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ドキドキハラハラのハロウィンナイト④

 ハロウィン当日は平日だし、穂高さんも漁の仕事が入る可能性があるから、確実にお休みになる30日の日曜日にパーティをすることに決めた。問題は――  いつどこで着替えて、穂高さんをビックリさせるかなんだけど……ふたりきりでいたら、ずーっとベッドでイチャイチャしちゃうから、まずはこれを回避しなければならないという難題が待ち構えている。  穂高さんには悪いけど、俺は一旦職場に逃亡することにしよう。月曜までにやらなきゃならない仕事を置いてきたことにして、家から脱出を謀ってみた。 「珍しいね、日曜なのにわざわざ職場に行くなんて」  朝方、漁から帰って来た穂高さんに告げた第一声で、滅茶苦茶不振がられてしまった。  てきぱきと朝ご飯を用意しながら、苦笑いを浮かべて、その場をやり過ごそうと再び口を開く。 「月曜の午前中までに、仕上げなきゃならない仕事があって。はじめて受け持った書類だから、時間がかかるのが目に見える上に、間違わないようにちゃんとしたいし、期日も厳守したいし……」 「それで前倒しで仕事をしに、これから行きたいんだね?」 「ぅ、うん。穂高さんと一緒にいられなくてごめんなさい」  テーブルにお茶を置いたら、太い二の腕がいきなり俺の身体を捕まえて、ぎゅっと包み込んできた。 「仕事熱心なのは感心するけど、ほどほどにしないと夜が持たなくなるが、それでいいのかい?」 「それって////」 「昼間、接触できない分、夜にしっかりと徴収させてもらうから、覚悟しておいてくれ」  爽やかに微笑んでから、くちびるにちゅっとキスしてきた穂高さん。  先にそう宣言されてしまったので、それなりの覚悟を必要とすることになり、困惑を極める事情を自分で作ってしまったことを、後悔するしかなかったのである。

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