立派な娘になってくれて、ありがとう。優しく頭を撫でた。
愛おしい娘を幸せにしてくれと泣きながら健太に言った。勿論です。と頼り甲斐のある返事が返ってきた。うん、頼むよ。
やっぱり4人でカミーノ来てよかった。ドレス姿は帰国してからのお楽しみだな。
旅は順調に進み、皆んなで気に入った街には2泊とかして、充分に堪能する。もうカミーノも来ないだろう。もし、来るとしたら、哀しみがあった時だ。でも、そんな事起きないように頑張らなきゃ。
「姫!見えた!サンチャゴ!」
うん。あそこがゴールだ。巡礼も終わる。華も旅立つ。蓮と2人の道のスタートだ。
「連れて来てくれてありがとう。姫が魅力された訳、分かったわ。私、また来たいもの!」
そこまで、気に入ってくれたんだ。嬉しいね。
「ねぇ、姫、また歩かない?親子旅も楽しいよ!」
あれ、もしかしたら4度目もある?しかも哀しみじゃなく、楽しみで。
「お、俺もついて来ていい?」
蓮が口を挟む。
「ダメ。姫が余計な体力使うから。蓮は、自宅待機。健太も仕事だし。親子旅っていってんじゃん。」
えぇ~っダメなのぉ~!と叫ぶ蓮。3人で爆笑。本当に蓮は優しくて面白くてちょっと馬鹿な子だ。
爆笑で終わる巡礼も楽しくて良かった。
ディウォーカー、4人が日本を離れてる間に、トラブルが起きてたなんて誰も思ってなかった。
ともだちにシェアしよう!