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第79話

   ゆっくり、回復する凛。  俺も精神的に追い込まれていて、ロイのアドバイスとか受け付けなかった。今はもう大丈夫。  まだ、完璧な回復じゃないけど、喋れるし、喰える。まだ、足元がおぼつかないから、外出は車椅子だけど、すぐに外せるだろう。  でも、最近、なんか空気が気まずい。  夜、いつも通り一緒に寝て時たま、エッチする。勿論、激しくはない。回復の為にやってる。  今夜も、頑張ろうかと、誘うと  「どうせ、リハビリの為にやるんだろ?もう、そんなエッチしたくない!」  怒って背を向ける。もう何回目だろう?  「何が、気に入らないんだよ、言わなきゃ分からないよ。」  「蓮が気がつくまでやらない!」  毎回、こんな調子だ。困ったな。  相談できる相手は、1人しか居ない。  「・・・って感じなんだよね。もう、どうしたらいいか分かんなくて。」  「なるほど。凛らしいな。恥ずかしいんだろう、言いたくても言えないだけだと思うんだが。」  「言いたくても言えない?うーん、何だろう。」  「蓮も大概、鈍い奴だな。凛は、ふ・つ・う・の営みがしたいんだよ。リハビリじゃなくて。もう、そこまで回復してるんだよ。分かるか?」  「だってまだ、数メートルしか歩けないんだぞ?普段のSEXしたら、身体に負担が。」  「本人は、普段の方を求めてんだ。蓮が加減すれば済む話だ。」  「はぁ、そうか。ブレーキ効くかなぁ。自信ねーよ。」  「もっと理性を鍛えろ。全く。」  日中は、椅子や壁を伝って歩くリハビリを1人でやってる。少し前までは、補助してたけど、しなくていいって、言われてリビングを片付けて広くしてから、1人でやってる。  俺はその間、サボっていた投資の仕事をこなす。  流石に風呂は危ないから一緒に入る。  また、不機嫌オーラ。  「ね、今夜、しよ、凛。」  「ヤダ。しない。」  「俺のJr.が悲鳴上げてんですけど。」  「1人で処理して下さい。」  「やだね。何で、パートナーが目の前にいるのに、1人でやんなきゃいけないんだよ。」  「だって、どうせまだ怪我人だしね。お相手勤まらないだろ?」  「そう?そろそろ、普通のエッチ出来ると思うけど?」  「・・・・出来ると思ってる?」  「うん。多少、凛の体力使っちゃうけどね。たまには疲れちゃう位、楽しんでも良いんじゃない?」  俺に背を向けて湯船に使ってた凛が俺の方に向き直って  「・・・じゃ、良いよ、しよ。」  顔を赤らめて頭を肩に預けてきた。  ロイが言ってた通りか。普通のエッチしたかったのか。ふむ。  風呂からベッドまで、お姫様抱っこ。筋肉もついて、ズッシリと重くなった。まぁ、それでも軽い。元々軽いからな。  凛は俺の首に腕を回してピッタリくっ付いている。めっちゃ可愛くない?  ベッドに優しく降ろすと、もう臨戦態勢の俺のJr.をみて  「ホント、元気だよね。」  クスクス笑う。約8年だぞ。リハビリのエッチを除けば、SEXらしいSEXは。  石鹸の良い香りと元来の凛の甘い体臭も重なって、クラクラする位、惹かれる。  凛のJr.もしっかり勃ってる。  「では、戴きます。」  「もう、ムードとか無いんだからなぁ。」  五月蝿い。普通にやるって決めたんだから、オレ流でやる。泣いたって止めない。  「んっ、はぁ、んんっ、れ、蓮、あぁっ!」  口で、2回イかせた。  「次は、何処が良い?言って?」  「・・・蓮のエロ!・・・う、後ろ。後ろが良い。」  「了解。」  凛をひっくり返し、腰を持ち上げる。白い双丘の奥、紅色の秘孔がある。口で解す。  「ンアッ、ハァッ、んっ、蓮、イイッ!」  舌と指で念入りに解す。柔らかくなっても止めない。  「れ、蓮、も、もういいから、大丈夫だから来て!」  「駄目、まだあげない。指でイッて。」  「あうっ、ううっ、ンアッ!」  クチュクチュと指でピストンする。腰が揺れる。足の力が弱いけど踏ん張って受け止めてる。凛の弱い場所を執拗に刺激する。  「あぁ、アンッ!ううんっ!ハァッ、イ、イイ!」  凛が求めてたSEXだ。素直に身体の悦びを口で伝えてくる。そうか、いつもやってたリハビリのエッチは、物足りなかったんだな。  「んっ、ハァ、アアッ!もう、指、ヤァン。」  可愛らしい喘ぎで、俺を求める。  「分かったよ、今日は凛の好きなようにする。」  「ハァ、ん、あぁ、蓮。蓮っ!」  自分のモノを秘孔に当てがい、挿入する。  グゥッと仰け反り、俺が与える圧迫感を感じてる。  「もう、止まんないからね。凛。」  激しく突き上げる。蕩けた秘孔からローションと体液で、糸を垂らしてる。  「あ、あうっ!ううっ!ヒィ!あぁ!」  涙を流しながら、揺さぶられる。美しくて煽情的だ。堪らない。身体を重ねる毎に美しくなるのは気のせいだろうか?  いけない事とは分かってるが、正直、閉じ込めて誰にも見せたくない。  「んっ、あぁ、ふぅっ!うん、うぁっ!あっ、あ、く、来るっ!」  力強く突き上げる。眠りから覚めて、初めてのメスイキ。ガクガクっと身体が揺れる。  「うぁっ!イ、イクッ!イクッ、蓮!イクッ!」  悲鳴を上げながら痙攣する。凛の中も俺を搾り取るみたいに締め上げる。  「クソッ、凛、締まり良すぎ!もたない!」  「アアッ!もっと!もっと突いて!」  「ハァッ、うん、頑張るけどっ!」  こんなに求められるなら、リング付けとけば良かった。  何度かメスイキさせて何とか役目果たしました。はい。リング、使いますわ、次から。  「俺の方が、勤まらないかもしれん。」  「・・・ん?何で。」  「リング無いとヤッパ早い。凛を満足させる自信ない。」  「・・・・別に、そんなんしなくていい。」  「だって、今日なんか・・」  手で口を押さえられた。  「きょ、今日はっ!もう、恥ずかしいなぁ。今までリハビリでエッチしてたでしょ?」  「・・・。」  頷く。  「正直、生殺しだったの!わかる?俺か゛イキそうかな?と思ったら、蓮が先にイッて、中出し一回で、ハイ終了だもん。わかる?」  なんと、かなり前からじゃん。それでリハビリエッチはしたくないって怒ってたのか。  凛の手を取り、  「分かったよ、もうリハビリ、終わり。その代わり、手加減なしで、次回から戴きます。」  「て、手加減はして欲しい・・かなぁ・・。」  「それは我儘だよ。」  クスクス笑いながらお喋り。  疲れたのか、先に寝息を立てて凛が眠った。  満足して優しい寝顔だ。  ほんと、あの時ネックレスに触れなければ、凛は施設行きで、俺は干からびていただろうな。いかん、いかん。俺まで凛のネガティヴ思考になってどうする。俺のポジティブ思考を強めなきゃな。  携帯が鳴った。珍しい、ロイからだ。  「もしもし、珍しいな。」  〔多少、冷えてきたから、温泉行かないか?凛の体にも良いだろう。私と裕太だけでも良かったんだが、土地勘もなくてね。裕太が凛達も一緒が良いと言ってる。〕  「そうだな。温泉か。良いなぁ。行くか。ちょっと、待って。」  リビングでリハビリに励む凛に、声をかける。  「ロイ達が温泉行かないかーって。凛、行く?」  「んー!あー、行きたい!スィーツ付きで!」  「だそうです。聞こえた?」  〔あぁ、聞こえた。裕太と同じ事言ったな。面白いな。〕  「じゃ、俺が車出すから、日にち決めて?」  〔分かった、ありがとう。決めたらメールする。〕  「宜しく~。」  温泉か。良いね。凛が目覚めてから、数回ドライブには行ったが、温泉には入ってない。観光地だから、補助がいる入浴は難しかった。  「楽しみだな。温泉。」  「うん、楽しみ!」  軽く汗をかきながら、歩くリハビリしてる。交わって、回復は早いけど落ちた筋肉はやはり自分で付けないと交わって早めた回復をサポートできないみたいだ。  「あんなに深手を負ったのに死なずに回復するんだな。やっぱ不老不死だわ。」  コーヒー片手に、休憩してる凛に話しかける。  「でもさ、ガブリエルも、まー、ややこしい説明するから蓮も悪い方に考えたんだろ?」  「そう、そうだよ。魂が無いとかさ。ロイは流石に年の功だよな。深い眠りに就いてるだけだって言ったもんな。」  「そうなんだ。凄いね。」  「うん、魂と肉体は離れないから、ずっと蓮の側に凛の魂はあるってね。」  肉体は滅ばなかった。だから、帰る場所がある以上、魂も離れない筈だと。  「それをちゃんと受け入れてたら、凛にひもじい思いもさせずに済んだんだけどね。」  食事を止めて、凛を痩せさせてしまった。  「もう忘れたよ。蓮の作ってくれた食事は全部美味しいよ。」  凛の笑顔は何よりのエネルギーになる。  「よし、今夜何食べたい?」  「んー、ケンチキ。」  何だよ、そりゃ。  「おっはよーごさいまっーす!」  本当に20代後半なのか、裕太。テンションたけーよ。  日帰りでも良かったんだが、凛もゆっくり出来るように一泊二日で、近場の温泉地。でも、有名処。賑やかなのもたまには良いだろう。  「今から行くとこ、ちゃんとリサーチしたよ、凛!」  「うん、分かる。温泉プリン!」  「そっ!温泉プリン!それに、どら焼きに、シュークリーム!」  「うん、良いね!楽しみ♪」  何、これ、女子会?  「温泉が目的だろう?甘味ばかりじゃないか。私は馬刺しが楽しみだな。」  ロイ、言ってる事、矛盾してる。  「両方、楽しめるから。温泉忘れんなよ。因みに俺は蕎麦だな。うん。」  「あ、蕎麦街道あるよね!蓮さん。」  「うん、近くにあるよ、明日の帰りに寄りたいなぁ。」  「蕎麦か。良いね。美食温泉旅行だ!」  凛と裕太が、キャッキャッはしゃぐ。  「また、この風景が見れるとはな。神に感謝だ。」  助手席に座るロイが呟く。  「確かに。少し呪った時もあったけどな。」  そうだな、と前席の大人組は静かに笑う。  「次のカーブ曲がったら、美味しいソフトクリームがあるよ!寄りたい、ね、蓮!」  「わかった、わかった。トイレにも行きたいから休憩な。裕太、凛頼むよ。」  「了解しました!凛とは別の頼んで味比べしたいな!」  「うん、しよ、沢山食べると運転してる人が怒るから、分け合ったら平気だよ。」  「だって、凛、スィーツ制限かけないとマジ、太るぞ?」  「わかってるよ!デブデブ言うな!」  道の駅について、裕太が車椅子を下ろす。  凛は要らない、杖でいいと言ったけど、人混みで転ぶ方が面倒だ、と言って車椅子にした。  「恥ずかしいなぁ。もう、歩けるのに。」  「いいじゃん、凛。車椅子だったら、食べながら動ける。杖じゃ無理でしょ?」  「まぁね。じゃ、甘えますか。」  凛と裕太は、ソフトクリームに真っしぐら。ロイは、自然の綺麗な空気を満喫している。俺はトイレ。  あれ?見覚えのある顔。  「あ、華じゃん、何してんの?」  「ん、独り旅。」  おい、人妻が独り旅って。  「あれ、華、1人?」  凛も気がついた。  「どうした。独り旅なんて。」  「結婚も長くなると色々あるのよ。姫達もあったでしょ。」  「連絡なしで、帰郷なんて、心配じゃないか。」  「ご心配無く。」  指を指す方向に、健太が居た。ヘコヘコと頭を下げてる。  「今日、帰るわ。健太が迎えに来たから。」  何だよ、解決したんか。驚かせるな。  「ま、元気な姿、偶然だけど見れてお互い良かったわね。じゃ、またね、姫。」  だから、姫って呼ぶな。  「間も無くー到着しまーす。」  相変わらずハイな裕太。よっぽどロイとの旅行が楽しいらしい。俺が眠っている間も頻繁に通ってくれて自分達の事は後回しにしてた。  「まずは、温泉に入るか?」  「そうだね。もう手形は買わなくていいよ、あんなに回れないし。」  「分かった。とりあえず、泊まるとこに入るか。」  この温泉は山間にあるから、小道も急。重荷になるけど、車椅子で行動。階段は、蓮に抱かれて登る。  脱衣は自分で出来る。湯船まで裕太が手を引いてくれた。  「ゆっくり、ゆっくりでいいから。」  「うん、ありがと。」  昼過ぎで、客も少ない。  「うーん、気持ちいいね!」  「うん。最高。」  「なぁ、ロイ。この光景は、天国と思うか?」  「ある意味、地獄かもしれんな。」  俺らの知らないトコで、理性と戦ってるタチ2人。  公衆の場で、発情すんなよ。

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