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第18話
やはり俺の予感は当たっていた。
ほどなくして、あおたんは1年女子と付き合い始めた。
あおたんは彼女と待ち合わせ、俺や翠とは一緒に登校しなくなった。
しばらく学校はあおたんカップルの話で持ちきりだった。
確かにキレイな女の子だった。
あおたんと並んで歩いているのを見掛けると、お似合いというかしっくりくるというか・・・
まあこれが正しい形だよな?
俺は自分に「俺は木だ」と言い聞かせた。
しかし、たまに学校で会うと、あおたんは相変わらず「龍ちゃーん」とじゃれついてきて、俺をどぎまぎさせた。
そして彼女の方も、あおたんが俺と幼馴染でとても懐いていることをわかっているようで、俺にまで親しげに話しかけてくる。
でも、俺は気づいてしまった。
彼女が俺に親しげに接するたび、あおたんがちょっと嫌そうな顔をすることに。
あおたんでも妬いたりするんだな。
何も心配する必要なんてないのに。
それ以降、あおたんは割と短いスパンで付き合う女の子が変わった。
もういちいち俺に報告してくることもないが、俺の背が高くて見晴らしがいいせいなのか、
俺の視力が良すぎるせいなのか、校内にいるあおたんをすぐ見つけてしまう。
あおたんが誰と付き合おうと、やっぱり俺にとって天使であることには変わりなかった。
2年ももうあと少しというある日の下校時、翠が言った。
「蒼ね、また彼女が変わったみたい。あの子、ほんとに長続きしない。もう5人目だよ?」
「そうなのか。そんなにチャラいわけじゃないのにな。なんでだ?」
「なんか見ててもね、全然恋愛してるって感じじゃないのよ。あの子、女の子から迫られて、特に好きでもないけど嫌でもないから受け入れてるんじゃないかしら」
「まあ、きっと女子が押しまくってるんだろうけどな。文化祭の蒼のクラス、蒼がいるから王子喫茶することになったんだろ?しかも写真撮影2時間待ちって完全にアイドルだったな」
「でも押しまくられたから付き合って、やっぱり合わなかったからごめん、を繰り返すのってあんまり誠実じゃないよね?」
普段翠とは恋愛関係の噂話ぐらいしかしたことが無かったから、翠の価値観を聞くのは新鮮だった。
「まあ、それで蒼が幸せなのかどうなのか、だよな」
確かにあおたんの付き合う女の子は、ちょっと気の強そうなところ以外全く共通点が見いだせない感じだ。
翠の言うように、強く蒼に迫ってきた子を拒んでいないだけなのだろうか?
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