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千秋のホストクラブ体験!②

*** 『我慢している穂高さん、大人(^^)』  なぁんていう読者さんから、あり難いコメントを戴いたのだが――。  あの時、千秋のパンツ(分身)を手にしていなければ、あんな風に笑っていられなかったと思う。あれがもし自分のパンツだったなら、きっと計画倒れになっていただろう。  ――千秋を外に出さず、ずっと傍にいさせただろうから。  そして現在誰もいない家の中、千秋が着ていたパジャマを手に洗濯機の前に佇んでる俺って……。 「早くシーツと一緒に洗濯してやり、外に干さないと乾かなくなってしまうのが分かるというのに、寂しさのあまり手放せないとか」  自分から千秋を追い出しておいて、この有様なのである。思う存分に、パジャマに頬ずりをしてから。 「エイ!(*`◇´* )ノ ・゜゜・。」  手荒く洗濯機に向かって放り投げ、音を立てて蓋を閉めてスイッチON!  故にまーったく、大人じゃなかったのです。みんなの期待を裏切ってしまい、大変申し訳ない←見えない誰かに、必死に謝る穂高氏 「これで心置きなく、作戦が遂行できる。名付けて『千秋、はじめてのホストクラブ体験☆』」  洗濯機の前から身を翻し、らんらんらん♪とスキップして居間に移動して、引き出しからアロマキャンドルを取り出した。間接照明代わりに使おうと、ちゃっかり用意していたんだ。  どこら辺に配置すればムードが漂うだろうかと、うんうん唸りながら考える。暗すぎても明るすぎても駄目、バランスが大切だからね。  ベストな配置にセットしてからテーブルの前に座り込み、予め用意しておいた名刺くらいの大きさの厚紙を眺めた。 「さて、と。ホストクラブの名前を、どんなものにすべきか。千秋が好みそうなものは、何だろうな」  島にいるから『愛らんど』なぁんていうのを考えたのだが、明らかにキャバクラっぽくて笑えない。 「ここは安易だが、LOVERS~ラバーズ~で手を打とう!」  義兄さんのネーミングセンスが、実に羨ましい。Paradise(パラダイス)やシンデレラだの、ホストクラブの名前にはピッタリ過ぎる。  ブツブツと独り言を呟きながら厚紙に、店名と名前を書いていった。  他にも必要な物を用意し、千秋がいつ帰って来てもいいように準備する。昔着ていたホスト服を身につけ、髪型もビシッと整えて鏡の前で微笑んでみた。 「千秋が楽しめるように、しっかりとサービスしなくては、ね」  何のサービスかはあえて言わないが、とにかく心に残るものにしてみせる!

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