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4. 初めて会った男 2
「イチねぇ…犬みたいな名前だけれども、お前はネコみたいなやつだよな。ははっ、そうやって気のない振りをしながらも俺のことが気になって仕方がないって顔をしている。そういう顔は唆られるな。」
気にしてはなかったけど、楽しみにしているのが漏れてしまってたのか、御堂院さんは口角が上がった顔で俺のことを見ている。
そしてゆっくりと頬に手が触れ、視線が合うと暫くの間見つめ合っていた。
この人、何なんだ…
段々と恥ずかしくなって、俺が目を逸らすとフッと隣の男の纏う空気が柔らかくなった気がする。
「いつまでも、そんな気高いプライドを保っていられるか楽しみだけどな。その態度と優位に立っている顔が屈辱に歪む顔を想像するだけで興奮するよ。子猫ちゃん。」
グラスの飲み物が残り少なくなってるのに気づいて、次を頼もうとするとその手を制して隣のこの人が蒼ちゃんを呼んで、小声で何か話している。
飲み物の注文…って感じじゃないよな。
まぁ、いいか。後で頼めば
なんて、窓の外を見ながら考えていた。
「しかし、御堂院様。それは…」
「いいから。宜しく」
声のする方に見ると、御堂院さんと蒼ちゃんがお互いに言い合っていて、なんの話なのか分からなかったけど、蒼ちゃんがチラチラと俺の方を見ながら御堂院さんと話してる感じで『俺の事かな。』なんて考える。
「はぁ…、分かりました。今回だけですからね。それに、私は責任は取りませんよ。色々面倒くさいんですから。本当に大変ですよ?」
「君から聞いていたんだから、分かっているよ。それに、俺は少し見たいと思ってね。」
はぁ…と最近の内でも大きなため息をついた後に、蒼ちゃんはカクテル作りを始めていた。
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