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ふたりきりのクリスマスナイト☆⑤
(そして願うことなら穂高さんがイった後に、帰ってきたかった……)
どうして、このタイミングで帰ってきちゃったんだろ。俺ってば最悪――。
肩を落としながら着ていたコートを脱ぎ、ハンガーにかける。その間も穂高さんは動かずに、じっと俺の様子を窺っていた。
「熱は?」
「微熱程度なんですけど喉が少し腫れているから、もしかすると上がるかもしれないって、周防先生に言われました」
手早くネクタイを外し、上着と一緒にハンガーにかけて穂高さんを見たら、俺の視線をすっと避けて、違うところを見る。
この態度はさっきのことを、間違いなく気にしているよね。
「熱が上がらないように、精のつくものを食べないといけないね。買い物に行ってくる」
俺の後ろを素早く通り過ぎようとしたところを引き止めるべく、左腕にぎゅっと縋りついた。
「待って、……行かないで!」
「千秋?」
「そのまま、行かせるわけにはいかないよ」
言いながら俯き、チラチラと穂高さんの下半身に視線を送る。
「うっ、ほ、放っておけば、何とかなるから大丈夫だ。千秋は早く、横にならなければ。ほら」
心底バツの悪そうな顔して、掴んだ俺の手を外しにかかった。
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