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8 . 垣間見えた本性
「なん…っで、」
次の言葉が出なくて、今のこの状況が理解出来ないでいると視界の端に映った俺の混乱の元となっている張本人が沈黙を破るように口を開いた。
「こんな事になる、なんて思ってもみなかったって顔だね。けど、君と違って俺はこの綺麗な顔を快感や憎悪で歪ませてやりたいとずっと思ってたんだよ。君は気づかなかっただろうけど。どう?屈辱的な姿でベッド横たわるその姿は。とても魅力的だけどね。」
顎をグッと上に向けられて、御堂院さんの方を強制的に向けたれたとしても、もう俺の中に恐怖心や不安はなかった。
さっきと比べれば怖くない。
誰だか分からない状況は確かに不安はあったけれど、見知った顔であれば何も怖くない。
けど、問題が一つ。
ここからどうやって抜け出すかという事。
手首が縛られている今、足は自由に動く。けれど、この人を足でどうにかできるほど俺は強くないし、たとえ足だけでこの人をどうにか出来たとしても手首が動かせない以上、この部屋から出られない。
どうなってるのかも把握出来ないし、何で縛られているのかも分からない。
情報が少なすぎるため、俺がとった最善策は
今のこの状況を知ること。
そして早くこの得体の知れない人間から離れること。
至って自然に、だけどちゃんと大事な所は聞き逃さないように恐る恐る質問することにした。
「みど、いんさん。俺ら蒼ちゃんのBARで飲んでましたよね?なのに、なんでこの部屋に居るんですか?」
返ってきた返事に俺はさっき立てた計画も忘れて早くこの部屋から逃げ出したくなった。
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