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第85話

 もうテンも、ヨチヨチ歩きが出来る様になった。危ないから、余計目を離せなくなったけど、ちゃんと成長してるなぁって感じる。  時々、裕太や華達に預けて、2人でデートとか、まぁ、やる事やって時間を作ってイチャイチャもしてる。  「おっとっ!今日は、テン、不機嫌か。」  家の中が嵐。物が飛び交う。  「何でかな?ご飯もあんまり食べなかった。」  なんとか避けながら、会話する。  「うーん、病気じゃないとは思うけどね。」  ヒョイと天馬を、抱き上げる。  「よし、気分転換にドライブ行ってくるか。」  「もう、10時だよ。寝かさないと。」  「今のまんまじゃ寝ないでぐずったまんまだよ。ちょっと走って来るから、片付け頼む。」  「ん、わかった。テン、頼むよ。」  思ったより、直ぐに帰ってきた。  「俺のチビも寝つき悪い時はドライブ行ったらすぐに寝たんだ。テンも、直ぐに寝たよ。」  蓮の腕の中で、スヤスヤと眠る天馬。  「そっか。わかんなかったな。ちょっと調べたけど、やっぱ、成長過程の1つみたいだね。グズるの。」  「だね。心の成長だな。ま、いよいよ能力のコントロール教えなきゃいけない時期に入ったって事だな。」  最近は、よく能力を出す。  「ダメ、天馬。良くない!」  どうやって、教えたら良いんだろう。叱れば余計、酷くなる。  「どら、こうしてみよう。」  なんと、飛び交う物の中に天馬を放り出す。  自分で飛ばした物が、当たり泣き出す。  「ビャー!マンマー!パーパー!」  「痛がってるよ、蓮。もういいよ!」  「大丈夫、怪我は大したことない。痛みを覚えなきゃ駄目だ。」  見てて辛い。  「蓮、もういいよ、血流れてる。」  「凛が泣いてどうすんだ。強くなれよ。」  天馬を抱き上げる。傷口はすぐに消える。俺の能力が遺伝してるみたいだ。  「痛かったね。ブンブン、もう、止めようね。」  「マーマー、マーマー、っこ、っこ。」  泣いてる俺をヨシヨシする様に撫でて来る。  「何だよ、テンの方が強いじゃないか。テンにヨシヨシされてる。」  「うん、俺が弱過ぎなんだよね。テン、ありがとな。」  それから、心を鬼に出来てるかは分からないけど、能力が出たら、物が飛び交う中にテンを置く。  物を飛ばして人に当たったらどうなるか、体に覚えさせるしか、出来ない。  数週間もしたら、物覚えも良いのか、能力を出しても堪えるみたいな顔して、すぐに止める。  「テン!良い子!よく我慢したね!」  少し大袈裟位に褒める。抱き上げて、抱きしめて。  「マーマー、マッ!マッ!」  うん、何言ってんのかわかんない。  「お、いらっしゃい。」  裕太とロイが遊びに来た。  「はい、お土産。」  「いつも、悪いね。なんか、当てにしてるみたいで。」  「いえいえ、テンと遊びたいんだ。テンは?」  「部屋中、ウロウロしてるよ。」  「もうそんなに歩けるのか。早いね~。」  「うん、能力もコントロール出来始めた。」  「へぇ、凄いじゃないか。まだ、2歳にもならないのに。頑張ってるな。凛。」  「うん、蓮がしっかりしてるから、蓮の真似してやってる。」  「お、いらっしゃい。」  仕事部屋から、蓮が出てきて挨拶。  「蓮のサポートで、スクスク育ってるな。」  「あぁ、俺は大したことしてないさ。凛が頑張ってんだ。」  テンは、裕太達が来たからハイテンションで、1人運動会。ヨチヨチながらも走ったりして興奮してる。  「何だよ、抱っこ出来ないじゃん。」  「暫くしたら、落ち着くよ。裕太達が来て喜んでんだよ。」  少しでも、動けるように部屋は基本、扉開けっ放し。  テンが動き回ってる内に、スィーツタイム。  「ん、美味いな。やっぱ、あの店は確実だね。」  「たしかに。新作も美味いもんね。」  ロイと蓮は、コーヒータイム。  なにか寝室でガサゴソ。  ん?寝室にオモチャ置いてあったっけ?  まぁ、気にせず、お喋りとスィーツを楽しんでた。  「パーパ!パーパ!」  場の雰囲気が凍る。  次の瞬間は、爆笑だ。俺は恥ずかしくて顔から火が出そう。  テンが持ってるのは確かにオモチャだ。オモチャはオモチャだけど、玩具の方。  蓮を睨みながら、テンから玩具を取り上げる。  「俺、言ったよね。鍵掛かる引き出しに入れろって。」  「わ、忘れてた。ごめん、ごめんって。」  「ごめんで済むなら、警察要らんわ!」  蹴りをかます。  「まぁまぁ、喧嘩やめて、ほらテンが見てる。」  ゔゔ、本当はもっとボコりたい。裕太達だから良かったけど、他の客の時なら笑えない。  爆笑が暫く続いて、満足気に2人は帰宅。  「もうね。暫くマジで、エッチ禁止。」  「何でだよ、事故じゃん!」  「あのさ、いくらテンがまだ幼くても、何でも有りじゃない訳。これから、質問の嵐の時期だよ?喋れるようになったら、家での事、外でも話すよ?わかる?」  「・・・うん、わかる。」  「家にチ◯コのオモチャあるとか言われたらどうすんだよ。」  「・・・困る。」  「だろ?だから、片付けといてって言ってたんだよ。なのにしてなかったから、事故ったんだろ?」  「・・・はい。」  「捨てるか、片付けるか、どっちかにして。」  あーあ。ガチで凛がお怒りになられた。  「おい、テン。お前、やったな。お前がやらかした所為で、暫くママに触れないんだぞ。分かってんのか?はぁ。」  「何言ってんの。テンは悪くない。」  あ、聞こえてた。  「なぁ、許してよ~。」  「・・・これが初回だったら許すよ。2回目だよね。」  そうだ。2回目。  数日前、出しっ放しのローション(バック専用)をぶちまけて遊んでた。  「静かだな?どっかで寝てる?」  家事してて、凛も目を離してた。俺は仕事。  「んー、華の部屋にも居ないな。寝室かな?」  「うわっ!マジかよ!」  寝室から、叫び声。  「な、何?どうした?」  凛の顔、怖いです。視線の先には、ローション塗れのテン。  「なっ。なっ!」  ヌルヌル遊び、まだ早いよ。テン。  「俺、風呂入れるから、キ・レ・イ・にしててね。」  「・・・はい。すいません。」  俺だけの所為か?2人で使うんだから、俺だけじゃないだろって言いたいけど我慢。  数日前。はい、今回は完全に俺が悪いです。  「ね、禁止ってどの位?」  「さっきの今で、もうそんな事を考えてんの?反省してないじゃん。無期限!」  うう、またドジった。  これは、作戦練らないとマジで、オアズケだ。  「な、温泉行かない?家族風呂。」  「いきなり、なんだよ。」  「ほら、ココ。普通1時間くらいだけど、2時間借りれるから、慌てなくてゆっくり入れる。」  「ん、どこ?へぇ、脱衣所の横に小さな休憩室があるんだ。いいね。うん、行こうか。」  ヨシ。テンは、風呂上がったらねちゃうんだよね。  「えらくご機嫌だね、蓮。」  「だって、久々じゃない?3人でお出かけ。」  「そういえばそうだね。公園くらいしか行ってないね。」  フフンッ。凛も絶対ノッテくる。だって、男だもん。溜まってるはず。  「あー、もう、テン、ウトウトしてるよ、洗いにくい。」  お、良い子だな。寝ろ、寝ろ。  「ふぅ、先にテン洗って正解。部屋で熟睡してる。」  「じゃ、次、俺の時間ね?」  「はい?何言ってんの?」  「2人っきりで、風呂だよ?わかる癖にぃ。」  「・・・無期限だな。」  「え?まだ解除無し?」  「無し。」  「凛だって溜まってんだろ?な、スッキリしよ?」  「俺、ちゃんと1人で処理してる。」  マージーかーよー。なんの為の温泉だよー。  _| ̄|○  「ま、まぁ、1人で処理しても満足はしないけど。」  なんと!  凛に抱きついて早速、身体に触れる。  「あ、柔らかい。」  「それ以上、言ったら中止な。」  はいっ!  戴きます!  帰りの車内は、凛とテンの寝息が聞こえるBGM。  うん、温泉作戦、成功!  多分、エッチしたくて、温泉探したな。  はぁ、まぁ浮気されるよりマシかな?作戦見え見えだけど、乗っかってやるか。いつも助けて貰ってるし。ウキウキしてる蓮。まぁいっか。

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