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第68話 俺のサムライ 6(俺だけのサムライ)
目を覚ますと、すぐ横に龍ちゃんの寝顔があって嬉しくなった。
男らしい彫りの深い顔立ちにキリリとした眉。
少し髭が伸びているのがワイルドな感じだ。
あの少し伸びかけの髭のまま、ネッキングされたり唇で体を愛撫されたりするとザラザラとした刺激が加わって興奮しちゃうんだよな。
そこから昨夜の情事に記憶が飛ぶ。龍ちゃんの惚れ惚れする男らしい体、龍ちゃんの欲に染まった瞳、龍ちゃんのアレはまさに龍ちゃんそのもので大きくて鋼のように硬くて・・・むふふと思い出し笑いが出そうになる。
龍ちゃんが、「俺と付き合ってくれ」と言ってくれたときは、まさに天にも昇る気持ちだった。10年ぶりに再会した時よりも、もっともっと龍ちゃんを好きになっていたから、本当に嬉しくてどうにかなってしまいそうだった。
そして龍ちゃんとの初めてのセックスでは本当に俺は何度も昇天してしまった。
夢にまでみた本当に好きな人との行為に嬉しさで打ち震えたせいもある。
俺が龍ちゃんを求め、龍ちゃんが俺を求め、繋がって一つになって・・・
愛し合う者同士の行為はこんなにも喜びを感じるものなのだと知った。
龍ちゃんはセックスの時も優しく男らしい。俺は心も体も隅々まで満たされる。だから、もっとこういう機会があればいいのに・・・。
龍ちゃんと恋人同士になっても、お互いに忙しすぎてなかなか会えない。俺の仕事はかなり時間が不規則だし、龍ちゃんも出張が多い。月に3回抱き合えればいいほうで、慢性的な龍ちゃん不足だ。
それでも、龍ちゃんに再会する前の10年に比べれば夢のようだけど。
会えなくても心が繋がっているって感じられるから、待っている間も温かく穏やかな気持ちでいられるのだ。
横で眠っている龍ちゃんに抱きついて、逞しい胸に顔をうずめる。
龍ちゃんが腕を回して抱き返してくれる。目が覚めかけているのかもしれない。
よし、浅い意識の中に俺の望みを刷り込んでやろう。
「龍ちゃん、もっと会いたい。もっと一緒にいたい」
そう囁いたあと、胸いっぱいに龍ちゃんの匂いを嗅ぐ。ああ幸せだ、と龍ちゃんの温もりに包まれているうちに、また眠りに落ちてしまった。
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