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第74話
今日は、ロイが俺のアパートの近くに引っ越してくる。夜だけの生活が、これからは、人間みたいに昼夜問わず動ける。服だって、少しクラシックだったけど、総取っ替えして現代風に。本人曰く、ディウォーカーになったら、若干若返ったらしい。
「裕太!元気だったか?」
「うん!寂しかったけどもう平気!」
人が居ようが居まいが関係ない。10日ぶりの再会だもん。思いっきりハグをした。
「もっとかかるかと思ったけど、早かったね。」
「あぁ、協力者の皆が、色々手を回してくれてね。役所事とかスムーズに行ったから早かった。」
良かった。ディウォーカーになって殺される心配は無くなったけど、本当にロイがこっちに来てくれるか不安だった。
「あぁ、そうだ。土産があるよ。後で渡そう。」
「有難う!ロイが来てくれただけで、俺、嬉しいのに!」
「そんな可愛い顔するな。夜まで待てなくなる。」
「・・・待たなくて良いよ。夜なんて関係ない。」
ロイが俺の顎をクイッと上げ、唇を重ねてきた。
「業者さんが、片付けてる。取り敢えず、荷物、片付いたら裕太を頂くよ。」
「・・・ロイ。大好き!」
私はもう数百年生きてきた。沢山の愛しい人間を最期まで見届けて、少し疲れてしまった。そんな時に凛達と出会い、ディウォーカーを知った。時折、手を貸して関わったがまさか、自分がディウォーカーになるとは思わなかった。
それにこんなに若いパートナーは、初めてだ。まだ年は20歳にいくかいかないか、位の見た目と言動だ。ベッドの上で哀しく泣いていた彼は、今は笑顔が咲いている。
凛を美しいと表現するならば、裕太は可愛らしい。凛の持つ色香も持っている。
ディウォーカーになって更に強まった。だから、ディウォーカーの姿は普段させない事にした。
それから、重要な事。私は男性と付き合った事が無い。夜の営みのやり方もわからなかったが、裕太がリードしてくれたので、大体分かった。男色が、世間からどう見られてるかは、分かる。しかし、裕太はオープンだ。どこでも愛情表現をしてくる。最初の数日、戸惑ったが今はもう受け入れた。
蓮のいう、誰にも渡したく無いと言う感情も強くなったからだ。
「有難うございました。お疲れ様です。」
業者を見送り、段ボールの山を見ながらため息。今まで身体一つ、バッグ一つの生活が一転して荷物だらけだ。
ベッドだけ、整えてごろ寝した。数百年前、人間だった頃の事なんて覚えてない。
「ロイ~、お邪魔していい?」
可愛らしい客が来た。
「あぁ、いいよ。入ってくれ。」
「荷物凄いね。俺も手伝うよ。」
「頼むよ。機械類はどうも苦手だ。」
家財道具は、協力者がくれた物ばかりだ。本当に有難い。
「ベッドでかっ。キング?」
「あぁ、蓮からの引っ越し祝いだそうだ。裕太も居るし、このサイズが良いと言ってた。」
「凄いね。蓮は資産家だからプレゼントも桁が違うな・・・。」
何か後ろ手に持ってる。
「裕太も何かくれるのか?何持ってる?」
「あ、あのさ、まだ俺、あんまり収入無いから蓮みたいな立派な引っ越し祝い出来なくて。」
恥ずかしそうに、可愛らしい袋を出してきた。
「問題は金額じゃないよ。裕太。気持ちだ。」
開けて見たら、触り心地の良いタオル数枚。
「使い用があるのが、良いかなって思って。ごめんね。こんなんしかあげられなくて。」
「これ、買う時、悩んだんだろ?」
「え?うん。」
「触り心地とか、枚数とか。色とか。そんな風に考えてくれた事は素晴らしい贈り物だよ。」
「・・・ロイ、有難う。」
「こっちにおいで?1番のプレゼントを頂くよ。」
「ロイ・・。こんなに短期間で人を好きになれるんだね。ロイ、大好き。俺で良かったら側に置いて?」
「裕太に引き合わせてくれたガブリエルに感謝だ。こんなに愛しい者を与えてくれた。」
裕太を横にして、唇を合わせて可愛らしい身体を堪能した。
て、おい。なんでロイまで来てんだよ!って言いたいけど、もう裕太のパートナーだから仕方ない。裕太より付き合い長いから、余計、嫌なんだけどなぁ。
「ほら、凛!これ、ロイのお土産!可愛い!これ、凛にって!」
「あぁ、有難う。ロイ。」
「いや、まさかこんな倒錯的な趣味があるとは思わなかったよ。凛。」
俺も思わなかったよ。
「まぁ、見苦しい訳じゃないし、悪趣味じゃ無いな。」
「だろ?よく似合うんだよ。」
蓮、もう何枚写真撮ってんだよ。ロイも喋りながら、裕太を撮ってる。裕太は裕太で、ずっと惚気話だ。目の前にロイがいるのに。
「じゃ、帰るね!新しいの入ったらまた着ようね!」
「うん、またね。」
なんかドッと疲れたぞ。おい、いつまで撮ってんだよ。
「お?ロイのプレゼント、ガチで良いぞ。俺が買ったヤツと合わせたら出来上がる。」
「何が?何が出来上がるんだよ。」
「これ。ほら。」
黒のスケスケパンティ。良いご趣味をお持ちですな。
「タイトなワンピとガーターベルトとストッキングに、パンティ!コンプリート!」
馬鹿じゃないの?今日は、もう着ないからな。
「え~、着ないの?よし、じゃあ、脱がす。」
「ヤダ。風呂入る。ザンネーン。」
「ええっ、マジで?やんないの?」
「あの2人に当てられて疲れた。風呂入って寝る。」
「えー、Jr.は?俺のJr.はどうなるの?」
「セルフバーニングでもやって。」
バタンと風呂のドアを閉めた。
(あーんなにイチャイチャしてんのか。てか、俺達も最近は外でもイチャイチャしてるからあんな風に見られてる訳だ・・・。)
湯船に口まで使ってブツブツ。
まぁ、他人からどう見られたって構いはしないけど。
ようは、バカップルが1組増えただけか。
ガチャ。
(やっぱ、来たな。来ると思ったもんね。)
「お邪魔しまーす。」
「・・・暑くなるから、やんないからね。」
「まだ、言うか。諦めろ。」
「昨日もしたじゃんか。せめて1日空けてよ。」
「俺達だって、若いんだよ?アチラは、毎日なのに。」
「アッチはアッチ。俺達は俺達。俺だって頑張ってんのに比べるなよ。」
「・・・それ言われたら何も言えない。」
元気なJr.を余所に本体は、ショボ~ンとしてしまった。
仕方ないなぁもう。湯船から上がり、蓮のJr.を口に咥える。
「おっ!凛ちゃんがやる気だした!」
アホか。本番はやらんからな。
口と手で、愛撫してやる。本当、昨日も3ラウンド。3回だぞ。蓮が3回イクまで、俺は痙攣しっ放しなんだから、体力失う。
頭ん中で文句タラタラで、蓮を追い立てる。
「うんっ、ハァ、良いね。でも、そろそろ凛の中に入りたい。」
「・・・本日、休業中。」
「え?本番無し?無しなのぉ!」
無しです。早くイって下さい。
強めたり弱めたりバキュームしてやりながら手でも扱く。蓮は、顔が見えるように俺の髪の毛をかきあげる。
「凛のも半勃ちなんだけど。」
「・・・俺のはほっといたら萎えるから触るな。」
そんなぁ。とか言いながら腰を動かす。喉の奥まで、蓮のJr.が当たるけど苦しくない。口内も性感帯だから平気。味が変わった。強くバキュームすると
「うんっ!ううっ!ハァ、クソッ、出るっ!」
腰を強く押し付けて俺の口内に白濁したトロミのある愛液を放った。
蓮の事故の時分かったんだけど、血の交わりは出来ないけど、どうやら体液は大丈夫らしく、口から体液を摂取すると体力が回復する。蓮も、俺の精液飲んで回復を早めた。
なんかエロから離れられないんだけど。
そんな訳で、俺も疲れが取れた。ラッキー♪
「蓮と凛、もう10年以上付き合ってるのに、熱々だよね。」
夜の帰り道、裕太と手を繋ぎながら帰る。車でも良かったんだが、散歩には丁度良い距離だ。
「そうだな。見習わないとね。でも、私は裕太に夢中だから、嫌われないかドキドキするよ。」
「嫌わないよ!もー、そんな事は言ったらダメだよ。その、あれ、・・愛してるんだから。」
初めて裕太の口から、愛してると言う言葉が出た。いつも、大好きなのに。
「あぁ、そうだね。私も愛してるよ。」
夜、街灯の薄明かりの中で熱く抱擁して唇を重ねた。
「おい、あれ見ろよ!男同士でキスしてんぞ!」
「マジかよ!人間のクズだな。きたねー!」
「よし、俺達が町のクズを綺麗にしようぜ!」
数人の若い青年が、私達を取り囲んだ。襲うようだ。
「裕太は、壁から離れるな。私が片付ける。」
「ロイ、ロイ、怖いよ!」
手には鉄パイプや、警棒を持っている。痛めつけるだけにするか、殺すか。
「何やってんだ。カス共!」
「蓮!どうした?」
「コンビニに行こうとしたら、騒いでたから来てみた。裕太、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。」
大丈夫じゃない。怯えて私の影で震えてる。
「おい、ホモが1人増えたぞ。清掃だ!」
若者が1人吹っ飛んだ。
「残念、増えたのは2人だ。」
冷たい顔をしながら、次々に若者を叩きのめす。
「裕太、怖いのは分かる。だけど、いつか裕太も戦わなきゃいけない時もあるから。忘れないで?」
優しく凛が言うと2人とも手をヒラヒラさせてコンビニに行った。
「大丈夫か?帰りに何かスィーツ買って帰ろうか?」
「・・・スィーツ要らない。ロイの所に泊まりたい。」
「・・わかった。じゃ帰ろうか。ほら、手。」
再び、手を繋いで夜道を帰った。
本来なら、裕太はディウォーカーに不向きだ。穏やかな性格で争い事が苦手。特に喧嘩や乱闘は嫌いらしくテレビで観るのも嫌らしい。処分、要は殺される事を回避する為にディウォーカーになったのだ。神の慈悲でもあるが、裕太には辛い選択だ。
「もし、裕太に用事とか無いなら、数日、私の所に居なさい。そんなに怯えているのに1人に出来ない。」
「え?ロイの家にお泊りして良いの?」
「良いよ。当たり前じゃないか。パートナーだぞ。」
「うん、ありがとう。お言葉に甘えてお泊りします。じゃ、先にアパート寄って荷物取ってきて良い?」
「あぁ、良いよ。どうせ前を通るしね。」
「やっぱり、戦えるようにならないと駄目だよね。」
私の家に来て、肩を落として呟く。
「そうだが、焦ることはない。あの2人だって最初からプロだった訳じゃないさ。」
「うん、そうだけど今のままじゃ、皆んなのお荷物だよ。」
「大丈夫。そうだな。何か習ってみたらどうかな。武器に見立てて。あぁ、そうだ、日本には剣道と言うのがあるだろう?あれはかなり良いと思うが。」
「そっか。剣道なら冷静に考えながら、戦うもんね。あー、でも道具揃えなきゃいけないや。うーん。余裕ないなぁ。月謝も払わないといけないし。」
「道具なら、引っ越し祝いの御礼にプレゼントするよ。月謝だけ払えば良い。」
「あんなタオルの御礼が道具一式なんて、釣り合わないよ。」
「そうか?剣道習って、強くなるならば、充分に釣り合うと私は思うよ?」
「うーん、そうか。俺が頑張れば良いのか。」
「そう言う事だな。」
何やら、誰かにメールをしてる。
「お古で良かったら、蓮が道具一式持ってるから、道着だけ買えば?って。」
「ほう、蓮は剣道してたのか。なるほど。だからあんなに、劔の扱いに慣れていたんだな。」
「良かった。出費も抑えられたし。良い友達持ってて良かった。」
「あぁ、そうだ。良かった。後は裕太の鍛錬次第だな。」
「うん!頑張る!折角、ディウォーカーって選択させてもらって何も出来ないのはやだから。」
「確かに少しふっくらしてるからな。引き締めて鍛えるのも良い。」
「あ、それ、俺がおデブって事?」
「いや、デブじゃ無いけど筋肉は少ないかな。私は今の方が触り心地が良いんだが、こればっかりは仕方ない。」
裕太の上着を剥ぎ取る。
「ほら、この辺とか、この辺りも柔らかくて大好きだ。」
「んっ、ロイのエッチ!いきなり始めるの。」
「私はいつだって、裕太と繋がりたいよ。」
「ふふっ、毎日繋がってるのに?」
「あぁ、そうだ。まだ足りない。」
裕太を生まれたままの姿にする。筋肉の上に薄く脂肪が乗って、柔らかな曲線の身体だ。かと言って、女性的では無い。少年の成長過程のようなしなやかさがある。肌も美しく張りがあり、舌触りが良い。
「ん、ハァ、ロイッ、全身舐める気?」
「あぁ、味わいたいね。隅から隅まで。」
裕太のソレは、ゆるりと勃ち上がっている。
「裕太、今から味わおうと思うが、前が良い?後ろが良い?」
「・・・う、後ろっ!」
「わかった。裕太の大好きな後ろを味わおう。」
「や、言葉にしなくて良いっ。」
健康的な肌の奥にある秘孔に舌を這わす。こちらに引っ越してから、毎日交わるからもう柔らかい。本当はもっと深く激しく交わりたいのだが、裕太は敏感で酷く痙攣するので我慢している。
「あ、あぁんっ、ロイッ!来て!大丈夫だから!」
「わかった。今、裕太の中に入るよ。」
ゆっくりと挿入する。裕太は、身体をくねらし、震えながら受け入れる。
「あぁっ、んんっ、はぁ、ロイ、ロイッ!」
根元まで入ると裕太が落ち着くまで待つ。裕太が腰を揺らし出したら、動いて良い合図だ。
腰を押し付けて来た。静かにピストンを始める。
この部屋は、蓮の紹介で決めた部屋だ。第一条件は、裕太のアパートの近く。第二は防音。凛の声は知らないが、受け身の男性の声はかなり大きい。裕太もそうだ。
「うんっ!あ、アアッ!ヒッ!イ、イイッ!」
最初は、意識して声を堪えているが交わりが進むと抑えが効かない。
「アアッ!うんっ!はぁ、はぁ、アッ!あー!」
裕太のしなやかな身体が仰け反る。前は全く弄らなくても、秘孔だけで彼は絶頂まで行く。毎日、交わるというのに、裕太の秘孔も緩むわけでは無く、絞めつけも強く吸い付き、女性との交わりと全く違う快感がもたらされる。
「裕太、裕太。愛しているよ。もっと、もっと愛したい!」
「ゔわぁっ!アアッ!んっ、ロ、ロイッ!俺も愛してる!」
私の突き上げに息も絶え絶えに、応えてくる。可愛らしく愛おしい。
裕太の中が一際、絞めあげてきた。オーガズムが来そうだ。脚もガクガクと震え出した。
「ハァッ!ハァッ、イ、イクッ!ロイッ!イクッ!」
痙攣が、裕太の身体を揺らす。
「あー、んっ!ハァッ!も、もっと!もっと!」
痙攣が辛そうだが、かなり気持ち良いらしい。私もまだ果てる訳にはいかない。裕太の中を抉り、掻き乱す様に突き上げ、腰をぶつける。
「クゥッ!ハァ!アァン!イってるっ!イってるよぅ!ハァ!イイッ!」
突き上げる度にビクビクッと脚や身体が跳ねる。
「ハァッ、ンアッ!ヴヴッ!アンッ!ロイッ、ロイ気持ち良い?」
「あぁ、堪らないよ。裕太の中は最高だ。」
私もディウォーカーになって、敏感になった。昔はこんなに早く無かったんだが。
「ハァ、裕太、私もイキそうだ!イって良いか?」
「うんっ!来てっ!ハァ、な、中に中に頂戴!」
一際、強く突き上げ、裕太の身体を貫く。裕太の身体がベッドから浮き、電気が走ったかの様に悲鳴と共に引きつく。
「アアッ!出るよ、裕太!」
「ヒッ、うんっ、あぁっ!」
裕太の中に私の欲望の塊を吐き出した。
「ハァ、ん、ロイ、ロイ大好き。」
「あぁ、私もだ。愛してる。」
裕太が身体を鍛えて体力がついたら、もっと深く激しく交わりが出来るかな?と、あぁ、まるで蓮の様な思考になって来た。
ベッドの中。
「裕太が剣道ねぇ。俺、余計な事言ったかな?」
「いんや、真実を言っただけだよ。確かに今のままじゃ、悪いが使えない。」
「うん、さっきの程度でかなり怯えてたもんね。」
「剣道は、良いよ。精神も鍛錬出来る。」
「鍛錬したら、蓮みたくエロ魔人になんの?」
「・・・なんねーし。てか、裕太、鍛錬前からエロいわ。」
「確かに。毎日って、飽きないのかねぇ。理解し難い。」
「いや、そこは理解して。お願い。」
「毎日なんてやだよ。頑張って回数増えたでしょ?」
「中身が薄いよ~。もっと濃く!」
「一晩、3発やっといて薄くないだろ!身体が持たんわ!」
確か、ロイも我慢してる云々言ってたな。毎日してんのに。なんか裕太の身体が心配になって来た。
裕太も、剣道を習いだし戦力になろうと頑張っている。4人だったディウォーカーが6人になった。ここの所、大人しかったアイツらも、動き出すかも知れない。
裕太、頑張れ。拾った新しい生き方を活用するんだ。
弟分で可愛らしい裕太が、意外や意外。剣道から目覚ましく才能を開花させ、華に次ぐ第2の戦闘能力の持ち主になるまでもうすぐ。
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