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ふたりきりのクリスマスナイト☆㉒
「しょうがないだろ。いつも消極的な千秋が自分から跨ってきて、Tバックの前を見せつけつつ、煽る様に腰を動かすものだから、必然的に反応してしまうわけだし」
言い訳がましいことを口にした俺を、抱きついていた身体を起こして、じっと見つめる。
「う~ん、喉が渇いた。いっぱい喋ったせいかな」
俺の言葉をまるで聞いていないような独り言を呟くと、テーブルに置いたままの俺のマグカップを手にし、勢いよくぐびっと呑む。
甘くないのでそこまでは呑まないだろうとそのまま見つめていたのだが、珍しくそのまま美味しそうに呑み続ける千秋。
「これ、甘くないれすね。ほらかさんは、この味が美味しいんれしゅか?」
ぐいっと差し出されたマグカップの中身を見たら、残りが三分の一くらいの量になっていた。
酔いやすい彼のことを考え、千秋用のホットワインをギリギリの規定量にしたというのに、俺のを呑んだせいでそれを軽く超えてしまったぞ。
「千秋、そんなに呑んで大丈夫かい? 気持ち悪くなっていないだろうか?」
「平気れす! 身体が熱くて、ムズムズする感じらけ。そういえばさっきから、気になってることがあるんれすけど」
「何だろうか?」
訊ねた俺に千秋は小首を傾げながら腰を少しだけ上げて、いきなりスエットのズボンのポケットに手を突っ込んできた。
「俺が動くと、何かがガサガサ動いてるのを太ももに感じたんれす」
「あっ、それは――」
(しまった。千秋の変わりように、その存在をすっかり忘れていた……)
「何れすか『らぶ☆らぶローション(媚薬入り)』って。こんなの俺に使おうと思って、隠し持っていたんれすか?」
小さいパッケージのそれを、うりうりと突き出されて困り果てるしかない。今回注文した荷物の中に紛れ込んでいた、試供品のローションだったりする。
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