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第3話

「……………………なんだったんだよ……」 「ほんとね………………」 さっきの光景を思い出すと、今にも顔から火を吹きそうだ……………… あの時、僕達を引っ張ったと思ったガラスは 僕達を取り込むことなく、顔面がガラスにめり込んだだけだった……………… ゴンッと音を立ててめり込んだ顔は相当痛かったが そんな痛みなんて忘れて、2人してその場から逃げた 喫茶店のガラスの目の前にいた女性に思い切り睨まれ、周りの冷ややかな目と笑い声にとっても恥ずかしくなった……………… このことを僕は一生忘れないだろう…………………… とぼとぼと帰り道を歩きながら、興奮した様子の聡がキレ始めた 「ってかさ、あれ ガラスから手が出てたよな?なんなの!?」 「さぁ…………僕もわかんない…………」 そう、僕たち2人は確実にガラスに引っ張られた 勘違いかとも思ったが、聡もガラスの手を見てるし、僕も見た 二人とも幻想を見た……という考えも思い浮かんだが……………… 腕を見ると、ガラスに触られたところがくっきりと赤くなっている ………………幻想ではないのは……確かだ 「あぁ……まじ気持ちわりぃ!!!」 「まぁまぁ、寝不足なんだよ」 「寝不足で腕に跡がつくかよ!」 今にも泣きそうな顔をして、怯えている友人の手を握りゆっくりと歩き始める ………………2人で車道のど真ん中を歩きながら………… だって!怖いもん!塀とかガラスとか壁とか!!! どこから手が伸びてくるかわかんないもん! 2人してお互いの腕にしがみつきながら、なるべく真ん中を歩いた なのに…………………………………… 「ぎゃあぁぁぁあぁ!」 「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!」 左右を警戒していた僕達は したなんか見ているはずもなく……………… いつの間にか空いていた大きい穴に 二人揃って落ちていった…………………………

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