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第3話

「ん」  寝台の上にあぐらを掻いたルカの膝に凭れていたセナは唇に何かを押し付けられた。 「……なに?」 「木の実だ。食べてみろ。うまいぞ」  口に入れられ恐る恐る咀嚼してみるとその甘さにセナは微笑した。 「おいしい……」  ゆるゆると髪を撫でられてセナは居心地が悪い。こんなふうに優しくされるのは初めてで、その相手が魔族の男だというのに気を許してしまいそうになる。長い爪が当たらないように指の腹で頬を撫でられて、セナは身を竦ませた。 「どうした? まだ怖いか」  セナは黙って毛布を引き寄せる。怖いのはその優しさだ。まるで慈しむように見つめられて哀しくなる。こんな思いをするのは初めてだからだ。ルカは髪を掬い口付けながら空いている手でセナの肩を抱く。 「セナ、と言ったな。元気になれ。その美しさは健やかであってこそ」  冷たい手が温かく思えて、セナはきゅっと目を閉じる。そんな言葉、聞いたこともない。セナの銀色の髪と碧い目は村人から忌み嫌われていた。ルカは知らないのだ。自分はこの世に必要のないもの。誰からも必要とされはしない。  涙が一筋流れたのを、ルカは見逃さなかった。 「だいぶ身体はよくなったようだな」 「……ありがとう、ございます」  休養を十分に取れば若い身体はすぐに健康を取り戻した。そうであれば精気を、と言われる前にセナは自身を差し出すことにした。甘やかされて大事にされれば情も湧いてくる。だがルカは首を縦に振らなかった。 「セナ、無理をしなくていい。私は……」  欲しいと言ってほしかった。必要とされたかった。存在意義が欲しいセナは身体を差し出す他、考えられなかった。蝋燭の炎が揺らめく中、セナは思い切って自分からルカの両手を取った。 「……セナ」  手の甲に口付けて見上げるとルカは苦しげな表情をしていた。一心に見つめると突然、抱きすくめられた。 「どうなっても知らぬぞ……!」  ルカの指がセナの髪をすくいそれに口付ける。狂おしく続けられるそれにセナは頬を染めた。忌まわしいと言われた髪をルカは愛おしんでくれる。唇が重なると、ゆっくりと薄い舌が口の中に入り込んでくる。小さな口内を突かれ、セナは目をぎゅっと瞑った。息が出来ず何度も顔を顰める。 「……ひゃ……んっ」  急に舌が移動して胸を彩る赤い突起に巻きついてくる。扱いて、舐めとる。セナは瞼を震わせて喘いだ。 「……んっ……ん」 「気持ちいいのか? 肌がこんなに赤く染まっている」  そのまま足を軽く開かされてセナはごくんと喉を鳴らした。 「あ……っ!」  まだ幼いペニスの先に、淡い蕾の入り口に次々と舌が突き入れられる。その強烈な快感にセナは身体を捩ろうとしたが、腰を固定されていて動くことが出来ない。足を閉じようとするとルカの顔を強く挟んでしまう。恥ずかしくてセナは枕の端を握りしめた。 「さあ、私にセナの精をおくれ」  冷たい口内にペニスを含まれ、セナは喘ぐ。息苦しい。だが許されない。絶頂は早くに訪れた。腰を突き出しながら精を吐き出すとルカが美味しそうにそれを飲み下すのがわかる。 「……ルカ……」 「セナ、もう少し足を開いて」  言われた通り、おずおずと膝を開いた。すると濡れそぼったそこにルカの冷たい分身が入り込んできて、セナは背を反らす。前後に絶妙に動かされるそれにまた快感が襲ってくる。 「……あ、……ああっ……」 「セナはかわいいな……もっといじめたくなる」 「やっ……ルカ……ルカ……!」  セナは懸命にルカの背に両手を回し、ぎゅっとしがみつく。溺れる子供が何かに縋るようなその仕草にルカは微笑み、口付ける。  乳首を長い爪で抓むとセナはあっという間に達した。ルカはセナが嫌がっても強く抱きしめ腰を突き入れ続けた。

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