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件のぬいぐるみ

麗彪(よしとら)side】 受け身である事が多い美月(みつき)が、嫉妬を自覚してから積極的に俺に抱き付いてくる。 やべぇ・・・可愛過ぎる・・・。 風呂に行く時も、いつもなら俺から手を伸ばして抱き上げていたのに、美月から抱っこをせがんできた。 あー・・・ほんと可愛い・・・。 「麗彪さん」 「んー?」 「新名(にいな)さんと仲よししてたのに、じゃましちゃってごめんなさい」 「仲良しなんてしてないから気にすんな。あと、美月なら何しても邪魔じゃねぇから」 (むし)ろ新名が邪魔なんだ。 美月が気に入ってるから仕方ないが、美月が抱いてる狐のぬいぐるみも邪魔だ。 こいつ、カメラだの盗聴器だの仕込まれてねぇだろうな? 念の為、後で確認しとくか。 「なあ、後でちょっとそいつ見せてくれ」 「まどか?いいよ」 「・・・改名しないか?」 「かいめい?」 美月が抱えて来たぬいぐるみとモンスタートラックを俺の部屋に置き、着替えを持たせた美月を抱き上げて風呂へ。 他のプレゼントは後で新名が運んでくるだろ。 髪と身体を洗ってやりながら、自分も洗って湯船に浸かる。 広い(ひのき)風呂だから、マンションの風呂みたいに膝上に乗せず、好きに入らせる。 美月も、いつも自由に広い檜風呂を楽しんでたんだが・・・。 「今日はそこに座るのか」 「ん。だめ?」 「だめじゃない」 美月が自分から、俺の膝上に座ってきた。 しかも向かい合わせで、俺の首に腕をまわしてくる。 まじか、とことん甘えてくれる気なんだな。 「キスしていいよな?」 「いいよ、いっぱいして・・・ん、んぁ・・・ふ・・・」 あ、だめだ、これじゃ足りねぇ。 「美月、足りねぇんだけど。ここでシていいか?」 「んっ、だめ・・・、のぼせちゃうもん・・・っ」 「えー」 指()れながら乳首しゃぶんのは、いいよな? 「ぁっ、ん・・・だめ、だってば・・・あぁっ」 「逆上(のぼ)せる前にやめるって」 結局俺が我慢出来ず、逆上せる前どころかすぐ風呂を出た。 美月の髪が濡れたまま、部屋の布団に押し倒しヤりまくったせいで、翌朝の寝癖が大変な事に。 少し怒られて反省した。 一緒にシャワー浴びてドライヤーかけてやった後、朝飯の前に件のぬいぐるみを確認する。 GPSが入っていた。 とりあえず抜いておく。 「美月、新名から何かもらったら、絶対俺に見せてくれ」 「うん、わかった」 GPSか・・・危ねぇ・・・。 盗聴器だったら、昨夜の美月の可愛いおねだりが聞かれるところだったな・・・。

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