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第5話

お姫様の話によると……………… この世界は魔族、獣族、人間族が暮らしているらしく、その3つの種族はほんの100年前まで仲良く暮らしていた ……………………はずだった 魔族の王、レフォード・ラヴィールが現れてから世界の均整は保てなくなってしまった 80年前、人間族は魔族、獣族の手によって多くのものが殺され、その被害はほとんどが一般人だった 酷かったのが女子供の被害だ 昔居た女子供はほとんど殺されてしまい、今残っている女性は若者ばかりだという 一般人を狙った卑劣なやり方に怒りが湧き、人間族は戦争をしようとしたが、力、頭の賢さ、全てにおいて魔族、獣族を下回る人間に勝ち目はなかった…………………… 「しかし!人間に光が訪れたのです!」 「ひ、光……?」 「はい!それは澪様、あなたの先祖である 伝説の勇者アーサー様の誕生です!」 「あ、アーサー………………?」 「はい!アーサー様は力、頭の賢さ全てが魔族と同じくらい素晴らしかったのです! アーサー様は、魔族と対等に戦えるよう、一般人用に対魔族の剣を大量に作られたのです それは、人間にとって最高の、魔族にとって最悪の武器でした」 その武器はエンフェルノと呼ばれる刀で 魔族の弱点とも言えるアルミのようなものが素材として使われている アルミは、僕らの世界で言う、吸血鬼に対する陽の光、みたいなものらしく 触れるだけで大火傷を負い、力の弱い人間でも敵を瀕死状態に貶めることが可能だそうだ 「しかし、問題が発生するのです…………」 「その……問題って?」 「エンフェルノの中でもいちばん強い刀……ノーザンはアーサー様にしか扱えないのです」 「え、っと………………?」 「エンフェルノに使われている素材は、少量であれば主人を選ばないのですが ノーザンは違います。その全てが特別な素材でできているため、アーサー様以外のものが触れると雷を発してしまうのです」 「なにそれすっげぇ………………」 「す、すっげぇ?のですが………………問題が」 「……………………問題?」 「はい…………アーサー様は2年前の対戦で、前魔王と大乱闘を起こした末、相打ちになり、亡くなられました」 「え、じゃあ強いやつ使えねぇの?!」 「そういうことでございます………………」 ………………なぜか話についていってる聡に驚いてしまう……………… ………………ピンチってことはわかった………………………… けど…………全然わからん! うーん、うーん、とお姫様の言っていることを頭で整理していると、ビシっ!と僕を指さして嬉しそうにお姫様が言う 「そこで!!貴方様の登場という訳です!」 「……………………は?」

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