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第70話
時が過ぎるのは早いもので、もう師走だ。
特にディウォーカーの役目も無く、平和に過ごしてる。蓮の性欲は持て余してるけど。
珍しく華から電話。
〔姫、元気にしてる?〕
「あぁ、元気だよ。蓮とも上手くいってる(夜の営みは戦いだけど)」
〔正月さぁ、帰省しても平気?健太と一緒に。〕
「勿論。健太の方にも顔出さなきゃね。」
〔うん、それもあるんだけどね。私、専業主婦で時間があるから、和装の着付けとか習ったの。正月、着物一緒に着ない?〕
「着物か。家に無いよ?華が持ってるの?」
〔うん、健太が沢山、リサイクルだけど良い品買ってくれて、普段もたまに着てるわ。〕
「・・・まさかとは、思うけれど、俺、女物じゃないよね?」
〔あら、バレちゃった?女物だよ。よく似合うの買ったのよ。〕
買ったのかよ。もー。女装が趣味になっちゃうじゃん。
〔蓮の分も用意したから。あ、蓮は勿論、男物だけど。〕
「じゃ、なんで俺も男物にしないんだよ~。」
〔自分の外見、よく見なさいよ。似合わないわよ。男装。〕
待て、待てよ。似合わないって何だよ。
〔じゃ、宅配で送るから、宜しくね!〕
娘から、女物の着物着せられ、パートナーからは、ランジェリーだ。もう俺の性別、無視するなよ。だからと言って、俺が女だったらとかは、全く頭に無いんだよね。あくまでも、男の俺に着せたがるんだ。複雑過ぎる。
「華、何だって?」
「正月、帰ってくるって。んで、皆んなで着物着ようってさ。」
「で、凛は女物でブーブー言ってんのか。」
笑うな。普通言うだろ。
「俺、自分で着付け出来るよ。」
「え?マジ?凄いね。」
「ガキん頃から、正月は着物の家庭だったから。」
わー、ハイソな家庭。御坊ちゃまじゃん。だから、どっかおかしいんだな。
どっさりと宅配で着物が届いた。華に受け取った事、蓮が着付け出来る事を伝えたら
『あら、じぁ、私、自分と姫だけ着付けすれば済むじゃない。ラクだわ。良かった。』
とメールが来た。
お節どうするかな。注文するか、作るか。
「着物着たり、バタバタするのヤダから、頼んだら?」
そうだな。蓮の言葉に甘えて、締め切りギリギリに注文。
「お帰り。混んでて疲れただろ?」
ごった返す空港にお迎え。
「大丈夫。ハァ、何度みても、パパって呼べない外見だわ。」
五月蝿い。そこに触れるな。
「なんか、一段と綺麗になられましたね。」
健太まで。もう、いいよ~。
「おっ、お帰り。」
「ただ今。夫婦円満?」
「何だよ。円満だよ。当たり前~。」
蓮はキッチンで、夕食に出す刺身をさばいてる。円満ねぇ。確かに以前は、言いたい事我慢したり、トラブルも1人で抱え込んで結局迷惑掛けたりした。今は、何でも話し合う。良い事、悪い事、嫌な事。・・・まぁ嫌な事は大抵、夜の件だけど。
だってさ、月に5回位、アダルトショップに行ってランジェリー買い漁ってるんだよ。金の使い道絶対間違ってる。
「あ、姫、お土産~。スィーツとコレ!」
おぉ、行列が出来る有名パティシエのケーキ!・・・もう1つの土産。それ・・。
「似合うと思って!」
何だ?1人敵が増えたか?父親にだ。女性物のランジェリー普通買わない。
「おっ、高級感があるな。高そうだな。」
「そうよ、蓮。安物じゃないわよ。自分の見に行ったら、あったから思わず買っちゃった。」
思わず買うな。父親に。
「着たら、写真撮って送って?」
「了解!」
待てよ。華、何で父親のランジェリー姿見たがるんだよ。蓮も勝手に了解すんな。健太は笑いながら光景を眺めてる。もしかしたら、1番大人なのは健太かも知れない。
翌日は、30日。出掛けても人混みで疲れるだけだから、買い出しで大量にある物でマッタリ。昼間は健太の家に2人で行ったから、蓮と2人でゆっくり過ごす。
「まさか、華までランジェリー買ってくるとは思わなかったよ。俺に皆んな女装させたいのかな?」
「う~ん、女装ねぇ。ワザワザ女装しなくても、ユニセックスな感じの服着たら済むじゃん。」
「やかましい。ユニセックスのは俺が好きなの。女装じゃない。」
「だからだよ。あくまで自然体な凛の綺麗な姿見たいだけじゃない?俺もそうだし。」
「・・・自然体って、何もしなくても女に見えてるって事?」
「いや、違うな。こんなデカくて筋肉質の女には萌えない。」
「ふーん。よく分からん。」
「あれだ。ただ単に綺麗な凛を見たいだけだよ。」
そんなもんなんか。
蓮がぴったり引っ付いてきた。何?
「正月さ、華達いるから出来ないから今、したい。」
「いきなり過ぎるわ。もうすぐ帰ってくんだろ?3、4日位、我慢しろよ。」
「え~、2時間位だろ?できるじゃん。」
のし掛かって来た。
「い~や~だ。蓮は、スッキリするだろうけど、俺は疲れちゃうの。知ってるだろ?気怠い空気出しながら娘達と過ごしたくない。」
しょぼ~んとする蓮。
何時もはい、そうですかってエッチしない。やりたくない時はちゃんと言う。言っても聞き入れられない時もあるけど。今回は、絶対嫌だから、拒否します。
まぁ、予想より早く華達ご帰宅。良かった、エッチしなくて。やってたら、真っ最中だぞ。
蓮の耳元で囁く。
「華達が、帰ったらゆっくり楽しも?俺もあのお土産、着てみたい。」
「ほんと?よし、分かった。華達がいる間は、我慢する。」
一気に元気になる蓮。頭ん中、中2だな。うん。
31日。注文してたお節が届く。
「わぁ、豪華。凄いわね。」
「うん、和食屋のお節だからね。よく行くから、味も保証付き。」
伊勢海老にアワビに恒例のお節の数々。家族揃って正月か。かなり久しぶりだな。
蓮と離れてた時も、華達とは会ってなかったら1人じゃない正月はかなり嬉しい。
「お節は、今日食べる?元旦は、初詣行くだろ?」
「お節は明日の朝が、良いわ。今日は何か温かい物作ろうか?私が。」
「ん、じゃ頼むかな。」
こうゆう時、娘って良いよね。
夕食も済ませて、まったりテレビ鑑賞。あの笑うとOUTの番組を観ながらヌルッと年越し。
華と健太はもう寝てる。
「今年も宜しく。凛。」
「こちらこそ。今年は平和でありますように。」
蓮はビール、俺は日本酒で乾杯。チビチビ飲みながら、他愛ない会話。この平凡な日常がいかに大切か、俺達は知ってる。どちらが欠けてもこの時間はあり得ない。
「さて、寝るか。明日、初詣行くし。」
「そだね、寝よ。」
静かな大晦日の夜、ゆっくり休んだ。
元旦。朝は早い。俺はお節とか食事の支度。華は着物を各自分、仕分けてる。
「汚したら勿体無いから、お節食べてから着物着よう。」
「そうね。じゃ、2人起こしてくるわ。」
「明けましておめでとう。今年も宜しく。」
ジュースで乾杯。アルコールは、帰宅してから。
美味しくお節を食べて、ノンビリ。
「姫、上脱いで?髪の毛セットするから。」
「あぁ、そうか。やっぱ、ちゃんとしなきゃおかしいか?」
「下ろしたまんまは、おかしいかもね。」
器用に俺の髪の毛を編み込んで纏める。生花の様な髪飾りで完成。
「じゃ、着付けは、姫達の部屋でやりましょ。男共は、リビングね。」
いや、俺も男なんだが。カウントしてくれない。
先に俺の着付け。タッパがあるから、少しやりにくそう。でも、早い早い。あっという間に終わった。華も自分で着付け。てかさ、父親の目の前で着替える事に抵抗感が無いのは不味くない?
部屋から出たら、2人とも終わって待ってた。
「おぉ!予想以上じゃん!2人とも綺麗だ!」
「そうですね。流石、親子。」
いや、片方、父親。
「ね?下着着てる?」
聞くと思った。このエロ魔人。
「履いてるよ、当たり前。」
(実は履いてない。女性用のショーツ渡されたが、流石に履けなかった。)
「元旦から、何言ってんのよ。初詣行くわよ。」
慣れないから、歩きにくい。小股で歩く。これで、神社の階段辛そう。
小さな神社だけど近くにここしか無いから結構な人出。ブロンド2人が和装だから目立つ目立つ。
「人間モードが良かったかな?」
「ブロンドに合わせて着物選んだんだから、そのままで良いわよ。」
小声でボソボソ。いくら外見を女性化したって、声は男。バレないかドキドキ。
お詣りして、御神籤。
「あの~、失礼ですが、モデルやられてた凛さんですか?」
あ、バレた。でも、小声で話しかけてきたから、周りは気がつかない。
「写真、1枚良いですか?」
「良いよ、一枚ね。」
蓮が答える。まだ、この人は良い方だ。遠巻きから、携帯で撮られてるのが分かってたから。
「さて、この後どうする?」
「私と健太は、モールに行くわ。降ろしてくれたらタクシーで帰るから。」
「家の鍵、わかる?」
「うん、大丈夫。」
「俺達も行きたい所あるから、適当に飲み食いしてて。」
ん?行きたい所?どこ?聞いてない。
「分かったわ。じゃ、モールまで宜しく。」
何処に行くか教えてくれない。何だよ、何で言わないんだよ。
華達を降ろして、何処かに向かう。向かうんだけど・・・分かった。この方向・・・。
「おい、ラブホ行くのかよ。」
「バレた?」
「バレたじゃないよ。着物着てんだよ?着るの大変!駄目。我慢するって言ったじゃん!」
「そんな姿みたら、萌えない訳がない。」
「知るかよ。帰るよ!」
「大丈夫。着替え持ってきた。」
いつの間に?
「だって、うなじ、エロいし、パンツ履いてないし。」
な、何でバレた?
「な、何で分かったの?」
「階段でヨロけた時、見えた。」
み、見逃さないな。エロ以外で俺を見ろよ。
「やっぱ、入るの?」
「もう定番でしょう?和服きたカップルのコース。」
そうだろうけど!だろうけど!
何時もの温泉ラブホに到着。やはり定番らしい。昼間なのに車多い。
「良い部屋空いてると良いけどな。」
「・・もう何処でも良いよ、やる事一緒だろ?」
ブツブツ言いながら、パネルの前。かなり埋まってる。
「和室、埋まってんな。あー此間のリッチな部屋空いてる。ここにしよ。」
皆んな、お盛んな事で。
「脱ぎ方、分からん。」
「脱がなくて良いよ。」
「はい?脱がないでやんの?汚れちゃうだろ?」
「ちゃんとクリーニングに出すよ。」
俺は出しに行かないからな。
着物の裾から、手を入れて来た。
「ん、手冷たい。」
「ほら、こっち向いて。」
甘いキス。蓮も和服似合って格好良い。少し乱れて色気もある。
俺も大概、蓮には甘いな。好きだから仕方ないか。
濡らした指が秘孔を弄る。着物を着たままだから、足もそんなに拡げられない。
「・・・あっ・・んっ・・・」
「凛、色っぽいよ。顔も紅くなってる。」
もどかしい愛撫に腰を斜めに上げて、指を受け入れる。
「はぁ、足も白くて和服に合うよ。」
裾が乱れて脚が見える。
「ん、あぁ・・ん、ゆ、指増やして。動かして?」
「今日は着物の所為かな?素直だし、身体も早いね熱くなるの。」
ガバッと無理やり足を拡げられた。下半身だけ、むき出しになる。
「あっ、ヤァッ!」
蓮が座ってる俺の脚の間に座り、俺のモノを咥えながら、指で秘孔を掻き乱す。
「ハァッ、ハァッ!ンンァッ、ハァッ、ア、アアッ!」
指が激しくピストンする。まだ何も脱いでない。脱ぐのももどかしい。
「んんっ、あぁんっ、れ、蓮!こ、このままで良いから、来てっ!」
濡れた俺のモノから顔を上げ、
「分かった。四つん這いになって?」
ベッドの上に乗る。裾を捲りあげ、双丘か露わになる。脚を開いて腰を突き出す。きっと秘孔も見えてる。解されて、ヒクヒクしてるのが分かる。早く蓮が欲しいと身体が訴える。
「肌が白くて、後孔が紅色でスゲ~そそるよ、凛。」
熱い蓮の昂りが当たる。身体が期待して震える。
ズッと内壁を押し分けて、体内に蓮が入ってくる。帯が少し苦しいけど、蓮の感覚に負けて気にならない。
「んあっ!ま、前から出ちゃうっ!」
射精感が強まる。着物、汚れちゃう。
蓮が俺のモノを手で包み、蓮の手の中に射精した。
「濃いね。溜まってた?」
「わ、分かんないよっ!もう、スケベッ!」
「今からもっとスケベな事するんだけど、良いですか?」
聞くなよ、そんな事!
ジッとして挿れたまんま、動かないから力を入れて絞めあげた。
「あっ、コラッ、動いて欲しいなら、言葉で言えって!」
「・・じゃ、動いてよっ!」
腰を蓮に押し付けながら、言葉にした。
「よし、分かった。メチャクチャにしてやる。」
腰と双丘を鷲掴みして、イキナリ激しく突き上げる。
「ヒィッ!アアッ!クゥッ!ンンァッ!」
「着物の後ろ姿観ながら突くのも中々良いなっ!」
「んっ、あ、あぁんっ、イ、イイッ!」
枕にしがみ付き、激しい腰の動きに悶える。
パンパンッと突き上げられ、悶え喘ぐ。
「あぁ、あっ、んっ・・ふぅっ!はぁっ!」
帯で仰け反れないから、ひたすら枕にしがみ付いて震える。
「ふっ、あっ、あ、あっんっ!イイッ!アァッ、気持ち良い!」
秘孔が熱くなる。蓮が抜き差しする度に捲れてカッカッする。
「な、着物プレイ、気持ち良いでしょ?」
「んっ、あぁっ、んん、良い、良いよぉっ!」
啼き声で応える。
「今日は本当、素直でエロ過ぎ!」
グイッと角度を変えて、中を抉ぐる。
「ヒィッ!アァッ、んっ、あっ、はぁっ!」
着物着てて、体位は変えられないから、スピード変えたり、捏ねるように腰を廻したり、俺の脚を閉じさせてねじ込んだりと手を変え品を変えみたいなSEXだ。気持ちよくて、恍惚になる。最初の抵抗が馬鹿らしく思える。
でも、中々、オーガズムにイか無い。ずっと蓮を楽しめるけど、今日はイキたい。
「あっ、あぁ、んっ、蓮っ、待ってっ!」
「何?」
自ら、腰を引いて蓮を体内から引き抜く。
「蓮座って?」
「ん、分かった。」
ベッドの上で胡座をかいて貰う。蓮も帯があるから、仰向けに寝れない。
蓮と向かい合わせになって、ゆっくり腰を降ろし、手で蓮の昂りを秘孔に導く。
「ん、今日は積極的だね。良いね。」
蓮の首に腕を回し、体重を掛けて根元まで咥え込む。
「・・はぁ、ん、う、動くから。」
ゆっくり腰を上下に動かす。良い場所に当たるように。首を持たれ、キスをしながら動く。
「んはっ、あぁっ、良いっ!蓮、蓮は?」
「最高。綺麗でエロくて、堪らない!」
俺の双丘を掴んで下から突き上げる。
「アァッ!んっ、イ、イイ!アウッ!」
2人で動いて俺の最奥を穿つ。
「ハァッ!あ、アウッ!ヴヴッ、うんっ!イ、イイッ!ハッ、ンッ!」
腹の奥から湧き上がる感覚。あぁ、やっとオーガズムが来る。夢中になって、2人とも激しく動く。
「んんっ!ああっ!く、くるっ!あぁ、イイッ!」
思わず、腰を止めてオーガズムを待ってしまう。あぁ、イクッと思ったら、引き抜かれた。
「あぁっん、イ、イキそうだったのに!何で?」
「俺が動きにくい。またバックから突くから。腰向けて。」
もう、着物はすっかり乱れて、肩も露わになってる。また突き上げて欲しくて体勢を変えて蓮に腰を突き出す。
「良い子。お年玉あげないとね。メスイキって言うお年玉。」
「ハァッ、んっ、頂戴っ!お年玉、欲しいっ!」
根元まで一気に突き立てられ、身体がビクンッと跳ねる。
ガンガン突き上げられて、再び湧き上がる感覚。
「ハァンッ、ハァッ、アァ、く、くるっ!」
「お年玉、受け取れよっ!」
更に激しく突く。
「イ、イク、イクッ!あっ、あぁっ!イクッ!」
ガクガクと痙攣が始まる。今からお年玉タイムだ。蓮も分かってるから容赦なく突き上げる。
「ンアッ!ハッ、アッ、ア、ンンッ!」
「ハァッ、よく絞まるっ!中も痙攣してるっ!」
「ヒッ、アッ、ま、またイクッ、アウッ、イ、イクよぅっ!」
口からは止まらない喘ぎでタラタラと涎が垂れる。前からもとどめなく体液が溢れる。
「んっ、ヴヴッ、ヒッ、イ、イイッ!」
「啼き声、イイね。ほら、もっと啼いて。」
「ハァッ!ア、アアッ、フゥッ!クゥッ!」
「今日は何回イケるかな?」
「ハッ、んっ、い、いつも分かんないっ!分かんない位、イってるっ!」
ガタガタと震えが止まらない身体。メスイキが止まらない。
「ウッ!ウウッ!アウッ、ウァッ!んっ!イ、イっちゃうっ!」
電流が身体を突き抜ける。バタバタと脚の痙攣が激しくなる。
「ヒッ、ハァッ!ンアッ!イってる、ずっとイってるっ!」
新しい身体は簡単に意識が飛ばない。だから、ずっと意識があるまま、メスイキを感じてる。
「ブルブル震えてるね。そんなに気持ち良い?」
「うんっ!あぁっ、イイッ!ハァンッ、ま、またイクッ!イクッ、イクッ!」
強すぎる快感。痙攣も激しくなる。折角の髪飾りも落ちた。
「うんっ!俺もそろそろ限界っ!出すよ、凛!」
「ウァッ!ンアッ、アァッン!だ、出してっ、な、中に出してっ!」
蓮が小刻みに震えながら最期の突き上げにかかる。もうすぐ腹の中に蓮が出してくれる。熱いモノを。
「ンッ!アァッ!ハァッ、イイッ!」
「ヴヴッ、出るっ!」
蓮の身体が跳ねて、腹の中にお年玉を放った。
「・・・お年玉ってよく思いついたね。」
蓮に着物を脱がせてもらって、今はマッタリと露天風呂。
「ん~、何となく。あぁ、姫始めだな。元旦だし。」
「それ意味違う。知ってる?」
「知ってる。オコワから柔らかいご飯に変わる時とか年初めの行事のことだろ?」
なんだよ、知ってんなら使うな。俺、姫じゃない・・・ネコだけど。
「知ってるけど、凛にはシックリくるじゃん。」
「うっさい。ネコだよ、確かにネコだけど姫じゃない。」
「じゃ、華にもそう言わなきゃな。」
クスクス笑うな。華に言えない事分かってる癖に。
「でも華、知ってんだろ?凛がネコって。」
「知ってる。知ってるからって親子の会話じゃないよ。」
ん~と伸びをして、温泉を満喫。体と頭洗いたいけど、編み込んでお団子にしてあるから、外せない。
「ほら、後ろ向いて。髪、解いてやる。」
「ん、ありがとう。」
優しいんだ。ほらね。こんな時、あぁ俺、蓮に惚れてるなぁって思う。
髪が解けて先に内風呂で体と髪を洗う。着物着たまま、エッチしたから汗ダク。帰ったらバレるけど仕方ない。蓮も露天風呂でのんびりしてる。
なんか本当に夫婦っぽい。もう10年超えるんだもんな。それでも蓮は馴れたりしない。愛情と優しさは最初と変わらない。(性欲も)
凛が、少しずつ。本当に少しずつだけど、肉体関係に抵抗が薄くなってきて、嬉しい。素直になればなるほど、気持ちよくなるんだから。身体を洗う姿も煽情的で美しい。老いる事も無いからずっと観られる。
「ただ今~。」
着物で出掛けて、スェットで風呂上がりで帰宅って、ヤッてきました。と言ってる様なもんだ。恥ずかしいから、蓮の後ろに立つ。
「ん、お帰り。夕飯、お節にプラスする位で良かったかな?おつまみも出すし。」
「あんがと、華、良い嫁になったな。」
蓮が代わりに言ってくれた。
「何、隠れてんのよ。今更、驚かないし、やる事は、皆んな一緒だわ。」
え?そうなの?よく見ると、華も普段着で風呂上がりだ。あら、そちらもですか。
「蓮達が、他に行ってくれたから、私達も久々にイチャイチャ出来たわ。ありがと。」
そうか、健太もかなり忙しいから夫婦でイチャイチャ出来なかったのか。
「終わりよければ全て良し。だな。」
まるで、同志の様に蓮と華が笑ってる。健太は、リビングで居心地悪そうに頭かいてる。
ま、お互いプライベートの時間が取れて良かったのか。ふむ。蓮はこれも計算の内だったのかな。
「着物回収するわ。腕の良い専門のクリーニングに出すから。」
いや、ま、待って。お父さん恥ずかしい位、汚してるからっ!待てって!
「あら、グッショリね。まぁ仕方ないか。」
ウウッ、恥ずかし過ぎる。
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