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第69話
次に目を覚ました時にはもう隣に龍ちゃんは居なくて、慌てて起きるとダイニングでコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
俺は龍ちゃんの首に腕を回して
「おはよ。寝坊してごめんね」
とほっぺにキスをした。
「俺もさっき起きたばかりだ。朝食はパンとベーコンエッグぐらいしか材料がないけどいいか?」
「もちろん。俺も手伝うよ」
龍ちゃんがベーコンエッグを作る間に、俺はパンをトースターにいれ、プチトマトを洗う。
龍ちゃんは昔からトマトが好きだ。
横に並んで、皿にトマトを載せていると龍ちゃんが言った。
「蒼、こっちに越してくるか?そうすれば週に2回ぐらいは一緒に晩飯食えるだろ」
え?今、なんて言った!?
「いいの!?ほんとに?ご飯もそうだけど、俺、龍ちゃんとエッチしなくても一緒に眠るだけでもいいんだ。あ、もちろん、セックスももっとしたいけど」
「朝からあけすけな奴だな。でも、お前の職場は乗り換えが必要になるから遠くなるぞ?」
そんなの大して変わらない。嬉しすぎる。
刷り込み大成功!!
そこであれ?と思う。
「龍ちゃん?起きてたの?」
龍ちゃんはわずかに口角を上げた。
「さあな」
俺はトマトを放り出し、龍ちゃんに飛びついた。
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