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第4話
「ってぇ!!」
「うぅ……………………どこ、ここ…………」
2人して盛大に尻もちをつき、痛む腰をさすりながら周りを見渡す………………
ほんとにどこ……ここ………………
周りに見えるのは中世ヨーロッパのような豪華絢爛な部屋
赤いカーペットが敷き詰められたその部屋は上を見ればシャンデリア
横を見ればガラス張りの壁とよくわからない天使の絵
窓側には黒いローブを着たたくさんの人がこちらを見つめている
「なんか…………気味わりぃな…………」
「ほんと…………なんか怖いね………………」
ぐるっと見回すと、部屋の東側に大きな階段があり、その1番上で大きい椅子に座った小さな女の人がこちらを見下ろしていた
「………………」
その人は僕たち2人を冷たい目で見下ろし、静かに立ち上がった
………………なぜだかわからないけど……変な威圧感を感じて…………僕はその人の前に跪いた……
「…………え、あ………………」
僕のことを見つめ、なにかを察したのか
聡も同じようにして跪く
僕達2人が跪いたのをみた女の人は
カツンカツンとヒールの音を響かせながらゆっくりと階段を降り、僕らの目の前まで来た
恐る恐る顔を上げると……………………
さっきまでの冷たい顔が嘘のように……とってもいい笑顔の彼女がたっていた
「ようこそ、エルラルドへ
私はこの国の姫、ビアニカです
勇者様を心よりお待ち申しておりました」
「ゆ、勇者……………………だれが?」
「澪様、貴方様が勇者でございます」
ニコニコと僕らを見つめるその瞳は、嘘をついているようには見えない…………
だが、現実味のない言葉に頭の中が??で一杯になる
それは隣の聡も同じようでポカーンと口を開けたまま動かなかった
そんな混乱した僕らを置いて、そのお姫様は悲しそうな顔でぽつりぽつりと語り始めた
「今から100年前…………この世界は我々人間のものでした………………」
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