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9 . 彼の目的

「あぁ、覚えてない?あのカクテル酔わせるためのカクテルなんだよね。まぁ、言わば『度数の高い酒で酔わせて、お持ち帰りー。』って目的のためって言うね。だから、俺は今日の獲物のネコを酔わせるために出したはずなんだけど、元々弱かったみたいだね。常連だから、酒には強いと思ってあと2〜3杯は度数高いのを入れないとなと思ってたけど、あれ一つでモノにできるなんてね。ラッキーだったよ。」 「…え、」 開いた口が塞がらなくて、目の前のこの人がBARで話しかけてきた人と同じ人とは思えなくなってきた。 「酔わせたは良いものの、寝込みを襲うってのは好きじゃなくてね。イチが起きるまで待つことにしたんだよ。寝顔も可愛かったからね、眺めているのも楽しかったよ。」 「俺、あんたのこと誤解してたかも。もっと良い人なんだと思ってたよ。それがこんなに趣味の悪い性格してる人なんてね。今回ばっかりは俺の目が悪かったってとこかな。って事で、コレ外してくれる?帰るから。」 全くという訳ではないけれど、身動きの取れない元凶となっている両手の縛られた部分に一度目線を送ってから御堂院さんを見ると、キョトンとした顔をしていた。 「なに言ってんの?ついさっきっていうか、今言ったのに。君を襲うって。」 「は?」 「つまりは、こういう事。」

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