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ふたりきりのクリスマスナイト☆⑭
やっぱりセンスのいい人が選ぶものって、何を選んでもカッコイイとしか言えないなと思いながら、口元を綻ばせて袋の中に手を無造作に突っ込み、残りのプレゼントを触ってみた。
(おっ? モフモフしたものと、ツルツルしたものがあるな。もう一つは、ビニール袋に入っている感じだ)
眉根を寄せながら不審がる俺の様子に、穂高さんの顔色がどんどん変わっていく。さっき声を震わせていたことといい、何だか挙動不審すぎる。
とりあえず一番かさばっている、モフモフした物を引きずり出してみた。
「…………」
「…………」
「穂高さん、冗談にもほどがありますよ」
まさかのツーピースになっている、サンタのミニスカ衣装だった。見るからにアリスの衣装よりも、15センチくらいスカート丈が短い!
「絶対にそれ、千秋に似合うと思ったんだ。今夜だけでいいから、俺のサンタになってほしいな」
呆れながらスカートを手にする俺を、どこか恥ずかしそうな顔して見つめてくる穂高さんに、何と反論すればいいのやら。
「あのですね、女装をするにあたり、その……。アレコレ下処理をしなきゃならないんです。すね毛のある足で、こんな短いスカートを履けないでしょ?」
「……確かに。そういえばハロウィンのときの千秋は、腕と足がすべすべしていたっけ。しかもほのかに、いい匂いをさせていたような」
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