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第104話

流石に三本も入れるとキツくなってくる。苦しいのか息を詰める奏真の表情は、腕で隠されてしまっていて窺い知れない。指先はなんとか動くので中を解すことはできるが、到底快感につながっているようには見えない奏真の様子に秀一は段々と不安になってきて恐る恐る尋ねた。 「奏真くん、平気?」 こくん、と小さく頷く姿は、あまり大丈夫そうには見えない。 そもそも奏真に後ろの経験があるのかも知らないが、久しぶりだと言っていた。いきなり最後までは難しいかもしれない。秀一は諦めることも視野に入れつつ、ローションを追加して滑りを良くした。 せめて前立腺が見つかれば。そう思ってゆっくりゆっくり中を解し、探っていく。何度か抜き差しするとかなり柔らかくなり、動かすのが楽になった。 三本も突っ込む前にもっと丁寧に探してあげればよかった。こういうところが俺ダメなんだろうな。気にするなって言ってくれたけど、やっぱ俺って下手?あ、やばい泣きそう。 「ぅあッ!…はあ……」 「えっ!?」 「………今の、とこ…」 「え、あ、ここ?」 「んッ!」 見逃してしまいそうな内部の小さな膨らみを掠めてやると、奏真の腰がびくんと跳ねた。あった、と秀一は安堵して、しつこくそこを刺激して中をとろとろにしていく。 「ん、んッ…はあ、あ……んくッ!」 何度も何度も指先でいいところをこすられて、十分に解れるころには奏真は息も絶え絶えだった。 「…………お前、しつこい。」 「えっ!?ご、ごめん?」 「も、早く…いいから…」 漸く見せてくれた顔は紅潮し、瞳には今にも溢れそうなほど涙が溜まっている。枕に散った薄い色の髪に乱れた息遣い、もうなにもかもが色っぽくて可愛くて、それでいて綺麗で、秀一はゴクリと生唾を飲んだ。 「う、後ろからの方が、楽だと…」 みっともなく上ずった声で告げると、奏真の手を取り身体を起こしてやる。奏真は大人しく身を預けて四つん這いの体勢になると、くるりと振り返ってじぃっと見つめてくる。 一言も発さず、そんな誘い方、 (ズルイから…ッ!!!) 秀一の愚息が危うく本番前に暴発しかけた瞬間だった。

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