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第68話
平和な時間を楽しんでる。あ、新しい趣味?性癖もね、ちゃんと認めました。たまに、着るのは楽しい。エッチしなくても、綺麗な物を身に付けると面白い。
もう秋だ。10月。
人間としての命が奪われ、ディウォーカーになって。
そして、灰になり蘇った日。
蓮と暮らし始めて、誕生日とクリスマスに正月は楽しむが、この時期は複雑な心境になる。
「記念日が、無いのは何か寂しいな。」
おや?珍しい。蓮から切り出して来た。
「な、写真。写真撮りにいかない?」
「写真?なんの?」
「結婚写真。ないだろ?」
「え~、俺、ドレスなんか着ないぞ。」
「別に着なきゃいい。モデルやってたスタッフに声をかけてみて良い?」
「うん、それなら良いよ。」
何を思ったか分からないけど写真か。
数年ぶりに、モデル時代の関係者に連絡。たいそう喜んでくれた。モデル復帰はしないけどね。段取りを組んで、写真を撮ってくれるらしい。うん、有り難い。ほら、普通の写真屋じゃやっぱり恥ずかしいしね。
数日後、隣県の都心部。久々にスタジオに入る。蓮が着る礼服と俺が着る女性的な衣装。俺も礼服で良かったんだけど。
「これ、天女の羽衣って言って世界で一番薄くて高価な布なんですよ。似合うと思って準備しました。」
へぇ、確かに薄くて綺麗。下は、白のスパッツ。まぁそんなに女性的な衣装でも無いな。
ヘアメイクをしてもらい、髪に花を插す。個人的な撮影なのに全力を出してくれてありがとうございます。
うん、凄い。やっぱプロは違うな。
「台紙も付けて、仕上げたら送りますね。」
「ありがとうございます。」
「ね、蓮。何か臭わない?」
「あぁ、微かだけど、臭うね。何かで誤魔化してるけど、居るな。」
「この中に?ナイトウォーカーなら昼間は動けない筈。また違う輩かな。」
「獣臭はしないな。室内だから、ナイトウォーカーでも動けるだろ。」
ヂヂっとライトが、点滅して、電灯が落ちた。窓がないスタジオは、真っ暗だ。俺達2人は何とか見えるけど。
「近いぞ、凛。気をつけろ!」
言うが早いか、グイッと抱えられ
「こんな美しい花嫁がヴァンパイアにいるとはね。悪いが頂く。」
何、馬鹿げた事を。俺は蓮しか受け入れない。
ネックレスに触れ、後ろ手で武器を出す。闇の住人の身体を貫通する。
「俺は蓮の花嫁になったんだ。お前など相手にも、ならない。」
呻きながら、傾く身体。手に力を入れて、引き裂く。
バチバチッと通電する音がして、灯りが付いた。
「どうかしましたか?大丈夫?」
スタッフが心配してくれた。足元には灰の塊。
「何だコレ。おい、片付けろ。」
「凛、強くなったね。」
「多少はね。だけどまだまだだよ。また標的になっちゃったし。相手が多かったら、どうなってたか。」
「そうかもな。1人で良かった。スタッフに紛れて、獲物を探してたんだろう。」
単独という事は流れ者じゃない。元々、この辺りに居たんだろう。
でも、俺達の事、ヴァンパイアと言ったな。じゃアイツは何者だったんだろうか?少し気になる。
撮影を終え、街に出た。久々の都会。ショッピングでも楽しもう。蓮の腕に手を回して、デートだ。
「何かみたいのある?」
「うーん、服は最近買ったし。何見ようかな。」
「俺、行きたい所あるんだけど。」
「ん。じゃ、そこに行こ。」
・・・ランジェリーショップじゃねーかよ。しかもコスプレとかも売ってるアダルトショップみたいな店。
「やっぱ、裕太とだけ行くなんてずっこいぞ。俺も見たい。」
「もう、2着もあるから、要らないよ。」
「いんや、まだまだ。ほら、ベージュと紫だけじゃん。黒やら赤やら、デザインもベビードール以外も良いじゃん。」
「・・・ノリノリだな。」
昼間だからまだ客は俺達だけ。外見に感謝。遠目なら、デカイ女に見えるし。
「ほら、コレ。赤。似合うよ。」
「う、うん、あぁ赤ね。良いんじゃない?」買い物カゴ持って、目に付いたヤツ次々に入れてる。ちょっと一緒にいるの辛い。
離れてウロウロしてたら、男性用の下着があった。ん?普通のローライズから、レースにTバック。面白プリントもある。 ちょっと欲しいかも。スキニーやタイトなズボン履いた時、下着が気になってた。
「何みてんの?」
「ほら、コレ。股ん所からクマ出てる。」
「か、買うの?」
「うん、コレとコレ。ローライズ履くから、コレも。」
紐じゃんか。とか何とか言いながら、レジに。勿論、俺はレジに近づかない。うん。男ってバレたくないし。
「えらいデカイ袋だな。どんだけ買ったんだよ。」
「そうだな。凛用が15着位?あと凛が買いたいって言ったヤツ。全部で五万くらいかな。」
・・・買いすぎだろ。
「楽しみが増えたなぁ。」
しみじみと言うな。まだ着るなんて言ってない。・・・多分、選択権は無いんだろうけど。
買い物終えて、マッタリ、コーヒーショップ。
「でもさ、何でいきなり結婚写真?」
「色々有り過ぎたし、それを乗り越えたご褒美的な?」
「ふーん。ご褒美ねぇ。」
「それに過ぎちゃったけど、10周年記念。ブランクは、無いものとしてね。」
ん、離れていた数年も結局、互いの事を想い続けてた。テーブルの上に置かれた蓮の手に手を絡める。指を絡めて、確認するみたいに。
「本当に綺麗だ。今も、撮影の時も。」
「綺麗、綺麗って言われてもなんも出ないよ?」
笑みがこぼれる。蓮は、想いをストレートに伝える。
「・・・さっき、ホテル見つけた。行きたい。」
「・・・・。うん、わかった。」
同性じゃ入れない筈なんだけど、華麗にスルー。
「休憩だよ?泊まらないからね?」
「了解です。あ、さっき買ったヤツ着てね♡」
やっぱり。家まで我慢出来なかったのか。
「どれにしようか。うーん。」
「早く決めないと、時間経っちゃうよ?」
「よし。コレ。赤。」
さっさと着替える。髪が邪魔でお団子にした。
「やっぱ、似合うなぁ。肌が白いから、強い色にも負けないな。」
余計なお喋りは要らない。唇で口を塞ぐ。俺もランジェリー着ると気分が高まる。蓮の膝の上に座り、キスを味わう。蓮の手は下着の傍から手を入れて後ろを解してる。
「フッ、ンッ。ハァ、蓮の味がする。コーヒー味。」
「凛は、甘いクリームの味だな。」
舌を絡めて、口が一体化する。蓮の首に腕を回し、後ろから来る快感を受け止める。
「久しぶりに69やる?」
蓮が、下になり俺が蓮の顔を跨る格好。中々恥ずかしい。
蓮の元気な息子を下着の前を開いて引っ張り出して口で咥える。蓮も、下着の傍から俺のモノを出して咥えてる。快感で動きが止まりそうになるけど、必死に頭を上下したり、竿を舐めたり愛撫する。
蓮はモノを咥えたまま、後孔に指を挿入して開かせてる。後ろ触られたら、俺、動けない。口を蓮から離して、喘ぐ。
「ンンッ、あぁ、あっ、ンッ、蓮っ!」
何とか手で蓮を扱く。
「今日は、いつもより解れるのが早いな。もう、平気そう?」
「・・う、うん。平気。大丈夫。」
パンティも脱がず、傍から勃起してる俺のモノ。スゲ~エロい。
体位を変えて正常位。脚を高々と上げて下着をズラして、挿入して来た。
「ンアッ、ハァッ、あ、熱いっ!」
「凛の中も熱いよ。喜んで吸い付いて来る。」
大きなスパンで突いてきた。あぁ、堪らない。
「ランジェリーが乱れて、凄く煽情的だよ。セクシーだ。」
「ハァ、ンンッ!蓮もっ、蓮もセクシーだよ!」
前を扱かれながら、突かれるから理性なんて吹っ飛ぶ。
「アァンッ、ウウッ、ん、アッ、アウッ!」
「今日は、波に乗るのが早いね。声で煽られるよ。」
「あ、あぁ、ハァッ!ンッ、イ、イイッ!」
ローション使ってないから、多少引き攣るけど、それすら快感にすり替わる。ただ突き上げるだけじゃなく、速さや角度を変えて俺を乱す。
「ンアッ!ハァッ!アァンッ、ヒィ!」
「イイ?気持ち良い?」
「んっ、ハッ、ンンッ、う、うんっ、イイッ!」
「俺も気持ち良いよ、凛っ!」
俺のモノから溢れた先走りで、下着を濡らし後孔まで伝う。ヌチャッヌチャッといやらしい音が喘ぎの合間に聞こえる。
グリッと乳首を摘まれ、ビクンッと身体が跳ねる。
「うっ、絞まるっ!凛、感じやすいねっ!」
「アァンッ、ダメェッ!ソコダメッ!」
もっと、もっと蓮を感じていたいのに、イってしまう。絞まって狭くなった内壁を抉りながら突き上げる。
「ウワァッ!ンアッ、ハァッ!く、来るっ!」
脚がブルブルと震えだす。まだイキたくないのに!
「我慢しないでっ、ほら、イって?」
「ハァッ、ま、まだイキたくない!」
「我儘な子だな!イかせるから!」
脚を限界まで開き、最奥を穿つ。
「アウッ!アアッ!ヒィ、イ、イク、イク!」
全身を強い痙攣が走る。脚が空でバタバタと震える。
「頑張って!俺がイクまでっ!」
「アヴッ!ハァッ、ヴヴッ、ヒィ!」
オーガズムの間も休み無く腰を打ち付ける。
「あー、ああっ!ま、またイクッ!」
蓮が達するまで、何度もイキ続ける。限界まで仰け反り、メスイキする身体を震わす。
「あぁ、絞まるなっ、ハァッ!んっ!」
ボンヤリして来た頭に蓮の喘ぎが届く。蓮も気持ち良いんだ。身体を震わせながら、幸福感も湧く。
「ハァッ、ああ、イ、イク、イってる!あぁっ!」
プシュ、プシュと潮を噴きながら、ガクガク揺れる。
「あぁ、ダメだ、俺も出るっ!イク、イくよ!」
腹の中に熱い迸りが打ち付けられた。
「抜くよ?」
ズルッと体外に蓮のモノが出て行く。
「ハァ、んっ、んん。」
「糸引いて、パックリ開いてヤラシイな。」
指で、開いた秘孔を弄る。
「あぁん、ダメだよっ!ま、またイっちゃう!」
指で激しくピストンされ、またメスイキしてしまった。
「・・・もぅ、蓮、エロいよ。後戯でイかせるなんて。」
「だって、凛の身体がエロいから。」
俺かよ。もー。
今から新幹線乗って帰るんだぞ。力尽きるまで、ヤってどうすんだよ。
「うーん、ランジェリー濡れちゃったね。どうする?」
「軽く洗って持って帰るよ。捨てるなんて勿体無い。」
あぁ、そう。じゃ洗ってね。俺、ギリギリまで休みたい。
ウトウトしてたら、あっという間に休憩終わり。
ゔー、歩けるかな。バス乗って、駅までが遠い。
膝の力が抜けそうなのを堪えて、何とか新幹線ホーム。や、休ませて。
「少し時間あるから、何か食べる?そこ弁当屋ある。」
「ん~、じゃなんか適当にお握り一個お願い。」
「了解。休んでて。」
・・・元気だよな、蓮。パワーあり過ぎだよ。
お握り、食べつつ時間を待つ。
「多分、新幹線乗ったら寝ちゃうから起こして?」
「うん。てか、そんなに怠い?」
当たり前だろ。蓮は一回イッただけだけど、俺はイキっぱなしだったんだ。疲れるわ!寝れてないし。
「・・・頼むから、出先でヤるの止めない?日帰りは辛い。」
「あ、それじゃ俺が無理強いしたみたいな言い方じゃん。凛もノリノリだったろ?」
・・・そうですね。多分キッカケは俺だ。
「・・・。ごめん。」
別に謝んなくて良いけど、と蓮は気にしてないみたい。良かった。
隣県だから、新幹線もあっと言う間に地元へ到着。結局、寝れず蓮とイチャイチャしてた。
「うーん、もう寝ていい?ご飯要らない。」
「わかった。先に寝てて。俺、弁当食って寝るわ。」
おやすみ~と言って一足先にベッドイン。
本当は、一緒に寝たかったけど睡魔に負けた。
満ち足りた気分と幸福感。
蓮、ちょっとエロいけど、俺のパートナーには勿体無いくらいだ。でも、誰にも渡す気は無いけど。
寝室に行くと、美貌が眩しい眠り姫が、寝息を立てて眠っている。
こんな美しい生き物が、俺の腕の中に居る。勿体無いくらいだけど、誰かに譲るつもりは毛頭ない。誰にも触れさせない。もう、充分に酷い目にあって来た。いい加減、幸せにしてやらないと、バチが当たりそうだ。
布団に潜ると、モゾモゾと腕の中に入ってくる。必ずね。習慣なんだろうけど愛らしいじゃないか。堪らない。
いつまでも、この平和が続きますように。
そう祈りながら、眠りに就いた。
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