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蒼い炎12

***  あの後―― 『押し付けられる想いは、迷惑にしかならないよ。それに今みたいに抱きついたり嫌なことをするようなら、俺にも考えがあるから』  というアキさんの考えを読み、バイトをしている店の外で待ち伏せをしてみたり、その帰りをただ背後をついて歩いたり、他にもアパート前で待ち伏せして姿を現すだけにしてみた。  バイトを終えて疲れて帰ってくる彼のストレスを考慮したら、張り詰めるような緊張感が続くのは、せいぜい1週間から10日くらいだろうと予想を立てた。まあどんなに長くても、俺のこの想いは簡単に消えるものではないけれど。  そんな自分で予想したアキさんの精神力がどれくらい持つか、先が見えないものだからこそ楽しみもあって、怯える彼の背中を窺いつつ隙を探した。  しかしながら当然というか思っている以上にガードが固く、そういうところが彼らしいなと毎回微笑んでしまう俺は、相当逝かれてると思う。  だけどそれも、今夜で終わりにしてあげるね――。

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