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第2話

街をぶらぶらと歩いても、愉快なものはない。 どこを見渡しても似たような風景ばかりだ。つまらない。 確かに今までの自分の人生で楽しいと思えたことなんて何一つない。 それを探すための人間界も、やはり変わらない。つまらないものだった。 ふと、天を仰げば青い空がそこにある。 人間ばかりを見ていたせいか、ずいぶん喉が渇いた。 どこかに手頃な餌はないか。 と思いながら、人目につきにくい寂しげな路地裏へと足を進めた。 「やぁ!綺麗なお姉さんこんなところで何してるの?昼間といえどここらは吸血鬼が出る、悪い吸血鬼に食べられちゃう前に僕と一緒にお茶でもしない?」 「こ…困ります」 ふと、奥に足を進めるにつれ二人の男女の声がした これは所謂ナンパ、というやつだろうか。 人間のやることはよくわからない。あんな言葉で女性が靡くとは到底思えないし、そんなに女が好きなら武力行使で連れて行けば良い。 人の男はわざわざ回りくどいことをするのが好きだ。 少し面白そうだ。 そう確かに感じた自分がいた。 普段ならこんな厄介ごとに首は突っ込まないが今日だけ特別だ。 少し遊んでやろう 「そんな変なナンパ見せられたら、きっと吸血鬼も逃げ出しますよ」 そう自分がいえば二つの視線がこちらに集まる。 女は今の隙にとばかりに「失礼します!」っと言って去って行った。 男の方は間抜けに「あ、」とだけ声をこぼす。 してやったりだ。 どや、という顔はできないから無表情のまま男を見つめる。 男はしばらく放心してからこちらをにらんだ。

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