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第2話

高橋と大学の食堂から別れたあと、遥斗は零を探していた。構内をぐるぐると回っているが、美しい彼の姿は見つからない。 (…今日は月曜日だし、零さん居るって言ってたような。) ここの人気のない廊下を進んでいくと使われてない研究室がある。零さんはいつも人気のない所に一人でいる。あの研究室に居そうだなぁと思い近付いて、ドアを開けようとした時、人の声が聞こえてきた。 ドアの隙間に耳を近づけて聞いてみると、零さんの声がした。(やった!零さんに会える!)喜んだのもつかの間、相手の男の声も聞こえてきた。 「零。また違うやつとシたのか?」 男の声は落ち着いていて、俺より年上だと思う。 「うん。ダメなことでもした?俺は裕司さんと付き合った覚えはないよ。」 零さんの美しい声。 (…うわぁ、これって修羅場ってやつ?) 「そうか、零は俺の体に満足してないんだろ?だから他の男を誘惑する。」 優しい声色で言う男。声は優しいのに、なんだか聞いていて怖い。零さんはクスッと可愛らしく笑って「じゃあ、ココで抱いてよ。」と言うと、ソファが軋む音が響いて、俺の耳は零さんの甘い喘ぎ声で満たされた。 「裕司さんって、誰?」 _____________________________________________ それからしばらくして、裕司さんの事がわかった。 松本裕司 42歳、有名な玩具会社の社長。 俺も小さい時はその会社のおもちゃにお世話になったが、まさか零さんのセフレとは。 零さんは一体何者なんだ。

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