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たくさんの好き――(千秋目線)
穂高さんと付き合ってから、たくさん好きなものが出来た。たくさんありすぎて、どれが一番なんて言えないのだけれど。
――例えば、穂高さん家のお風呂――
以前住んでいたマンションと違って、今現在住んでいるところのお風呂場はとてもとても狭いものなんだ。だけどその狭い空間が更に俺たちを密着させてくれるから、実は大好きだったりする。
他にも――
勢いよく出したシャワーが狭い空間の中に大きな水音をたてているけれど、ふたりの情事の音が外に漏れないように細心の注意をしているのも、ちょっと刺激的だったりする。
だからいつもより大胆になれる自分がいて、穂高さんの首に両手をかけながら思いきって自分からキスをしてみた。
仕掛けたのは自分からだったけど、足りないよと強請るように求めてくる穂高さん。そんな彼に、困り果てるしかない自分。
背中に回されている手が身体のラインをなぞる様に、やわやわと上下していくから、穂高さんを引き寄せている両腕に、自然と力が入ってしまう。
シャワーから自然と与えられる熱気のせいなのか。はたまた彼の肌から、直に感じる熱のせいなのか。
瞬く間に、体温がぶわっと上がっていくよ――。
そんな翻弄されまくりの俺を知ってか、顔の角度をちょっとだけ変えて、押し付けるようにくちびるを合わせてきた。
実はこの角度のキスも、結構好きなんだよな。
すごく傍に感じられるから。まるで離れていた距離を埋めるようなそれに、ドキドキが止まらないんだ。
「んっ、……んぅ」
思わず出てしまった甘い声を聞いて、更に追い打ちをかけるように身体をぎゅっと押しつけながら責め立てる穂高さんに、俺はなす術がない。呼吸を乱すような激しいキスに、頭がクラクラしていった。
穂高さんにどんどん溺れていく自分を感じながら、その身を任せたのだった。
穂高目線に続く(・∀・)
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