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第71話
後悔先に立たず。
蓮と約束した。裕太とは友達以上の関係を持たない事。うん。覚えてる。
2月に入り、蓮に1ヶ月の出張が入った。着いて行くか、悩んだけど、昼間独りぼっちで知らない街に居るのは結構寂しい。 まぁ、家にいても、両親は亡くなったし裕太くらいしか友達は居ない。
「本当に一人で残るの?」
「うん、トレーダーも有るし、慣れた環境が楽だから。でも、寂しくなったら行って良い?」
「あぁ、勿論。じゃ、気をつけてね。なんかあったら、すぐ報告して。」
そう言って、仕事に出た。
下世話な話だけど、蓮との夜の営みが増えて俺も性欲強くなったみたい。今じゃ殆ど拒否しない。3日に一度は、エッチしてる。
1週目、もう身体が疼く。1人で処理しても、満足出来ない。トレーダーの仕事も上の空だ。着いて行けば良かったかなぁ。はぁ。
「凛~、遊びに来たよ~!」
柔らかい声で童顔、ネコ仲間の裕太だ。離婚して、初めて抱いた人間。記憶無かったけど。
「ほら、新しいヤツ。可愛いでしょ?」
今や、ランジェリー愛好家と化してる俺達。なんと、今日は着て来てる。
「着てきたの?凄いな。」
「うん、寒いから厚着だし外から分からないでしょ?」
いや、事故とか急病になったらOUTだろ?
「うん、可愛い。ネット?」
「そう。男の娘用だからサイズあったんだ。」
無邪気にランジェリー姿を披露する裕太。
何か、気分が昂まって来たのが分かる。なんで?
次の瞬間、もう身体は動いてて、裕太を押し倒してた。
「凛?どうしたの?・・・もう、エッチな事しない約束したんでしょ?」
「・・うん。した。だけど、したい。裕太、抱きたい。」
「・・・駄目だ・・」
唇で、言葉を止めた。舌を裕太の口内に差し込む。裕太も俺の事好きだから、もう抵抗しない。ピチャピチャと深くキスを味わう。
秘孔に指をパンティの脇から入れる。もう柔らかくて、まるで準備してきたみたいに熱い。
「・・柔らかいね。自分でしたの?」
「・・・うん、殆ど毎日、アナニーしてる。」
フゥッと息を吐いて、指の動きにウットリしてる。俺のモノも、マックスになってるし、裕太は柔らかいし止められなかった。
「うぅんっ!はぁ!あぁん!凛っ!良いっ!」
腕の中で女の子みたいに喘ぐ裕太。脚を持ち上げ、キスが出来るまで身体を曲げさせて、ピストンする。
「あっ、んっ、ん、あー、あんっ!」
突き上げる度に甘い喘ぎ声をあげる。男として、男役でエッチするのは久しい。裕太の内壁が俺を絡めとり吸い付いて絞めあげる。
「ハァッ、んっ!裕太の中もスゲ~良いっ!」
「あぁん!凛の、凛の丁度良いから大好きっ!」
潤んだ瞳で俺を見つめる。ヌチヌチッとやらしい音と裕太の吐息混じりの喘ぎ声が響く。
ネコだから分かる弱点を攻めて、メスイキさせる。全身を痙攣させ、歓喜の声を上げる。
「ヒッ、ウウッ!あぁ、イクッ、またイっちゃう!」
何度かメスイキさせて、俺も限界。裕太の中に欲望の塊を吐き出した。
華の部屋で2人で休む。
「ね、蓮さんにバレたらヤバくない?」
「・・・うん。ヤバイ。」
頭の中じゃもう後悔の嵐。言い訳を必死に探してる。無いけど。
「蓮さん、いつ帰ってくるの?」
「月末。あと3週間はあるね。」
「凛、言わなきゃバレないよ。また、シヨ?」
「・・・分からない。何とも言えない。」
結局、それから数回、関係を持った。イケナイ事って分かってるのに、我慢出来なかった。
〔おーい、何で連絡出来ない時間増えた?〕
「買い物とかかな?携帯、忘れたりしてる。」
(嘘だ。裕太とSEXしてたからだ。)
〔夜に買い物?やめとけよ。トラブルに巻き込まれるだろ?〕
「そうだね。ん、もう夜行かない。」
〔昼間、買っとけ。忘れん坊だな。〕
電話の先で蓮の笑い声。辛い。蓮を裏切ってる。
あと数日で、蓮が帰ってくる。裕太は殆ど毎日来るようになった。SEXしなくても、泊まって帰ったりする。
携帯が鳴る。
ん?テレビ電話だ。
「もしもし、どうしたの?テレビ電話?」
〔最初は、テレビ電話だっただろ?最近しないから、顔見たくてね。〕
「うん、そうか、そうだったね。」
〔寂しくない?独りぼっちで。〕
「大丈夫。裕太も遊びに来てくれるし。」
〔・・・裕太、居るの?〕
「・・うん、居る。今日は泊まるって。」
〔おい、俺を見ろ、凛。〕
「な、何?見てるよ。」
〔・・・何か隠し事してない?〕
「隠し事?・・・。無いよ。」
〔嘘つけ。裕太出せ。凛に無いなら裕太に有るかもしれん。〕
裕太と代わる。裕太に詰問してる。裕太も蓮の迫力に負けて、俺をチラチラみる。
〔おい、凛、そこに居るんだろ?出ろよ。〕
「うん、代わった。何?」
〔口裏合わせても、眼で分かる。何か隠してんだろ?〕
「・・・・。」
〔明日朝イチの飛行機で、こっちに来い凛。会って話する。裕太は、今日は帰れ。〕
裕太は、もう帰り支度してて、電話中に帰った。
「裕太、帰ったよ。」
〔・・話せるか?会うまで、言わないか?〕
「・・・裕太とSEXした。数回。」
黙ってたって、いずれバレる。会って話しても良かったけど、早く楽になりたかったのかも知れない。
〔・・・・マジかよ。酒飲んだの?〕
「飲んで無いよ。シラフだ。」
〔約束忘れてた?〕
「覚えてた。忘れてない。」
〔・・・・浮気と一緒だぞ凛。俺がやった事の仕返し?〕
「違う。蓮の事は関係無い。・・だだ、SEXしただけ。裕太も割り切ってる。俺も。」
〔・・・謝罪もないのかよ。〕
「どうやって謝ればいい?ゴメンで済まないだろ?」
〔・・そうだな。とりあえず、明日来い、いいな。〕
重い足取りで、蓮の元へ向かう。許してくれるだろうか。蓮が居ない間に浮気した。言わなきゃバレない、そんな気持ちで。
「凛、こっちだ。」
俺が来るから今日は仕事休んだらしい。
「蓮、ゴメン。何いっても言い訳だけど。」
「ここで泣くなよ。大人だろ。ちゃんと話しする。」
近くの喫茶店で重い沈黙の時間が流れる。
「俺と別れたいの?」
「ち、違う!別れたくなんかないよ!やっと、やっと2人一緒になれたのに。」
「それが分かってて、約束破ったんだ。」
「・・・うん、どうしても止められなかった。1人で処理しても満足出来なくて・・」
蓮に嫌われる。1番怖い。尻軽なパートナーなんて要らないって言われたらどうしよう。
「抱いたの?抱かれたの?」
「・・・抱いた。」
「・・・・そっか、ハァ、俺にも責任が無くもないな。裕太を最初に抱かせたのは俺だしな。」
「・・・・。」
「裕太の事は、好きでもなんでもないの?」
「うん、恋愛云々は、無い。」
「裕太は、どうかな。昨夜、あの後裕太に電話した。」
「・・・。」
「裕太は、寝た理由が、凛と身体の相性が良い。ってさ。今後、普通に付き合えるか?って聞いたら、もうエッチしない。友達に戻るって。」
「・・・もう俺もしない。」
「信用出来るか!!馬鹿か?」
いきなり怒鳴られた。店内も一瞬、固まる。
身体が小刻みに震える。俺に対してこんなに怒った事がない。呆れて離れては行ったけど。
「出るぞ。行きたい場所がある。」
場所は、ラブホ。だけど普通のラブホじゃ無い。鉄格子や、診察台みたいなのや、鎖、手錠、足枷・・。拉致られた時に見た事がある物ばかりだ。
「良い思い出の数々だろ?」
わざと言ってる。言われても仕方ない。
「コレ、来て。」
渡された衣装に着替える。全部透けてて丸見えの赤い衣装。
「ほら、口開けろ。」
猿轡だ。手脚にも枷を付けて鎖で繋いでる。逃げられないように。
「いやらしい身体になったな。薬も使わないのに、もう半勃ちかよ。」
蓮に触れられるだけで、身体が火照る。目の前に大きなディオルドを見せつけながら、ローションを塗ってる。
「なぁ、入れる側と入れられる側、どっちが良かった?」
猿轡で声を出せない。蓮を見つめる事しか出来ない。
「俺はさぁ、やっぱ、入れられる側が向いてると思うんだけど、どうかな?」
蓮、何考えてる?分からない。多分、今からいたぶられると思うけど。それは構わない。それで蓮の気持ちが済むなら。
「身体に聴くかぁ。凛、喋れないもんな。」
解してない秘孔にボトルごと突っ込んで、ローションを腹に流し入れる。ローションが冷たくて気持ち悪い。
「じゃ、コレ入れてやる。大好きだろ?」
グイッと容赦なく挿入された。
「・・・!ンッ!グッ!」
痛みに喉から声が漏れる。涙も流れた。手脚をばたつかせるから、鎖が鳴る。
「痛いか?痛いか凛。俺もイテェーよ。裏切られて。」
ゆっくりと抜き差しする。
「フゥッ、フゥッ!」
慣れて来て、蓮も弱点を狙って突き刺す。
「・・・っ、クッ・・」
蓮の動かす玩具に合わせて腰が揺れる。
「ホント、淫乱になったな。前、ガン勃ちじゃん。」
身体が勝手に反応してしまう。特に蓮にやられてると分かってるから、受け入れてしまう。
「もっと気持ちよくさせてやる。二度と他人を抱けない位に。」
蓮の手元には、リモコン。カチッとスイッチが入ると腹の中にある玩具が、波打つ様に動き出す。
「コレ、男性用でさ、凛が大好きな前立腺刺激してくれるから。きっと気にいる。」
それでか、丁度良い場所に突起が当たる。
座ってるから、身体を動かすと床に玩具が当たり深く貫く。
「強くしてやるから、楽しめ。」
「・・・!ヴッグッ!」
内股になってガクガク震える。嫌だ。目の前に蓮が居るのに、玩具でメスイキしたくない!
「・・ふぅ!・・ん・・ううっ!」
何とか声にしたいけど、声にならない。腹の中で暴れる玩具の刺激も強すぎて震えが止まらない。
「やっぱね。ほら、もう前から白いの出てる。」
俺の閉じてた膝を開いて、蓮が言う。
「もっと強くしたらどうなるかな?」
カチカチッとスイッチを連打した。
「・・・‼︎グッ・・」
ブルブル震える。一際大きくうねる玩具。膀胱も押されて漏らしそうだ。股を閉じて、我慢する。前立腺も激しく擦られて、もうナカイキする!
「ふぅ!・・ンッ!」
痙攣が全身を駆け抜ける。同時に股の間が熱くなった。
「あ、いけない子だな。お漏らししたか。」
衣装も濡れ、座った尻の下には水溜りができた。その間もビクンビクンと身体が跳ねる。玩具を止めない限り、メスイキが続く。
もう、どの位、経ったのか。意識は飛ばないが、痙攣が止まらないから頭がボンヤリして来た。
蓮は、離れた場所で煙草を吸いながら俺を見てる。淫乱な浮気性の俺を見下してる。見下されても、抱き人形、SEXドール?構わない。蓮の側に居たい。
長時間挿れっ放しの玩具は激しい動きの所為でジワッと体外に抜けていく。
コトンッと小さな音を立てて、床に転がった。
「なぁ、凛。何で浮気した?寂しかったか?その場の勢い?」
蓮の瞳は、哀しい色をしていた。俺の所為で。俺の前にしゃがみ込んで、膝に触れた。
(蓮、蓮大好き。見下されても構わないから捨てないで!)
力が入らない身体だけど必死に想いを込めた。
「な、何だよ、狡いぞ。俺が凛を捨てられると思うか?二度と手放さないって誓ったんだ!」
涙を溜めた目で、俺を繋いでいた枷や猿轡、首輪に鎖を外した。
漏らして、汚れてたけど解放された瞬間、蓮に抱きついた。
「ごめんね、ごめん。蓮の好きなようにして?俺みたいな奴で良いなら側に居させて?」
「馬鹿だな。俺みたいな奴なんて自分を卑下すんな。俺も同じ穴のムジナだ。凛だけ責められる立場じゃないのに。」
「蓮が良い。玩具だけは嫌だ。」
「うん、そうだね。抱いてやる。凛は俺の物だ。」
ベッドに移って、蓮を受け入れる。
こんな哀しいSEXは初めてだ。蓮も涙を流してる。優しくて哀しいSEX。俺も溢れる涙を止められなかった。
玩具では届かない心の奥まで、蓮の温もりを感じた。
俺の身体は、長時間玩具に晒されたからか、蓮を受け入れるだけで、ガタガタと震えメスイキが続く。余りの震えと痙攣で、蓮は心配そうに突き立てていた。
「ごめんな、またやり過ぎた。」
「ん、大丈夫。蓮、優しいから。」
ベッドの上に、座って話す。肩には蓮のワイシャツを掛けてくれた。
「優しくないだろ。痛かっただろう?ごめんな。」
「蓮、謝らないで。悪いのは俺だから。」
「俺にも責任はあるよ。元来、SEXに淡白だったのに俺と付き合いだしてから変わったんだから。」
「・・・次からは一緒に出張行く。良い?」
「うん、勿論だ。」
優しく額にキスしてくれた。
俺を責める事もたいしてせずに、許してくれた。もう、俺も裏切らない。蓮の側に居れば良いだけなんだから。裕太とも、少し距離を置こう。可哀想だけど。
「裕太は、責めるな。アイツは、凛の事がずっと好きなんだよ。だけど我慢してちゃんと友達してたんだろ?裕太が誘ったの?」
「違う。俺から。・・・裕太も独りぼっちだから、ちゃんと話し合うよ。」
「それが良いね。4月になったら、面白い祭りあるから、裕太も誘って行こう。」
「蓮、優し過ぎるよ。一言しか怒鳴ってない。」
「それはお互い様だろ?俺ん時なんて身を引いちゃったんだし。」
「そか、そうだったね。忘れてた。」
「フフッ、ん、そうだった。さて、風呂入って帰ろか?歩ける?」
「うん、歩ける。ありがとう。」
地下鉄乗って、滞在先のホテル。
「後、4日か、残る?先に帰る?」
「残る。残るに決まってる。」
「そんな可愛い顔すんな。また押し倒すぞ。」
「ん?良いよ?」
笑いながら、セクシーポーズをとって、ふざけたら。
「今の言葉。本気だよね?」
鼻と鼻が打つかる距離に顔がある。
「うん、本気。」
大好きな人がちゃんといるのに、他人に手を出したらいけない。うん。いけないね。
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