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ふたりきりのクリスマスナイト☆

 11月中旬、シベリアからの寒気の影響で海が大時化となり、漁の仕事が3日ぶりに休みとなったので千秋を抱くことが出来た。本当は毎日だって抱きたいというのに、それを許さない自分の仕事がたまに憎らしく思えるときがある。  しかし夏場に比べたら冬は悪天候が多いので、暖をとりながら千秋とイチャイチャ出来るのが嬉しい。  その反面、実はヤバいと思うこともあり――最近の千秋の色気が、半端ないのである。  ハロウィンで女装してからだろうか。ふとした表情が、えらく垂涎ものでゾクッとさせられ、それだけでイカされるなんて……。  しかもHする前にたまーに桜色のリップを付けているときがあり、可愛いその姿を見せつけて、見事に俺を翻弄する。  流し目しながら艶のあるくちびるで、 「穂高さん、まだー?」  なぁんて言われただけで、すぐに達せる自信がある! (今日はギリギリ、千秋をドライでイカせてからイったけど、だんだんと俺自身の余裕が削がれている)  こんなに抱き合っていれば、倦怠期みたいなものが来てもおかしくない。バリエーションがあるとはいえ、結局ヤることは同じ。なのに飽きが来ないのは、千秋がいろんな表情を魅せてくれるから――。  隣で静かに寝息を立てている愛おしいぬくもりに、視線を飛ばす。  俺の方を向いて横になり、肩までしっかりと布団に包まれている様は可愛くて仕方がない。出来ることなら、手を出したいくらいだ。  現在、どうやったらウエットでイカせられるのか研究中だからこそ、いろんなことに励んでしまったせいで、疲れきってしまった千秋は死んだように寝ているのである。  三回戦後、浴室に移動してからも、外の嵐を理由に盛大にヤってしまった。  快感を引きずったままでいる千秋の身体を抱き寄せて、立ったまま後ろから秘部にゆっくりと、指を何本か挿れただけだったのに――。 「ぅあっ! いきなりっ…ぬ、抜いて! んっ、だめぇっ」  ローションや俺のでぬるぬるになっているそこは、滑りが大変よろしいので、その感覚を確かめるようになぞってあげた。 「やめっ……なか、をそんなにっ…擦らない、でっ」 「どうしてだい? こんなに感じているというのに」  目の前にある壁に両手をつき、息を切らす千秋の耳元にくちびるを寄せて笑いながら告げてみる。反対の手は喉元に触れながら、なめらかな肌を堪能するように、敏感な部分へと下ろしていった。  中が感じると腰を引くので自由に動かせる手は、それを止める働きをしていたりする。 「さ、さっきも散々っ……ベッドでした、のに! も、あ、あぁっ…んっ!」 「千秋、今夜は声を抑えなくても大丈夫だ。外は嵐で、すごく風が吹いているからね。感じてる声、もっと聞かせてくれ」 「そんな、の…やっ……はずかしぃ」  エコーがかかって、いつもより色っぽく響くから、たくさん聞いていたいというのにな。 「出さないのなら、君の羞恥心を俺の手で崩していくけど、それでいいのかい?」 「ほらか、さん――」  弾くように弄っていた左の乳首から右手を外し、そのままゆっくりと下降させていくと、千秋の手がそれを止めるように、手首をぎゅっと握りしめてきた。 「これ以上、感じさせないでください。も、おかしくなっちゃう……」 「だって、俺だけ乱れているのはつまらない。それに三日ぶりだからこそ空いてしまった分を、補いたいと考えているんだけど」  止めに入った手の力をそのままに、千秋自身を握りしめてやる。俺の愛撫に感じて、しっかりと勃起したものを愛おしく思いながら、上下に弄ってあげた。 「ドライでイったばかりで、ココがイけていないせいだろうか。いつもより、感度が良さそうだね千秋」 「んんっ、イってる…のにぃ……ほらかさんが、Hな手で触るから…ぁあっ、感じてっ」  ウエットでイくスイッチはどれだろうかと、いろいろヤってみたものの未だに見つけきれないんだ。  その後、俺自身を使って責めたててみたが、やっぱりというかドライでイってしまって、その気持ちよさのせいで俺もイカされてしまった。  湯船に浸かって身体をしっかり温めてから、ベッドに移動してもう一回戦と思ったのに、千秋が疲れ果てて寝てしまい現在に至る。  いつもなら仕事をしている時間のせいで、全然眠くならない。適度に励んで疲れているのに、興奮材料が傍にいるせいだろうか。  起こさないように片腕で柔らかく抱きしめて、髪にそっとキスを落とした。 「ぅ……ん、ほらかさ、んっ」  すりりと頬を寄せてきて密着しようとしているのか、ぎゅっと抱きついてくる。無意識の行動だから、喜びもひとしおだ。  そんな愛しい彼が喜ぶであろう、クリスマスプレゼントを贈りたい。さて、何を贈ったら一番喜んでくれるのか。  島への荷物の配送を考えると、そろそろ準備しておかなければ、イブに間に合わなくなってしまう。  千秋を抱きしめたまま、今まで過ごした日々をぼんやりと考えてみた。そこから何が必要であるか、分かるかもしれないと思ったから。

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